Wednesday, December 10, 2003

Levitt's words

鉄道産業が成長を停止したのは、旅客と貨物の輸送に対する需要が減ったためではない。需要は増え続けている。今日、鉄道会社が危機に見舞われているのは、旅客と貨物の輸送が鉄道以外の手段(自動車、トラック、航空機または電話)に奪われたためではなく、鉄道会社自身が、それらの需要を満たすことを放棄したからである。鉄道は自らを輸送事業と考えるのではなく、鉄道事業だと考えてしまったために、自分の顧客を他へ追いやってしまった。

Innovation in Marketingの著者、テオドール・レヴィは、その文中でこういうことを言っている。そして、この一節が、自分が今いるWebという業界が、今後どうすればいいかを示唆している気がしてならない。そう思うのは、旧世界から何かを奪い取ったつもりの人。また、どこかで革新が続いていると信じきっている人。さらに、何も考えずにサイト作りを仕事にしている人が多いことに拠る。自分たちで自分たちを狭めてはいないだろうか。自分たちは鉄道になろうとしていないか。


COMMENTS : あらゆるリレーションの密度を高めるために、webサイトを構成すればクライアントは拒否し、つながりたがらない、つながれない。いままでの商売でなしえなかったことを実現し、本質の商いに回帰すべく提案しても、思考できる環境にない企業の体制、その歴史で魂を抜かれた右向け右ちっくな兵士。思考をしようにも頭にフタが乗る体制・体質なのに、目標管理の人事制度、それが更に自分のことだけを考えることにつながる悪循環、つまりクリエイトできない、故に業務思考。役員も社長も例外なくその道を通ってのエスカレータ。良いところを引き出し、商売というものの不易と照らし合わせ、かつ成長シナリオを描き、アウトラインイメージを作り上げても理解するすべがない。痛い目みないと。webサイトとは、少なからず企業のアウトラインを示すモノ。しかし制作業者もそれすらわからず、また、わかっていても踏み込めるだけの説得力と、リーダーシップを発揮できない。サイトを作る、というならば、その特性を理解すれば、やはり枠を自ら取り払い、自分たちが感じる理想の着地点に導けるだけの精進をせなあきませんな。・・・と感じる、制作もやるコンサル会社の寝言でした。 NAME : とおりすがり : December 11, 2003 04:36 AM

コメントをありがとうございます。そうですね。本当に仰る通りだと思います。もう御意!という感じで、書かれた一字一句に頷いてしまいます。結局ウェブサイトというものは経営も業務にも強く改善を強いる存在なのですが、組織のために個人が存在してきた旧来の企業体では、すべてにディシジョンが曇ります。そこをどう突破していくかが僕の日々の課題です。そしてこれは、クライアント側にも言えることですが、ベンダー側にもいえる事。表層のデザインやパッケージされたソフトウェアでどうのこうのでは何も動きません。そういった大きな視点でモノを動かし価値を作っていけるように提言と警鐘を続けたいと思います。ありがとうございました。NAME : s_h_i_n_z_o : December 11, 2003 12:07 PM

黎明期からインターネットという価値を(「曼荼羅ネットワークという価値」の方が適当かも)必死に浸透させるべく尽力された方、そして「その先に何かがある」と、これまた必死に使ってきた人たちの潜在的なインスピレーションに何が訴え、そして使ってきたか(使われてきたか)ということを考えれば、やるべきことは凄く簡単ですよね。我々も含め、その方々が「その時点」で、どうすれば「いま」より「何が」「どう良くなるのか」ということを必然として考えるわけですから。これ、マクロ的に見れば、その時点のムリムダムラというものを均すということで、世の原理原則の一つで「バランス」というものだと思います。経営にも業務にも強く改善を強いる、またはすべてのディシジョンが曇ってしまうのは、このあたりが回答の一つだと思います。故に、「総論賛成!(IPネットワークを利用したアレコレ)」となるのですが、いざ走り始めるといままでの行為を否定することも多く、延々と目的地へランディングできない、または時流という観点からコトモノを見られず、「いままでの仕組み」へ引き寄せようという「妥協の産物」となってしまいますね。(^_^;)恐らく、本当にやりたいことの半分もできないのではないかと想像します。(失礼な話ですみません)私もできませんもの。また、提案したいコトモノも、本質的なプレゼンテーションという観点からすれば、半分もできていないというのも事実だと思います。私が思うに、大事なことは考え続けること、実践し続けること、反面、「こうしたら、あなたの会社はもっと良くなりますよ」と正直思ってやってるわけですから、それが素で伝われば良い、と、真摯にこだわらず、ゆずらずやっていくしかないんだ、と思ってます。はじめての書き込みなので、なんや酔うてんのんか?という口調であえて書いてしまいました。失礼しました。「仕事」を見てる人間が居ると思います。是非がんばってください。私ももちろん精進せなあきませんが。CIという名のラクガキ、(^_^;) 法務局そばの司法書士事務所のデカイ看板、医者のデカイ看板、葬儀屋の派手な電飾看板みたいなブランディング(能なし丸出し)、まず、コンサル会社やデザイン会社がこんなことをしなくて済むように頑張らないとだめですよね。 NAME : とおりすがり : December 11, 2003 11:48 PM

