オバマ大統領夫人のミシェルさんのおかげで、懐かしのブランド「J.Crew」がまた一躍脚光を浴びてる。実数は公表していないようだけど、CNNの電話インタビューで広報担当者が「なんだか、とんでもないことになってるのよー」って絶叫してた。
本家のアメリカのサイトは、あいかわらずの世界観で安心な感じ。80年代にJ.Crewが登場したときは、そのビジュアルコミュニケーションの斬新さに世界が驚いた。当のJ.Crewは全然広告とか打ってなかったのに、世界中のファッション誌のエディトリアルの雰囲気が変わったもんね。その頃の僕は、ちょうどデザイナーからアートディレクターに昇格する寸前あたりだったので、ものすごくセンシティブに世界のクリエイティブを受け止めてたからか、そのインパクトを良く覚えている。
ばっきばきのモデルではなく、ちょっと洒落た感覚を持ったナチュラルピープルのキャスティング。ラルフローレンが好んで作る仲良し一家風の情景をチープシック(懐かしい言葉だ)なライフスタイルで演出。そして最も影響を与えたのは素材感溢れる柔らかな商品写真の撮り方だった。当時は、こういった価格帯のカタログは、ピッチピチにアイロンがかけられ、ぺたんと置かれたようなシワのない型番写真みたいな商品写真があたりまえだった。そこにJ.Crewは、やわらかく捩じれたような置き方や、洗濯物をたたんで置いたような無造作な商品写真を打ち出してきて、その「カタログ写真として作られていない感」が新鮮だった。単品商品をカラーコーディネートで見せたり(これは今も健在のようだ)、ライティングもHMIやデイライト系の光で、商品の柔らかさや光沢感を存分に伝えてて、その手法の表現力の豊かさに驚いたのも懐かしい。
ところでこのJ.Crew、かなり早い段階でレナウンが国内ライセンスを取得してお店を作ったりしてたので、そっちを見てみたんだけど、日本のサイトはどーなんこれ(絶対にイラっとするので、クリックしない方がいいと思う)。いまどき、トップページでウィンドウサイズを小さくするかね。中身もなんもないし、せっかくJ.Crewという名前がメディアに出まくっている機会なのに、最悪の状態だな。レナウンが進めてきたアパレルビジネスって随分前にもう駄目だと言われてたのに上場して、ダーバンなんかも合併したり、英国アクアスキュータムの株を手放したりしながら取り繕ったりてきたけれどずっと赤字だし、株価もずっとサゲまくり。レナウンの企業サイトも、まぁなんと言うか、香ばしいというか、これだからね。
Wednesday, January 28, 2009
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment