Friday, October 31, 2003

works, today 1031/03

6時起床。太陽が昇り空の濁りが抜け白から薄い青に刻々と変化。部屋の中に長い影が伸びた途端に眩い陽光。この瞬間が好きだ。熟睡した感触で早起きしたが珈琲を飲んだ途端に吐く。自分の認知以上に強いストレスが原因だろうか。7時、昨夜思い出して引っ張り出した林先生の論文からの流れで、クリエイティブコモンズの活動に興味を持ちサイトを見る。パブリックドメインに寄贈というような活動は常に応援したいが今は個人的な時間が持ちにくいので何も出来ない。

10時、地震による軽い揺れを感じる。11時、マクロメディアから来週のカンファレンスに関して唐突なメール。困りますと正直に返事。12時、また気分が悪くなったので横になる。13時、Niftyの審査。完全にアタマを切り替えないと駄目。作った人の気持ちになって見ろ、と自分に言い聞かせながらの時間。だが正直疲れる。17時、定例。18時すぎまであれこれ指示ワーク。

19時、菅原一剛のレセプションへ。あれだけの数の湿版写真の現物を見るのは初めて。その表情の豊かさに驚く。一剛が言うには人間の目には「可視」ではない紫外線の部分が写っているので表情が違うとのこと。乳剤の厚みが通常に較べれば異常なほどブ厚いわけでオリジナルを前にそれを聞き妙に納得した。それにしても硝子板に焼き付けられた写真は、紙に定着されたそれとは次元の異なる存在を感じさせる。それは硝子の上にある「膜」を知覚させるのだ。さらにその「膜」に描かれた世界。今までにない経験だった。頭の中に新しいアイデアが沢山煌く。一剛は来週からロケなので日本に戻ってから飲みに行く約束。

20時半、帰社。21時、コンテンツ企画の最終会議。僕の中に迷いはないので多様に出ていた案を3つに収斂させそれぞれに明快なコンセプトを与え来週のプレゼンに必要な準備の指示。23時半、某社の新しいキャンペーンのクリエイティブワークに取りかかる。休息したいが完全連休は到底無理という雲行き。

MX 2004 conference

マクロメディアの新しいソリューション「MX 2004」の製品発表カンファレンスが11月5日に行われる。そこでのパネリストにとマクロメディアから呼ばれ、先週に承諾した。だが今日「司会進行役をお願いします」と頼まれ、それはちょっと荷が重いので普通のパネラー(謎)にしてもらった。この日は午後一番から某社へのプレゼンがあり、それが終わってからパネルトークの会場に駆けつけることになる。

look forward

会社に戻ってブログを開けたら、plagiarized siteのエントリーにものすごい数のコメントが入っててびっくり。で、もう、この件については終わりにしたい。なんていうか、僕の個人的な今の感じを正直に書くと、忘れたいというか、思い出したくもないというか、そもそも、こういうことを自戒できない人なんて知らないというか、そんな人なんてどうでもいいというか、勝手にしろというか、そんな感じなのです。なのでもう終わりにしましょう(コメントくださった方々には感謝します)。

僕はこれまで、会社側から教えすぎだと言われるほど、機会あるごとに色々と積み重ねてきたことを、どんどん表に公開してきました。またbAのメンバーにもそれを奨励し、機会も作ってきました。それは、そうすることでデザイン全体の品質が向上し、デザインの力というものへの意識が高まることになると信じてきたからです。

そういう意味で、健全な上昇志向をもっている人には、僕が知っていることや、経験してきたことを、教えたり話すことを、これからも続けていくと思います。そして、それによって知らないことを逆に教えられる、という自分の学習を続けたいと思います。でも、僕は自分が学ぶので精一杯です。僕には、健全ではない上昇志向を基に、デザインを利用しつつデザインの力を馬鹿にするような意識の人に「そうではないんだ」という事を説いていくほどの余裕はありません。それよりも、「もっと良いものを。もっと先へ。もっと役にたつものを。」と思っている人たちと、デザインというものを考えて行く時間を大切にしたいと思います。よろしくお願いします。

