
クライアントとの間にNDAがあるので詳しくは書けませんが(いずれはカタチになるのでカタチになった頃にまた書きます)、普通は誰も行かない場所に意図的に入って行って、そこで交渉して撮影するというスタイルを試みました。色々行きましたが、某所のジャングルにも足を踏み入れました。そこはもう本当にジャングルでした(まんまですけど、そうとしか言いようがありません)。一歩足を踏み外すと下を流れる川に転落するような厳しい場所を登って行きました。実際、そこに足を踏み入れないと見えてこないものが沢山あって、正直びびりまくりました。直径80cmぐらいの巨木としか言いようない太さのバナナの木って想像できるでしょうか。その幹は、もう完全に現代美術の作品を越えた美しさを持ってました。また昆虫なんかも、もう凄い毒々しいキッチュな色をしていて見とれてしまいます。もちろん怖くて触れませんけどね。とにかく目に入る色がものすごく綺麗なんです。
薄暗いジャングルを歩いていて何気なく見上げると40cmぐらいの巨大な蜘蛛があちこちにいたり(写真の蜘蛛は村の近くまで降りてきたところで撮ったもので、これはまだ小さい方です。だけど25cmぐらいあります)、スイカみたいな巨大な果実が樹木の幹からにょきっと垂れ下がっていたり(これは毒があるので動物も食べないそうです)、森のざわめきも、虫の立てる音や、猿の鳴き声、さらに甲高い鳥の鳴き声などが交じり合って、もうファンタジーックな世界。

今回の旅を通じて思ったのは、やっぱり「そこに行く」ということの大切さです。「そこに行く」ことで感じられるコトの多さ。ネットに大量の情報が載るようになり、さもそこに行ったことがあるような気になりがちですが、そんなものがいかに薄っぺらいかをも実感した旅でした。逆に、真に「そこに行った」という感覚を紡ぐには、表現として何が足りていないかが良くわかった旅でもありました。記憶を呼び覚ます言葉の選び方。感覚を喚起するために今まで以上に必要な映像と写真の記録。そしてそれらの紡ぎ方。サラウンドな音の効果などなど、すでに技術として出来ることが沢山あるのに、まだ誰もやっていないことが沢山あるな…と。それを実現すること自体が大変なわけですが、数多くのクリエイティブな啓示も得ました。そして自分の得た体験を、詳細に分析して経験に変え、それを表現に落としていく。それは僕のこれまでのスタイルですが、これは自分にとっては正しい善循環なんだなという認識を新たにしました。
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