Tuesday, September 30, 2003

AR+S

来週木曜日、「宣伝会議アートディレクター養成講座」にて講義を行う予定。毎年のことだが、これは広告業界でのアートディレクターになりたい若い人たちに、現場の忙しいおぢさんたちがアートディレクターってこんな仕事なんだよと教えてあげる養成講座。コミュニケーション成立に向けてウェブの役割が高まりつつある今日、広告のADを目指す受講者の彼らが、今現在どこまでそれを認知しているかを問い掛けてみたい。しかし、この日は午後から六本木ヒルズでのカンファレンスもある。忙しい一日になりそうだ。

COMMENTS : このまえ、宣伝会議の方から聞いた話では、この講座に出席していた某大手代理店の若手が「自社のことを悪く言っていたので気分を害した」というコメントを残したそうな(んなこと言ったっけ、って感じなんだけど)。彼はなにを得るためにこの講座に出席していたのだろうか。単なる愛社精神なんだろうか。それとも、その講座出席者たちにとっては憧れの大きな会社でそういうポジションにいるプライドというやつなんだろうか。いずれにしろ馬鹿馬鹿しい話だ。NAME : s_h_i_n_z_o : February 5, 2004 03:09 PM

works, today 0929/03

昨日に引き続き、気持ちのよい快晴。権田原から迎賓館に続く道(僕の通勤路)が木漏れ陽に彩られて美しい。ほのかに始まった紅葉に季節を感じる。出社してからMIKIMOTOの細かいバグつぶし作業。その後、SONY用のプロトタイプ作りにとりかかる。週末に色々考えていたのでアイデアが沢山浮び、変に考え込まずに作りつづける。作っては捨てるというパターンだな。16時、昨夜仕上げたロゴを持って虎屋へ。ロゴタイプとシンボルマークは問題なし。しかし、あるべきコミュニケーションと、それを表出させるべきメディア選択や広報あたりの按配が、まだまだクライアントは理解できないようで細かく説明する。名刺に入れる肩書きひとつでもブランドイメージは変わってくるのだというレベルからだからとにかく時間がかかるが、体験を伴っていない人には根気良く説明していくしかない。

17時帰社。SONYのプロトタイプ作りに戻り、アイデアのイメージが残っているままに作りつづける。18時、西村弁護士事務所のCIについて森生氏来社。合併後の混乱している状況を聞き、来週早々にも一度ガツンと行くことに方針を変更。なんでだか、こういう噛ませ犬的役割はいつも僕にその役が来る。20時、MIKIMOTOの修正タスクが明解になったのでデザイン作業。先にアタマの中でイメージを固めてから一気に作業にとりかかる。22時、時間が来たので「信蔵塾」を開講。約ニ時間半、マーケティングとブランディングの構造のようなものを徹底的にわかりやすく説明する。終わって時計を見るともう24時。やべー。デザインしなきゃ、ってことでデスクに戻りワーク再開。1時半、作業終了。

Monday, September 29, 2003

Gerd Baumann

ゲアト・バウマンが来る。今週金曜日に講演がある。それもお題が「ダイアログ[対話]を語る」だ。あー行きたい。聞きに行きたい。なんとか時間を作りたい。ローティスという書体を通して、書体の読みやすさの研究を続けるゲアト。ドイツ連邦議会の議事堂における彼の仕事は、あまりに明瞭で、逆にそこに込められた思想がドイツ語がさっぱりわからない僕にも伝わってくる。タイポグラフィが形態以上のものだというライゼガングの言葉を僕はゲアトの仕事から学ぶことが出来た。ぜひとも会いに行きたい。以下、バウマンの言葉。

『視覚表現の「小説家」であることを、わたしたちは自分の役割だとかんがえています。わたしたちの目的と楽しみは、まるではなしことばや、書きことばのような視覚言語で表現して、最小限のエレメントで、最大限の構成をし、そこに余裕と可能性をあたえる視覚言語をつくりだすことです。あるいはそれを発見したり、獲得することともいえるでしょう。拠ってたつところ、すなわちアイデンティティをひきよせるのが目的であって、イメージを形づくるのが目的ではありません。巧妙で空疎なことばよりも、dialogue(対話)への案内役として、コミュニケーションの道具としての構成と、グラフィックをつくりだすことが、わたしたちの目標です。』