d mark

先日の経験を経て、クリエイティブってのは社会的に見て何なんだという思いを持ち、GLOCOMの林紘一郎教授の提唱論文「D-Mark(ディジタル創作権)」を読み直した。この提唱論文は日経ブロードバンドビジネスラボ(僕は研究員の一人だった)の勉強会で日経のT田さんに教えられ一度読んでいたが、今回読み直して思いを新たにした。論文の最後にある「情報化社会とは、経済的には情報財の取引きが主体の時代に違いあるまい。とすれば、われわれは工業社会の中心概念であった所有権に代り得る、新たな権利設定を迫られていると言える」という問いかけが今更ながら(これが提唱されたのは1999年なのだ)腑に落ちる。また同時にクリエイティブ・コモンズの活動にも意識が行く。時間をみつけて読み込もうと思う。

Thursday, October 30, 2003

works, today 1030/03

やべー。プロトタイプのデザインがかなり進んだ段階で、もろクライアントの競合の色味になってることに気づいて、やべー。でも、もう全部作り直す時間ないし仕方ないので明日は詫びながらこれでプレゼンするべ。途中、例のサイトのテイストが急に変えられたとの知らせが届く。見てびっくり。仕事早いですね。4時半帰宅。なぜか帰宅直後に急に気分が悪くなり吐く。最近は、昼間は外と内での打ち合わせと指示で時間が潰れ、デザイン作業は夕刻から深夜と、なんか一日2回転してる感じが続いているので身体は確かに疲れている。ストレスも非常に多い。でも精神的には疲れていない。これを「気」が強いと言うのだろうか。5時半、就寝。

9時半、起床。快晴。陽射しが強く初夏のようだ。11時、K社にて打ち合わせ。今期のスコープと来期に向けての認識を擦り合せる。13時半、帰社。 BizTeckのT邊編集長と少し話す。14時、今日のプレゼン準備の最終確認。15時、プレゼン開始。2時間の予定だったがウケまくり、別の会議室に移動して継続。そこで来た。神がまた舞い降りた。なんでだかわからないけど話している途中に来る。ということで頭がぎゅいんと回転し落とし所を明快にして無事終了。仕様を整理して来週までにまとめる予定。

19時、帰社。舞い降りたアイデアを具現化するために必要な要素を洗い出す。20時、GUCCIから連絡。なんで時計のオーバーホールにその値段やねん!みたいな感じだけど仕方ない。とほほ。21時、某社新規案件(守秘義務内のため何も書けない)ワーク。22時半、強い疲れを感じたので会社を出る。寅福でご飯を軽く食べて23時すぎ帰宅。少し休息が必要な予感。

waste of money

よくコミュニティーをマーケティングに使おうなどという不遜で無謀な試みをする馬鹿が大企業方面で散見されるのも、リアルな小売ビジネスというミクロを全量解析で一山幾らで魚群探知しようというマクロの傲慢を実現しようという壮大なスケールの無駄遣いの理屈が分かっていないからだ。それだったら同じ商品で複数の店長を雇った方がよほどコスト的に見合うということはいつまで経っても分からないらしい。そんなことだからホークスファンでありタイガースファンであり実松であり渡辺俊介であり初芝である私のところに、「野球ファン」という属性一発で巨人戦のチケットの販売メールが送られてくるのである。いいからお前ら早々に死ねと。

切込隊長のお言葉。御意。そのとおりでごわす。実はお客を知らないままなのに知ったつもりになれて、コレで売れると錯覚させるマーケティングっぽいモノとコト、多いんです。いやまじで。経営と業務の乖離、特にITに関しては…。

Wednesday, October 29, 2003

works, today 1029/03

9時起床。快晴で気持ちいいのだが疲れが抜けていない。10時、昨夜帰り際に急に言われた某社某事業部コンテンツのフルリニューアル企画の組み立てをチェック。あるターゲットが持つイメージを特定方向に切り替える施策がミッション。方針は良いがイメージを表裏として置き換えるだけではなく、他の要素も同様に整理して互いが補完し合うことでイメージ定着に向ける文脈を短時間で設計。これはブランディングの鉄則を流用できる部分なので苦もない。

