Friday, December 18, 2009

Talk at the Creator's Summit 2009

事後報告になってしまいましたが、この12月3日に、多摩美術大学デザイン学科の猪股先生からお願いされて「クリエイターズサミット2009」のキーノートスピーチという大役を、ジャチェック・ウツコさんと一緒に務めさせていただきました。講題は「ブランド戦略に基づいたトータル・クリエイティブワーク」というもので、クリエイティブを始める前に、どういったコミュニケーション戦略を練るべきか、という側面と、ブランドという存在感を、顧客と共に、どういう指針で築いていくべきか、という側面あたりを話させて頂きました。また12月4日にもワントラック頂いて、実際に何を考えて、どういう作業を進めているのかをプレゼンテーションしました。でも、この二日目は講演時間45分ということで、かなり巻きながら話してしまい、ちょっと不完全燃焼っぽい感じになってしまいました。これまで講演というと大体90分とかが普通だったので、ポイントを絞り込むことと時間配分をミスりました。聞いてくださった方に申し訳なかったです。またどこか別の機会があればお話したいと思っています。

さて、自分のことはこれぐらいで置いておいて(笑)、僕のスピーチの後に話された、ジャチェック・ウツコさんのプレゼンテーションはTEDで行われた内容に加えて、具体的な論拠も示され、とても素晴らしかったです。彼が話していることは、至極まっとうであり、広告やコミュニケーション業界でも、同様の変革を起こした人たちは生き残り、今も成長しています。

しかし、ウツコさんの言うように物事を進めるには、相当の覚悟を固め、いま目の前にある現実の新聞や出版業界の慣習を根本から見据え直し、多くの慣習をひっくり返しながら、新たな体制とワークフローを構築しなければなりません。彼のプレゼンテーションを僕がリアリティを持って受け止められたのは、表層の裏にある、彼の弛まぬ努力と、彼が持ったヴィジョン実現のための、目に見えない苦闘にリアリティを持てたからです。なので僕は、彼が「こうするべき」という具体的な手法の説明をされている間も、ずっと「大変だったんだろうなぁ。ウツコさん頑張ったんだなぁ」という感じでした(笑)。

いずれにしろ、「デザインをどうするかの前に、ビジネスの仕方から変えて行かなければ、何も変わらない」というところで、僕のキーノートスピーチと、ウツコさんのスピーチは、共通するメッセージを出せたように思いますし、そういう風に受け止めてもらえると、オーディエンスの方々の日常も違ってくるのではないかと思っています。関係者のみなさま、色々とありがとうございました。