行ってきた。もう最高の夜だった。

shinzo's workshop 2

フォームデザイン、タイポグラフィと来て、先週はブランディングについて講義したけど、今週の「信蔵塾」はマーケティングについて。先週話したブランディング+ブランドコミュニケーションと表裏一体の関係にあるあたりを解説するつもり。マーチャンダイジングとマーケティングの関係も話しておいた方がいいかな。で、そろそろ課題というか宿題を出そうと思う。それについてはちょっと思案中。

COMMENTS : 塾が終わって席へ戻ってみると24時半になっており、やべーと慌てて残り作業をやっていて、確か3時くらいまでは覚えているのだけど、ふと気づくとなんと6時ちょい前。思わず寝てしまったらしく、フロアの電気は消えているものの僕の上の電気だけついてて笑った(謎)。妻(誰)に、もうこんな按配になってしまったので帰られないとメールを入れて、冷え切った身体をさすりながら、ありったけの上着などをかき集めてきて床で寝た(謎)。NAME : yuu : September 30, 2003 12:24 PM

Sunday, September 28, 2003

works, today 0928/03

惰眠を貪り尽くした後、ロゴ開発案件の仕上げ作業のため会社に出る。ベイシックシステムを組み上げ直している最中、シンボルの強さに対してタイプフェイスの弱い部分が負けていると判断。そのまま進まずに立ち戻り、ベイシックエレメントのブラッシュアップ。ウェイトの調整とカーニングの微調整でバランスを取る。これが邪魔くさいというか手間というか集中力が必要というか疲れるというかな作業。でも、結局これは正解だったようで、後で拡張ベイシックとアプリケーションのシステムに落としても、すんなりと納まってくれた。常にそうなのだが、贅肉を削ぐような、詰めに詰めていくという作業の後に少し時間を置いて別の視線になってから見直す、という繰り返しは大切だと再確認。作業は24時頃終了。手伝ってくれたトムと食事に行くことに。よく考えたら今日は日曜の夜じゃんってことで開いてる店少なし。ってことで西麻布の「権八」という超安易な選択に落ち着く。でも「権八」が嫌いなわけじゃない。美味しいし安いし「えらっしゃいまぜぅぇ~」という掛け声も好き(ちょっとくどいけどね)。帰宅3時。

one year before

ちょうど一年前にこれを描いた。昨年のこの時期は、複数の案件の9月末納品に向かって会社は相当混乱した状況だった。その渦中のど真ん中にいる僕も、もう忙しいを超えて精神的にも肉体的にも本当にギリギリな状態だった。その頃の自分の業務記録を見ると20時間以上働いている状態がずっと続いている。昼も夜も休日もない。しかし、その状態は僕だけではなく会社全体がそうだった。そして、そういう過酷な状況に置かれて誰もかもが余裕を失っていた。僕にも余裕は一切ない。だが、そんな中でも何とか良いものをと粘りに粘るだけだった。そして、ここに描いたようなことを心の中で叫びながら黙々とデザインしていたのだった。しかし、こういう修羅場を皆の力を合わせて乗り越えて来たからこそ、非常にタフな今のbAがある。苦しさを越え、立ち止まらずに前進し続けることの意味を知る、素晴らしい仲間たちにあらためて感謝。

web creators conference

来週の木曜日、MdN主催の「web creators conference」の講師をやることになった。特別企画となっているように、実はこのカンファレンスは別のイヴェントのワンセッションでもあり、僕への打診は随分前に別の方からもらっていた。だが、どうもコミュニケーションがうまく行かずそちらの話とこっちの話が同じものだということが中々わからなかった。中継ぎというか担当ですと名乗ってコンタクトしてくる外部の人が沢山いると話が混乱する。それはさておき、一応設定したお題はコミュニケーションコンテキストの中にあるウェブ。時代の変化と共にコンテンツ企画、情報設計、デザイン表現に影響を与えるあたりを掘り下げてみたい。