13時、某社デザインセンターへ。新しいデバイス上での展開を相談される。全社で統合的なバリュー創造が見出せていない模様。来週後半までに骨子をまとめることに。15時半、帰社。しばらくマネジメントミーティング。16時、ロンドンのデザイナーを面接。17時、別の面接。18時、ようやくデスクでデザインワーク開始。明日までにプロトタイプを作らねばならないが、明日の午前中は、日本橋でK社の経営企画との打ち合わせのため時間が無い。少し焦る。 21時、何故か僕のデスク回りに皆が集まってきたのでデスクで説明しつつ企画を煮詰める。23時、来た。予想通り会話しているうちに神が舞い降りた。忘れないうちにデモを作るべ。

RIA consortium

マクロメディアとアイ・ティ・フロンティアと共に、リッチインターネットアプリケーションの普及と発展を目的にして「RIAコンソーシアム」を設立しました。関連技術の研究と新しいモデル開発、さらに多様な情報収集と発信などを行っていきます。詳しくはプレスリリースをご覧ください。すでにご賛同頂けた各社に感謝します。また多くの企業のご参加をお待ちしています。

shimada / gourmet

さきほど(今26時半)、ある方からメール頂いて、「しまだ」について教えろ、とのこと。はいはい(笑)。ココです。出来れば「きょぉも働いたなぁ、ちかれたー」って感じで行って頂くと、おやじさんの、ちょっと濃ゆぃにんまり笑顔に癒されます(謎)。

んでですね、「しまだ」はやっぱりうどんが美味しいです。味にうるさい関西出身で四国で波乗りしつつ讃岐うどん食べまくってた(なんせ金ないし、うどん安いし、炭水化物だから速攻でエネルギー出るし)僕としては、おやじさんが足で踏み踏みしてるからか、コシがあってかなり好き。ちなみに今夜は秘密の店で食べて帰宅。気が向いたらそのうち書きます。まじウマー。

Tuesday, October 28, 2003

works, today 1028/03

25時半、会社を出る。表参道の「しまだ」でカレースープうどん(これまじ絶品)でウマー。親父さんは相変わらず元気。いつも「ほいほーい。まいどぉまいどぉ。お疲れさんっ」と言ってくれるその一言に癒される。親父さんは脱サラだからか働いてる人間を知ってる感じで温かい言葉が心に染みる。2時半、帰宅。

8時半起床。雨。寒い。9時半、弟子から寝過ごしましたとのメール。もう独立してんだし知らんちゅーねん(笑)と思いつつ少し話す。特に彼とは苦楽を共にした思い出が多い。彼が最初に南青山の事務所に来た頃は随分愛情に飢えた目をしていたが今は幸せそうで心が和む。10時半、品川へ。要件はここに書けない。12時、要件終了後、パトンビーチの露天のような壮絶な焼き方であたりを煙だらけにしている某焼き鳥屋(店内は煙ナシ)で鶏丼ランチ(美味)。 13時前帰社。守秘義務のためここに一切書けない件について4時間費やす。17時、コピーライターのK藤さん来社。先日コンペで勝った某社案件を説明。理解と組み立てが素早く、優秀さと経験の豊富さが際立つ。18時、転がり出るようにして某社へ向かう。英語版の件、スコープ確定。だが年内に納品を希望され、ううう、わかりました、と応えてしまう(汗)。

20時、帰社。21時、社内ミーティング。22時、明日ようやくリリースの団体発足の件、明日以降の準備についてあれこれ。23時、ようやく実務に戻り、懸案のプロトタイプデザイン作業。実際に作り始めると、どんどんイメージが追いつき始める。美しく見せる方法と全体の印象に関してはイメージ通りで問題なし。残すはコンテキスト。うーむ。

Monday, October 27, 2003

works, today 1027/03

9時半起床。快晴。昨夜、あるインタビュー記事を読んでいて心に大きな鱗がぼっこり出現。でも鱗はまだ落ちきっていない。まだ種子が芽生えただけ。なので少しそこを埋めるべく午前中一杯メモを書きなぐりつつ思索に耽る。要はプロセスの逆転。完成から行くという脈絡が見えかけている。

