「猿人」が公開された直後に、これを制作した勅使河原くんと少しだけ話した。彼はこう言っている。
「既に知られている歴史をもとに、どこまで魅力的に出来るのか、悶々と苦しみ続けて出来たものです。しかし実は、組み込むべき中心となるインタラクションが、一部のブラウザのバグによって最終的に取り払わざるをえなくなり、今は映像に近いですね。flashのくせにブラウザのバグ?という感じですが、それだけ無茶なことをやろうとしていました。そのうち、代わりに何かしらのインタラクションを入れようと思っています。今試作中です。本当はそれから、皆さんにみて欲しかったのですが、広まってしまいました(苦笑)。とはいえ、以前も、これから組み込もうとしてるものも、インタラクティブにして話を進ませるようなものではないです。何の為にインタラクションを入れるのか。僕の場合はただただ、例えば商品の場合は商品を効果的にみせる為。猿人の今回の場合ならば、没入感を出す為、ユーザーとの距離を縮める為、でしかないんですよね。信蔵さんの記憶から猿人が薄れてきた時にでも、またご覧になってみてください」。
僕は、この突破したいという強い希求心と、インタラクションに対する自問自答こそが、勅使河原くんのオリジナリティを支えているのだと思う。こうした自問自問を行わず、Flashサイトには「かっこいい」インタラクションがあるのが当然で、「すげーのできます」とか言いながら、いかにピュンピュン動かせるか、みたいなことばかりを深堀りし、さらに、そういったことがインタラクティブデザインのあるべき道、みたいに思い込んでるバカが最近多すぎやしませんか…。いまだにそういうオナニーっぽいものを作って、「どうよ」とか、「いいじゃん」とか。なんか僕はウンザリするんだよね。そういうところでのヒーローみたいなのは勇吾やジョシュアの時代にとっくに終わってるし、「すげーのできます」と彼らが言えば言うほど、そういうのを作れば作るほど、Flashを使う意味のところでの誤解が広がり、ひいてはそう言っている自分自身のプレゼンスが下がっている、というところに気づいていないバカが多すぎる。勅使河原くんの持つ意識の一部分でも汲み取って、「もっと重要なことがあるのかもしれない。そこを自分は流されたままなのかもしれない。自分も、もっと自問自答するべきかもしれない」って、この「猿人」を見て、ひとりでもそう考える人が増えていって欲しいと僕は願ってます。
んで、勅使河原くん、ごめんね。飲みに行くって約束もそれっきりになってて、中々時間が作れなくてすみません。今のところで入ってる仕事のスケジュールの感じだけでも、来月の20日ぐらいまではかなりピチピチなのですわぁ。落ち着いたら電話しますねー。
Thursday, January 29, 2009
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