Saturday, September 27, 2003

KIORA / gourmet

今日の晩飯は麻布十番の「KIORA」。いやー美味い。まじ美味い。ここは予約がなかなか取れないレストランのひとつだが、それも充分頷ける。サービスも文句なし。とにかくびっくりするほど美味かった。鵜野さん、やるなぁ。ワインのチョイスも含めて久しぶりに文句なしな食事だった(ウェイティングですきっ腹に飲んだボンベイが効いちゃってちょっと酔っ払った)。

stroll through the streets

携帯のカメラ機能で自宅近所を散歩しながら何枚か撮った。街はグラフィックに溢れている。最近、ファインダーという絵を切り取れるフレームを持っている一眼レフとは全然違うノリに自分のアタマを切り替えないと、絵らしい絵さえも撮れないっていうあたり、なんか、やっと携帯で撮るスナップの具合がわかってきた感触。試行錯誤で撮り続けてると、徐々に目で見えているものと、絵として切り取りたい部分のブレが収斂してきた。バカチョン、されどバカチョン。エリクソンのA1301Sはホワイトバランスとズームは話にならないぐらいいい加減。だけど1/3段づつ程度の露光のアンダーオーバーが使え、締めたい部分にこれが結構効く。

works, today 0926/03

昨夜(今朝)、会社を出ると、ここは箱根かと言うようなとても濃い霧。都心では珍しいのではないだろうか。3時頃に帰宅して横になった途端に寝てしまった。

11時ごろ起床。久しぶりに午前中の予定がなく、いつもよりは寝た感じだが寝不足感は拭えていない。13時、堀田と待ち合わせてSONYで打ち合わせ。まだパズルが解けきらないが時間がタイトなのでとにかく前進させる。撮影を内山氏にねじ込まれてアップアップ。一度会社に戻り、タッチアンゴーで16時すぎHONDAへ。遅れ気味だったこちらは少し挽回。17時帰社。その後、毎週bAメンバー全員が揃う定例会。それからは別の三つの案件について打ち合わせに次ぐ打ち合せが続くが、どれも気が抜けないものばかりで集中。今日はほとんどデザイン作業として手を動かす時間が作れなかった。月曜にプレゼンする虎屋のロゴ開発案件の仕上げは週末に作業することに。24時すぎ、MIKIMOTOの作業完了。やれやれと一息。

なんだかんだで、会社を出たのが4時前。帰り道、西麻布のメシ屋で腹にものを入れて帰宅5時すぎ。なんか今週、ずっと明け方帰りだったよーな感じ。もう寝るべ。日曜は働くとして、とりあえず明日(今日)は寝るぞー

ちなみに「西麻布のメシ屋」っていうのは「EN-ICHI」という店。基本的には焼酎がメインのバーなんだけど、なんせ朝の6時までやってるし、食事も和食で、メニューも豊富で、どれもそこそこ美味しいということで、まぁ、時間の使い方が狂った生活してる僕のような人(結構混んでるんでそういう人も少なくないのかな)にはありがたい店。

Friday, September 26, 2003

shooting direction

撮影はリズムが重要だ。そのリズムは、OK!、次もカッコよく、もっと、という意識と、実際の時間配分の両面から生まれる。感覚のレベルが揃ったチームで撮影すると集中とプレッシャーが快感に思うほどだ。だが、押さえどころを明快にして臨まないと、ああでもないこうでもないの泥沼に嵌まってしまう。そこに無責任にさえ思えるような曖昧な好き嫌いを言うクライアントが立ち会うような状態だと、さらにその沼は深くなる。つまり絵作りの指針が撮影の場でぶれ始めるわけだ。撮影現場ではその時こそアートディレクターの真価が問われる。

どうしたいか。それにはどうするべきか。何が不足で何が不要かを、その都度スタッフ全員に明確にできなければ撮影現場に立ち会っている意味はない。現場は船頭のいない船のように揺れるだけで前に進まない。