12時、アタマを完全に切り替えて某社の中期計画立案のための補佐企画。時代が進もうとしているベクトルはハッキリしてはいるが、それがいつ訪れるか正確なことは誰にもわからない。その中で費用対効果の最大化を計画するのは簡単ではないがコアコンピタンスの成長要因が見出せれば時代変化の脈絡における阻害要因も見出せる。14時、某社コンテンツ企画のネタ作り。まだパズルが解けていないがワークしつつ探る。僕の場合、神が舞い降りるのは、ほとんど誰かとの会話の途中。その瞬間に備え多様な事を十分咀嚼する必要がある。

16時、面接。17時、午後のものとは別の案件の企画メモ書き。アタマが少し混乱しているが集中する。19時、信蔵塾・第六回。今日は突如テストを実施。予想を越えるユニークな回答が集まり、bAのメンバーは豊かな感性を持っている事を再認識。その場で回収し分析しながら何を軸に考察するかを多面的に解説する。少しずつ理解が深まっている手ごたえ。21時、デスクに戻り問題のサイトについてメモを書く。22時、コンテンツ企画の技術面での擦り合せ。ほぼ出来ることの限界は見えてきた。後はコンセプトを詰めるのみ。23時半、T社広報用の画像作成などワークが残っている。今日もまだまだ終われない。

plagiarized site

ある方からbAの会社宛てにメールを頂いて知った「あるサイト(急遽デザイン変更されたようなので記念に格納)」を見てどこかで見たことあるなと動揺する。なんとも見事と言うか節操がないと言うか、まるでbAが作って森ビルに納品した「六本木ヒルズ」のサイトの亜流。テイストやレイアウトはもとより、コーディングからスクリプトでの挙動(弊社のメンバーが比較した結果、特にJavaScriptは体裁は変えてあるけど弊社案件で命名したネーム規則のままとか)に至るまで拝借されまくりの様相。なんというか、これが世に言うパクりというやつなんでしょうか。

個人の方がご自身のホームページ作りのためにプロの技を盗もうとされるのは何も問題ないと思うし、そうでなくても模倣や真似は別にいいんだけれど、プロとして仕事を請け負い、対価としてお金を頂く立場の方が、真似というかコピペして表層をちょろりと変えて納品して、それで堂々とこういうこと(10月29日頃、著作権に関する部分を削除され、URLも変更されたようなので記念に一式を格納。「こういうこと」はこちらを参照)を表記しちゃったりすると、クライアントに迷惑がかかる可能性もあるわけですし、やっぱプロは自戒自重するのがあたりまえ、と思うわけで。ま、このサイトを作った人が誰だか知りませんが、勝手ながらその人はプロではないと認定(謎)させて頂きます。

ちなみにGuy Bourdinの作品をまるまるぱくってしまったMadonnaのような例も世の中にはある。どう見てもコピペ以外のなにものでもない。

追記(2003年10月30日、午前3時)。見たことあると言っていた「サイト」が急遽リニューアルされた。本文中の「こういうこと」というリンク先も「user.html」とファイル名を変更された模様。せっかくなので、記念に、「ココ」に一式(謎)を格納。

freeway promise

民主党の公約に掲げられた「高速道路無料化」。自民党と40兆円をどうするかで議論されているが馬鹿馬鹿しいというか腹立たしい。そもそもタダにしたら、どれだけ交通事故が増えるのかわかっているのだろうか。高速だけを言及して何を引き起こそうというのだろうか。

起こるのは事故の多発。そして一般道に信号とバンプが増える。それは高速で移動してきた人間の意識を元に戻すために絶対必要な文字通りシグナルなのだ。都市間は高速。しかし都市は今以上に渋滞。それを長期的に見て環境に与える影響はどうだ。3年後にディーゼル車がゼロになるわけもなく都市は今以上にススまみれ。子供は喘息とアトピだらけ。ネズミ捕りにポリスも大忙し。病院も救急車もJAFも大忙し。40兆円消すのはいいが、それ以上の苦を誰が背負うのか。その苦の低減に幾らかかるのか。

いずれにしろ人が今より死なない理由を明示せず点取りウケ狙いで3年後にという公約。「相手は出来ると言っていない。しかし我々は出来ると言っている」。ざけんなって。未来の子供たちのためにみたいなことも口にする民主党の無責任さというか無計画さに、なんか俺は無性に腹が立つんだがどーよ<誰。

