Friday, February 15, 2013

SIGMA DP Merrill: フォーカスを無限大に固定する

【重要】DP3 Merrillの本番機を入手して、この方法を試しましたが、DP3 Merrillではこの方法では無限大にならないことがわかりました。テスト検証が遅くなってすみません。修正しました。ご迷惑をおかけしたことを、お詫び申し上げます。

カメラのフォーカス(合焦)を「確実に∞(無限大)にしたい!」という時なのに、「合わない!」っていうことって、これがあるんですよね。そこで、今日は、DP2 Merrillのフォーカスを、「確実に無限大に合わせ、固定する方法」について書いておきたいと思います。いつも前置きが長いので、今日は戯言は後回しにします。戯言は気が向いたら読んでください。さて一発で確実に無限大にするにはどうするか以下に記します。ものすごく簡単です。
  1. カメラのフォーカスのモードを、オートフォーカスにする。
  2. カメラの電源を切る。
  3. カメラの電源を入れてカメラを再起動する。
  4. この時点でフォーカスは無限大になっている。
  5. 無限大に固定するためフォーカスのモードをマニュアルにする。

どんだけ簡単やねん!という感じですね(笑)。カメラがパワーオンになった時点でオートフォーカスは無限大になっている。これを覚えて、ぜひ活用してください。注意点はひとつだけ。この方法で無限大にしたあと、レンズのピントリングを回さないこと。あたりまえのことですが、マニュアルフォーカス状態ですので、カメラをホールドし直した時などに、レンズのところのピントリングを微妙に動かしてしまわないようにすること。これだけです。

試しに、ちょっとテストで撮ってみました。カメラはDP2 Merrillです。北側の窓を開け(寒ぃ)、最近出来たデカいマンションにカメラをむけてみました。以下の3枚は

・オートフォーカスで合わせたもの
・上記の方法で無限大にして撮ったもの
・マニュアルで撮ったもの

です。それを原寸にして、切り取ったものです。オートフォーカスと、無限大に設定して撮った二枚では、ほとんど差はありません。ほんの少しだけ無限大にして撮ったものの方が、自然な感じに思います。

それにしても良く写りますなぁ。まぁ見比べてみてください。


最後の三枚目は、マニュアルモードにして、液晶での拡大率を最大にし、明るく輝いている屋根の上の赤い光にフォーカスを合わせようと、ピントリングを回してみました。液晶上では白い点ですので、それが一番小さくなったところでシャッターを切っています。でも合ってなーい!これが怖いわけです。液晶上では合っている感じなのです。写真でも赤い棒みたいなのはフォーカス来てる感じなのです。でも、写真全体としてはボケている!こういった失敗を無くすためにも、ぜひこの技を知って頂けたらと思います。

ちなみに日中のマニュアルフォーカスでは、もっとピント山は掴みやすいですし、こんな失敗はあまりありません。また、出来ればその都度、撮れた写真を液晶で最大の大きさまで拡大して確認しましょう。

さて、以下は戯言です。僕はこの技を知らず、サハラ砂漠での満天の星空にカメラを向けたとき、オートフォーカスでは合焦させることが困難で、二時間ぐらい、ピントリングをカチカチと動かしてましたが、もう「どーにも合わない!寝る!」となって(笑)、結局DP2 Merrillで撮ることが出来ませんでした。

他にも、三脚でガチガチに固定したけど、被写体が液晶の中で揺らいでいて、マニュアルフォーカスで合ってるような気もするけど自信がない!ということも起こります。

また、クルマや列車の窓から写真を撮ろうとしてもオートフォーカスが合わない時があります。これは自分自身が高速に動いているので変化が激しく、カメラがどこを基準に合焦させればいいか判断できなくなっているわけです。でも、この方法で無限大にしておくと、車窓からの景色なども、確実にポンボケさせずに撮ることができます。

さらに、DP Merrill三兄弟のオートフォーカスは、コントラスト検出方式なので、薄暗いところではピントが来ません。いや、まじで来ません。ずーっと「ジーコジーコ」言って、まったくピントはずれのところで止まって赤い[ ]マークが表示されたりします。こういう時に、被写体が無限大でも行けそうな感じなら、この無限大設定のやり方は有効かもしれません。

ちなみに、この、DP Merrillシリーズのオートフォーカスについて、ちょっと書いておきます。

オートフォーカスには、位相差AFと、コントラスト検出方式があります。位相差AFは、非常に高速に合焦点を検出出来ますが、フォーカス用に別のセンサーを使用するのでコンパクト化には向いていません。

一方、DP Merrillシリーズのコントラスト検出は、写真を記録するメインのセンサーに届いた光をもとに、レンズを動かしながらコントラストの強い部分を探して合焦させる方式です。この方式は、ボケた(コントラストが低い)状態から、レンズを動かしながら、最も輝度差のある部分を探るので、合焦に時間がかかるのが欠点です。初代のDP1/DP2は「コココッ」という音を立てながら合焦するのですが、フォーカスが合うまで時間がかかり、とても酷評されました(涙)。でも、DPもMerrillシリーズになって、輝度情報の検知と処理速度がかなり改善されて快適になりました。さらなる改善に期待したいですね。


3 comments:

  1. shinzoさん、なるほど全然違いますね~! 頭から読んでいくと、なぜ最初からマニュアルフォーカスにしないんだろうと不思議に思いましたが、こんなにも差が歴然とするとは! 必修の使い込無し術を明快に伝えていただき、ありがとうございます。液晶画面のみの画像確認の怖さも知ることができました。

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  2. 信蔵さん、dpreviewのSIGMA Camera Talk forumで、早速このポストが、「今日shinzoがこんなこといってるYO!」(意訳) と紹介されていました!

    http://forums.dpreview.com/forums/post/50859453

    信蔵さんのポストはflickrも含めて、日本語圏だけでなく世界のSIGMAファンから注目されとります。彼らは自動翻訳を使っているのでしょう。

    信蔵さんは英語には不自由されていないようなので、本当は日本語・英語両方のポストがあれば一番なのですが、さすがにそこまでやっておられん、ということもあるかと思います。

    そこで、Googleの自動翻訳でいったいどんな風に訳されちゃうのかな、というのをある程度考慮して日本語のポストを構成する、ということが、もしあったら、英語圏の人たちにももっと優しいかな、と思いました。

    例えばデジカメInfoの管理人さんは、やはりご自分の記事が自動翻訳でどう英語になるのかをある程度考慮の上で記事を打たれているようです。

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    1. ありがとうございます。スコットさんがちゃんと訳してくれてますね。スコットさんとは旧知の仲なので、親切にしてもらえています。英語の併記はむずかしいですね。そこまで出来ないです…。

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