補足です。単純化と複雑化、農業化と工業化、組織力と個の覚醒、などなど単なる例えですが、相反するモノを融合していくという行為は今まで必要なかったですもんね。キーワードは人間力というもので、実質商売も何もかもここがすべてといって過言でないと思います。モノを作るのも売るのも買うのも人間ですから。(^_^;) そのためには、教育ならぬ共育という概念、成功するために市場に○○な戦略・戦術をうんちゃらかんちゃら・・←ではなく、如何に「溶けるか」。好き放題やる、と、好きなことをやり続けるの意味が違う、それを企業が認知するタイミングだと思います。もっとも「何が好きなのか?」が風化してしまっていますが。このへんが難しい問題です。我々は採寸ビシバシのオーダーメイドの服を作るのがベストな仕事でしょうけれど、逆に限られた時間の中で、妥協とも言える服であったとしても、そこに「逃げ」を作り、大事なことは着続けてもらうこと。・・・だと最近思いまする。NAME : とおりすがり : December 12, 2003 12:10 AM

とおりすがりさん、いっかい飲みません(笑)? いやまじで。是非一度お話したいです。よかったらメールください。ぺこり。 NAME : s_h_i_n_z_o : December 12, 2003 03:21 AM

このエントリー(コメント含む)から得られる価値はすごい高いですね。というか密度が高いと言うか。個人的なものですけど。お金払ってもいいと思いました。とあまり価値のないコメントをぶら下げるのもアレなので、得られたと思える価値を自分に活かせるようにがんがろうと思いました(謎)。いや、素で久々に文章読んでて感動して、かつてのML(謎)を思い出した勢いでコメントしてます。ごめんなさい。 NAME : 宙蔵 : December 12, 2003 03:53 AM

マジで感動しました。何度も読んじゃった。言葉ひとつひとつがすばらしい。精進精進・・・。 NAME : ワニ : December 12, 2003 10:12 AM

すみません、色々書き殴りました。。朝起きて呼んでみると少々こっぱずかしいですな。(苦笑)誤解無きよう記すのですが、私は企業さんに文句があるんやないです。ただ、転換期にさしかかっていると思います。私が思うに85年ぐらいからこの動きは表面化してきていると思います。いきなり一気にいけないですから、色々問題もありますよねえ。ただ我々が気づいているのであれば、なんとか情報としてお渡ししたいのですが、ご想像に漏れず、書いてることがいっぱいいっぱいで、(苦笑) 四苦八苦しとります。手段は仕事そのものでも、「絵」という抽象的な、でも一番わかりやすい未来予想図でも、なんとかもっとよさげになる方法がありますよ、と伝えたいのですが、単なる妄想かもしれませんね。(苦笑)飲みに行くんですか?ちょっと恐れ多いのですが。(^_^;) 色々お話聞かせて頂きたいのですが、すんません、メールアドレスがわかりません。(苦笑)私のは書き込んであります。>みなさま 単に言葉にしてるだけで、実践できるかどうかは別問題です。(苦笑)みなさんがんばりましょう。私もボチボチと。 NAME : とおりすがりじゃないやん、もう : December 12, 2003 10:48 AM

そもそも、我々は、サービス業として、企業さんのお手伝いをしているにすぎず、大きな意味での社会との責任関係は企業さんを通じてということになりますので。さて、話を本題の「鉄道の誤った選択」に戻して、わかりやすく言うと、そこに僕が見出すのは、そもそも俺たちって、なんでウェブに固執してんだ?っていうことです。他にもやりようはいくらでもある。その中で、自分たちの提案や仕事は、そもそも何なんだ?そもそも何を実現するためにウェブを使っての提案してるんだ?ってことです。もちろんサイトを作ることを目的とする話ではありません。その背景にある思想のようなものを、日々の自分の仕事に滲ませてるかい?っていうような危惧です。 NAME : s_h_i_n_z_o : December 12, 2003 07:30 PM

そうですね、そんな意味で掲載されたのであろうと思ってました。ハッキリ申し上げて、クライアントさんの要望を素のまま受け取っていたら「作るのやめましょう」というのがあまりに多いような。(^_^;) かといってクライアントのせいとか、自分たちのせいとか、そういう問題でもないと思います。要するにお客さん(企業)さんに満足してもらえるように、我々もまた、枠を取り払い大事な一点だけ見据えればよいのかな、と。自ずと取り組むべきコトは見えてきますよねえ。※メール書きますね。ありがとうございます。 NAME : とおりすがり : December 12, 2003 08:26 PM

デザイン馬鹿としては、仕事の中では泣きたくなるような理不尽さ(のように感じてしまう)や、自己嫌悪に陥るような虚しさ(のようなフーに考えて自分を保つ)を感じることが少なくない日々。でも、結局それは自分の力不足そのものなわけで。さらに、そういうことで毎回凹んでいる自分が誰よりも一番ダサいわけです。んで、おい信蔵!それを自ら受け入れた上で、ウェブっていいわぁ。デザインってさいこぉー。コミュニケーション楽しぃ。ってことを本当に考えてるか?考えられてるか?ってことなわけです。偏った考えに固執してしまってるじゃんよ、とか自分で自分を壊すのは辛いけど、それやんないと(笑)。 NAME : s_h_i_n_z_o : December 12, 2003 09:00 PM

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