日本はどうだかわからないが、アメリカでは、痛みによる経済的損失(治療費や痛みによる生産性の低下などを試算累計した額)が年間10兆円を超えると見込まれているそうだ。

Sunday, October 26, 2003

works, today 1026/03

惰眠を貪り11時起床。12時、本を買うつもりだったので、青山ブックセンターに行くついでに隣にある「Un Cafe」でブランチ。しらすのパスタにも惹かれたが鶏のソテーで腹ごしらえ。肉質も焼き加減も申し分ないのに一味足りないと感じる。バルサミコの風味が軽く、効いていないと分析。そのまま青山ブックセンターへ。駄目だ。まじ駄目。ここは物欲の塊になってしまう場所。今日も次々に欲しい本が見つかり、抱えきれないほど買ってしまう。レジに行く前に、仕事で必要な本と自分が欲しい本を選り分けて支払うが自分用が重すぎ。まじ重い。本は重いぞ。とぶつぶつ呟きつつそのまま会社へ。

13時半出社。ちょっと急ぎ気味に集中してFlash作業。こういう時、構造的に作っておくと後のワークが早く済むというのを実感。でもloadMovieを多用し過ぎると逆にドツボが待っている事も知ってる。16時作業を終え添付で送って会社を出る。

どうしてももう一度見ておきたい写真があり、急ぎ恵比寿へ。16時半、都立写真美術館に到着。会期今日までの上田義彦さんの「PHOTOGRAPHS」を見る。会場に入るなり圧倒的な美しさを目の当たりにしてあの感覚が甦ってきた。懐かしい一枚もある。一枚づつ正面に立ち、心の中のさまざまな自分の記憶と対話が始まる。これが経験というものだ。数多くの自己対話の種子を充分に吸い込んだ気がして会場を後にする。ふと余韻を楽しみたくなり、ガーデンプレイス地下のPartyで八海山の吟醸と97年のChãteau Poupilleとルブションのチーズを買って帰宅。しばらく今日の写真との対話を続けるべ。明日までに考えておかねばならない事が幾つかあるし日曜の夜なのだが今夜はテレビ抜き決定。テレビは強い。メディア側が意識を持って行きすぎ、見るだけの人になってしまう。

Saturday, October 25, 2003

zatsugaku.com

小橋さんの「今日の雑学」が999号を数え、とうとう次号で1,000号になることに気づき、深い尊敬の念を抱く。それは継続は力なりなどと言うまでもない毎回の深い内容の積み重ね。この1,000という数字は本当に半端ではない。自分も連載を持っているからわかるが(僕のそれは月刊で46を数えるに過ぎない)続ければ続けるほど自分のアイデンテティを問われていく。どんなものにも価値があるとされていく現在、これに気づいて本物が持つ力というものへの考察に意識が向く。同様のリスペクトを感じているものに田口さんの「百式」がある。彼はbAのサロンパーティに来てくれたことがある。色々話したのだが、小橋さんと通じるものとして温かい目をされていたのを思い出す。目に温かい心が映っている人は素敵だ。

Googlism

この「Googlism」は、名前とかキーワードを入力すると、それについて「Google」がどう感じているのかを詩にして応えてくれる。これがすげー面白い。韻があるので、なんか詩になってるし。Googleがどう感じてるかというのも変な言い方だけど、そうとしか言えないんだが、つまりそれは、世界中がどう感じているかに近かったりするわけで、その意味でこれは知的な素晴らしいデザインだと思う。