撮影現場を仕切るのはカメラマンだと僕は考えている。それは、映画監督と撮影監督の役割りの違いのように絵は任すというスタンスで、僕が自分で撮れる以上の絵をカメラとレンズという筆を使って描いて見せろということだ。しかし、撮影は遊びではない。仕事なのだ。そこで良いものを作り評価を得るには明快なイメージを与える必要がある。それには多くの経験も必要だ。僕は現場では悩まないタイプ。撮影日までにアタマの準備は終え、打ち合わせで多くの方向をカメラマンと話し合う。それによって出来上がるイメージを絞り込み、現場に入る。後は暗黙知の表出作業。だが、任せっきりにはしない。必ずカメラの横に立ち、組み立てられていくライティングを観察し、アイデアも出す。それが出来るようになるために僕は数年間カメラマンのスタジオに居た。そうしてこそ欲しいイメージが作れるようになった。

works, today 0925/03

3時間ほどデザイン作業をして5時すぎ帰宅。即ばたんきゅ。起床9時。ねむぃ。10時、六本木の近藤スタジオ到着。さっそくNikonの撮影開始。今日のカメラマンは気心の知れた巨匠。絵作りを決めていく中での互いの息も知ってるので巨匠との仕事はいつもどこか安心。ポラ引いて撮ってポラ引いて撮ってで順調にカットをこなし昼食。お弁当を食べた途端にがくっと眠くなる。睡眠不足はこういう時に出るんだよなぁ。まるで時差ぼけな感じで午後の撮影開始。しかし午後の一発目のカットで目が醒めた。思っていた通りの強い絵。さすが巨匠、ビシッとドラマチックなライティングを決めてくれる。

後の予定が詰まっているので巨匠に後を頼み、スタジオを出て19時に帰社。別のプロジェクトの状況を確認するとデザインが進んでいない。なぜこんな簡単なことが出来ないんだよ、と、怒鳴りたくなるのを抑え、幾つかのアイデアを出し、簡単なデザインスケッチを起して送る。彼らは決めどころを欠きながらレイアウトをこねくり回して時間を浪費している。本当はここで横に座ってデザインのプロセスを教えるべきなのだが、僕も時間に終われている状況。しかし、その勘違いを指摘し、思考と作業の順番が違うことを言い続けながら育つのを待つしかない。デザインは感覚での作業の前に充分な考察が必要不可欠。思いつきと考えとは違うのだ。

その後、自分のタスクのFLASH作業。途中、明日のSONYとHONDAの打ち合わせのための会議を2本挟み、デザインワークを続け、1時半になんとか終了。ものすごく眠いはずなのに不思議と意識が冴えている。でもおなかがすいて目が回ってるので今日はここまで。今日も忙しい一日だった。

Thursday, September 25, 2003

numbers / typography

なーんか右脳と左脳の切り替えがうまく行かない感じが続いてたので、気分転換に30分間ぐらい、ちょろりと意味なくタイポグラフィのスタディ。うーむ。自分でも不思議だけど、なんとなくデザインできる感じになってきたので仕事に戻るっす。明日は朝からスタジオに缶詰めだし、さっさと片付けて帰るべ。

こうして見直してみるとOCRBのナンバーズは、特にこの「7」の数字が持っているような美しい曲線と、安定感のあるボディ設計が絶妙に美しい。それは何よりも、大きくしたくなった「0」の美しさに象徴されている。そうなんだよなぁ。「0」とか「O」とか、文字設計しようとするときにカーヴエレメントを美しくするのって簡単そうで一番難しい。

Wednesday, September 24, 2003

works, today 0924/03

8時起床。今日の午後のプレゼンに使うFLASHの微調整。10時、六本木の写真スタジオで明日のNikonの撮影に関する打ち合せを、巨匠・近藤さんと行う。11時すぎ東京駅に向かい、鎌倉へ。鎌倉につくと雨。なぜか僕の鎌倉はいつも雨。内山氏と駅前で落ち合い、13時すぎから宗徧氏にプレゼン。氏は「久しぶりにクリエイティブなものを見た」と大満足。自分でもコンセプトと表現がうまく融合できたと思っていたので、それが伝わってほっとする。16時半、大急ぎで東京に戻ってきて駆け足でSONYへ。担当のK氏と直接色々話して情報共有と意思統一。先週から考えていたアイデアを幾つか提示しておく。

18時、やっと会社に戻り、幾つかのプチミーティング。その後、今日までに戻す約束だったが、ずっと後回しにしていたThink!のインタビュー原稿の校正。しかし、落ち着いてよく読むと、話したことの意味が全然伝わっていない部分が沢山あって頭を抱える。でも、もう一度ここがこうだからと話して書き直してもらうことに費やす時間もないので文字数を変えずに意味が伝わるようにリライトして片付ける。しかし、こういう文字と格闘する作業はデザイン以上にものすごく集中しなければできない。やはり才能の問題だろうか。時計を見るとすでに24時前。急ぎMIKIMOTOの件のブリーフィングを受けてデザイン作業開始。今日もまだまだ帰れそうにねーなぁ。

japanese tea

最近、家でお湯を沸かして飲むものが珈琲からお茶に変わりつつある。今も、外での食事のあと、家に戻って飲みたいなと思うのがお茶。普段は忙しさのせいもあってコンビニで買った「まろ茶120」とか飲むんだけど、休日は急須を使って一保堂の煎茶と玉露を飲む。でも、これが難しい。急須にお湯を注ぐ注ぎ方ひとつ(やさしくそぉっと注ぐ)、その温度ひとつ(沸騰から少し冷めるのを待ち、さらに湯飲みに一度入れて湯飲みを暖めてから注ぐ。)、さらに急須で待つこと約一分で湯飲みに注ぐ(急須を揺らすと苦味と渋味が出てしまう)あたりで、おいしかったり、なんか違ったり。要はまろやかさ。そこに苦味・渋味をいかにバランス良く淹れるか、のところが微妙にむずかしい(その意味では「まろ茶120」とかは全然物足りない)。香港で買ってきた烏龍茶も同様に温度と手際で全然違ってしまう。

お茶で思い出したが、少し前、「虎屋」の仕事を見て、京都の一保堂茶舗からサイト制作の依頼があった。でも、求められているものを作るには、あまりに予算感が違いすぎて(その予算では実現不可能)お断りになってしまったことは今でもとても残念に思う。個人的には今からでもやりたいと思う。それっぽいモノを作るのは誰でも出来るだろう。正直、今の一保堂のサイトはそういう感じだ。でも、僕は虎屋の案件のように、本当に良いものを良いものとして伝えられるだけのものを作りたい。そうでなければ僕にとっても僕に仕事を頼む人にとっても意味がない。でも、それには手間をかけなければ実現できない部分が大きい。いや、関わるからには実現してあげなければならない。そんな葛藤はどの案件でも常に僕の中にはある。

しかし、一保堂のサイトでdesign byみたいなことを出してしまう制作会社は勘違いしてる、と思うのは僕だけだろうか。design byみたいなことを出す時点でブランドというものを勘違いしてると思うし、こういう、作り手が黒子になりきれない曖昧なスタンスには僕は怒りさえ覚える。正直むかつく。それは一保堂の顧客としても関係ないじゃんという違和感がある。やっていいことと、やってはいけないことの境目をクライアントにとってどうなのかで考え、自分を律していくべきだと僕は思うし、そういうPR的なことは別の次元でやるべきことのはず。

Tuesday, September 23, 2003

works, today 0923/03

休日だったが明日明後日の両日、打ち合わせや撮影で、昼間は会社で作業が出来ないので夕方に出勤。少しデザイン作業をする。何人か出勤していたが、集中していたせいか気がつくと会社にはすでに誰もいなかった。久しぶりに会社の電気を消し、戸締りをする。休日が作業スケジュールのバッファとして使われるのではなく、休日として休めるようになったんだなと思うと数年かかってワークフローを練り上げてきた甲斐を感じる。帰宅23時。

Kinds of pearls

MIKIMOTOのために撮影した写真の中の一枚。真珠にも沢山の種類があるわけだけど、その中でも最上の珠の数々を一枚カット撮りで撮影した。特に貴重な真珠が左端にある紅い色のコンクパール。火炎のような模様が特徴で、大きさよりもその模様次第で価値が決まる。ちなみにここに写っている珠たちだけで合計1,000 万を軽く越える。同時に撮影したダイアモンドは、カメラの前に並べたルース(裸の輝石)それぞれ一個でポルシェ買えるじゃんよ!みたいな価格のものばかり。撮影台の上に並べたモノだけで充分家買えるねぇ、とか言いながらも全然笑えない。なにげにスタジオに持ち込まれる鞄の中には数億円のジュエリーが入ってるわけで。だけど冷静に戻ってそれらを構成し絵を作ると、もの凄い迫力のある絵が撮れる。クラスが違うというか、輝き方が全然違うんだよなぁ。いいものはいいわけです。