   +

Googlism for: design

design is dead
design is not a therapy session"
design is crucial to
design is not dead
design is a journey
design is a full
design is neither
design is terance williams
design is web design
design is a combination of both science and art that
design is no
design is boon for blades
design is made easy for home
design is a leading international golf course architectural
design is not art
design is a service of design software
design is a portfolio website designed to showcase the
design is evil
design is important
design is a
design is design is design
design is now matter solutions
design is the full service web design studio for your
design is a full service internet presence provider and
design is your source for web design e
design is kinky
design is now within reach
design is a printed circuit board design service bureau
design is bounded by test design
design is more than just 'noise'
design is a web design
design is an award
design is an established company providing web
design is a consultancy involved in all aspects of visual
design is within your buget
design is a full service architectural firm offering
design is problem
design is law
design is a different kind of internet solution
design is now worlwide multimedia
design is art
design is a web design company in london
design is kinky makes extensive use of iframes througout the site
design is just a few clicks away
design is not a therapy session"
design is 2
design is creationism in a cheap tuxedo adrian l
design is crucial to the success of the web
design is done in software development
design is not enough
design is only a click away
design is preferable over indian river 08/27/2002
design is neither matt young physics department colorado school of mines golden
design is a combination of both science and art that satisfies many users designing the best user interface for a web site is not an easy recipe
design is a leading international golf course architectural practice
design is key
design is a portfolio website designed to showcase the graphic design work of kenny eicher
design is a chain reaction
design is an online portfolio of professional web site and graphic design for various companies
design is dead tuesday
design is responsible design
design is the systematic process of translating general principles of learning and instruction into plans for instructional materials and learning
design is coming
design is a practical art that guides and enhances a user's experience of a programmatic artifact
design is not optimal design
design is the full service web design studio for your small business
design is equally as complex as that of technology
design is a complex process that involves the collaboration of a variety of individuals
design is more than just 'noise' by dale pollek
design is kinky from slackrock
design is a one
design is the property of skywarp productions and/or trinity evangelical lutheran church
design is why not? in her second letter from london
design is a complete internet company
design is my favorite thing in the whole wide world by blusel
design is a consultancy involved in all aspects of visual communication
design is featured in the november 2001 issue of fine homebuilding magazine
design is
design is now worldwide multimedia
design is so affordable
design is in service to your concept
design is approved mount vernon apartment plan passes a hurdle architecture

Eihiro Saishu / friends

帰りに西麻布でメシ食って帰ろうとタクシー降りてを歩いていたら、なんと目の前に、歳の割にはちょっと派手なカッコしたEC-OneのS首さん。「うぉ!しんぞーさん。こんなとこでなにやってんのぉ」。

っつーかさ、そのセリフは俺のセリフだっつーの。西麻布は俺の庭なんだっちゅーの。「メシ食うの。つーか、こんなとこでなにしてんの」って切り返したら、「いや、そこで飲んでて」と携帯片手に言う。漂う怪しさに、コソっと外に出て誰に電話してんのと突っ込もうかと思ったけどやめて「ぢゃ!」ってことで大人な感じ(謎)。なんか、到底、あのIBMのJava軍団に「おまえらアホか」とか言い放つJava界の権威のひとりとは思えないS首さんではあった(にやにや)。それはさておき、会うたびに「カッコいいモン作るねぇ。だけどさ、調子に乗らずに相手に利益をもたらしてからやりたいことやらんかい!」と、いつも喝を入れてくださるK山社長はお元気だろうか。まぁ、副社長のS首さんがこの時間に西麻布であやしいんだから、そんな心配は不要ってことか(謎)。

ちなみにS首さんの名誉のために補記しとくが、彼は上場企業のCOO。朝から晩まで、まさにクタクタになるまで内をマネジメントし外を走り回る日々を過ごされている方。昨夜も取引先とご一緒されていながら会社の状況を確認されていたに違いない。さらにK山さんは、M菱商事の技術部長を30年務められたスーパーマン。シーズをビジネスにするプロ中のプロ。ひとことひとことが重いんだなこれが。

Friday, October 24, 2003

works, today 1024/03

頭を必死に詩的に切り替えつつ文字と格闘し結局コピーを書き上げ終えたのは朝6時。添付で送ってから顔を洗って就寝7時。10時すぎ起床。正午まで自宅から数件の確認と指示。13時、某社経営企画担当取締役と新規事業を担当する業務担当取締役との会議。終わってみれば3時間半。その会議中ウェブの話はひとつもなく完全に経営レイヤーから業務にどう落としていくかのマネジメントが主題。係数側面をベースにしながら無形資産形成とその活用をマーケティング施策に紐付けていく趣旨を説明。このような仕事がアートディレクターの職務範囲なのかと問われると答えはないが僕の場合、こういう部分を担うことが増えている。少しは成長したということか。かなり疲れたが懸案事項はすべてクリア。