La Gazetta 1987 / boutique

家のすぐ近所の「La Gazzetta 1987」が先々週改装したときに欲しぃなぁと思っていた「Felisi」の皮鞄を購入。日常に使うには大きいが一泊出張とかプレゼンに行く時ぐらいの荷物の量にはピッタリな感じ。本当はワインレッドが欲しかったのだが黒に近いダークグリーンにした(使い心地が良ければレッドも買うかも)。

で、この改装で大きく変わったのは店のド真ん中にどーんと置かれたイタリアンレッドのスポーツカーの出現。改装前にも、もう少し古い小ぶりなスポーツカーが置かれていたのだが、その時はインテリアの一部のように思えていた。でも、今日それを見て、そうか、ブランド表現って、こうあるべきだよね、と密かに学習。つまり、単にインテリアとして見栄えのするモノを選択したのではなく、暗黙知として存在しているブランド知識を、上手に伝えるひとつの手法として、このアンティークなスポーツカーは存在している。そこに、この店が愛するスタイルがあり提案がある。この連想を繋げなければ単に大きなインテリア小物で終わってしまう。そのあたりのバランスはとても重要。さらに、そもそも、この連想の組み立てが背景にないブランド表現は意味がないってことも再確認。

works, today 0922/03

午前中、宣伝会議・環境マーケティングでの連載原稿執筆。今回のテーマ周辺についてメモを書き溜める。この連載は1,400字。そこでの起承転結を組み立てるための僕なりの手法は、とにかく思うことを書き溜め、仕上げるぞの段階で贅肉を削ぎつつ書き足すやりかた。しかし、日経デザイン誌での連載とは違って読者層は幅広く、テーマ設定自体が毎回難しい。

午後、TORAYA CAFÉサイトの更新デザイン作業。なぜか予想もしなかった文字化けがFLASH上で起こり、少し焦るが夕刻無事納品。その後、明後日午後の某プロジェクトでのプレゼンのための準備。パネル化のためにリスマチックにデータを送る。その後、明々後日に予定しているNikonのための撮影の打ち合わせ。写真の方向性とカット数の内訳を調整しながら、手描きでラフらしきものを描いてアタマを整理する。明後日の朝、スタジオで最終調整の予定。

19時。Web Creators誌のムック本のために、とのことでインタビューを受ける。最近、同様の趣旨の本が大流行のようだ。インタビュア曰く「この本のために沢山の制作会社からお話を聞いてきましたが、情報設計が重要ですという会社は多いのですが、信蔵さんの言うように、その上のコミュニケーションを目的とした上で、ウェブがあり、情報設計がありデザインがある、という会社はありませんでした。」とのこと。まだまだウェブサイトを作ることを目的にしている会社は多いようだ。

21時、内山氏来社。SONY新製品の件について打ち合わせる。おおまかにスケジュールを決め、来週からスタートさせるべく準備の分担を確認。この案件は、とにかくパワフルに面白くして行きたい。

22時。こんな時間になってごめんなさいと皆に謝りつつ、信蔵塾を開講。約一時間半、喋り捲って終了。その後、リスマチックから届いた出力をパネル張りしていたら、虎屋のロゴ開発の指針についての打ち合わせをトムに希望され、作業の手を止めてホワイトボードにラフを描きまくる。その後、堀田と虎屋の希望との擦り合わせを行いチーム内のコンセンサスを取る。時計を見るとすでに1時。そのままMIKIMOTOから届いたクライアント希望をヒアリング。修正するべきところと、もう一度説明が必要な部分を明快にする。その後、パネル張り作業に戻って準備完了。デスクに戻ってThink!誌から上がってきたインタビュー原稿に目を通す。若干修正の必要アリ。それは明日の作業とする。最後に森美術館の件について指針を出して今日は終了。帰宅5時。

Monday, September 22, 2003

Life with DVD

ソニースタイルのサイトで以前公開されていた「Life with DVD」。完全ブロードバンド仕様。このサイトは日経のセミナーでマクロメディアのHくんに教えてもらった。というか、会場で彼がデモしようとしたのだけれど、会場には元々ネット回線の設備がなくて毎回インス引いてのISDNな状態で涙。しかし、会場は音響も抜群だし光が引かれていたら最高なんだけどなぁ。カッシーナさん、せめてaDSLぐらい設備投資してくれないかなぁ。