17時、帰社。17時半、定例会。睡眠不足が祟ってか少し身体がダルい。気分転換に僕がこれまで知る中で最高に不思議な魅力を持った夫婦と言えるかもしれないうるまでるびさんのサイトで今日の気分を見つつ暫く和む。京都に行ってなにしてるんだろ。19時から某社コンテンツ企画の擦り合せ。昨日の考察をフィードバックし、少しインタラクションのフレームを広げることに。21時すぎ、医薬大手R社のマーケ部長M女史からご無沙汰の連絡。とうとう東京に居を移されるとのこと。彼女は優秀な人だ。22時、P 社から届いた画像をチェック。なんと.outな拡張子。予想通り「DCS版ファイルがみつかりません」エラー。CMYK全部いれてよぉってことで来週の作業にシフト。23時、H社更新作業の状況をチェックし今日の仕事は終了。

brain vol.43

カバラージとして記録を残しているが、これを忘れていた。宣伝会議の「ブレーン」 2003年9月号にて特集が組まれた「Webデザインの最新型」で、内山さんとの対談。さらにbAが手がけたS案件についてのインタビュー記事が掲載された。このインタビューでは、サイト作りだけを目的とするのではなく本来成立させるべきコミュニケーションのフレームワークについて内山さんと語りあった。しかし、届いた見本誌を見ておもいっきり寝不足な顔をしてる自分に少し同情した。ぼよよーん。

search inside the book

amazonが始動させた書籍の本文検索機能「Search Inside the Book」に驚いた。知らんかった。これまじすげーよ。買って、届いて、開けて、ぐんにゃり、が無くなるだけでなく、書店で実物を手にしてぱらぱらと見て買う以上に検索性が高まるわけで、現段階では全書籍ではないにしろ、ものすごいサービスだと思う。

実際、何かを知りたいような目的があって書店に本を買いに行く時、どんぴしゃの本に出会える確立はかなり低い。そこで他にも載っている本はないかと、時間を費やすわけだが、どの書店にも冊数の限界があり、後で残念な思いをすることもあるわけで。しかし、amazonって、ベゾスが中古のアコード乗ってた頃が懐かしくなるほどの昔から本当にずっとネットを引っ張り続けてる。今日(日本時間で25日の1時に追記)、amazonのトップページにどかんと掲げられたベゾスのメッセージ。気合が入ってます。今日(日本時間で28日の14時に追記)、c|netで解説記事をみつける。この書籍内容検索の対象は、いま190出版社の12万冊で3,300万ページらしい。これを実現した背景にある権利関係に関しての記事が興味深い。

tv asahi's new CI by tomato

かな?と思っていたら、やっぱりTOMATOだった新しいテレ朝のCI(スティ-ブ頑張ってるなぁ)。「The TV Asahi symbol logo is a perpetually changing, living and communicating logo.」ってことで、コンセプトのベースはSONYのConnected Identityの系譜。それをCIシンボル開発そのものに適用したもの。

でも、このCIに関するテレ朝のオフィシャル情報が見つからない。さらにテレ朝のサイトはロゴをくっつけただけで、ダッサダサのまんま。さらに英語版サイトはまだ旧ロゴのまんま。このへんからもテレ朝側がCIはロゴ作るだけじゃないって事を充分に咀嚼できていない感じが垣間見える。TOMATOの仕事は素晴らしいと思う。でもCI全体のプロジェクトからすれば彼らの仕事は一部分。本来のマネジメントが足りていないと今は思える。

light bulb

電球。夜が明けるまでの僕たちの暮らしを支え、闇への怖れを緩めてくれる電球。その電球の寿命の儚さに思いが行った。それは、家の玄関やら部屋の天井やらトイレやら洗面やらの電球が、一定の周期で決まった順番(付け替えた順番)に、バチっと切れていくことによる。

その生き絶えていく順番の正確さは一定の品質を実現している松下電器の技術(ちなみにウチの電球はナショナルブランド)なのだろうが、電球が切れたあとに部屋に充満する陰気さを思うと、電球って地味だけど、すごく自分の毎日に必要なもので、それは単にルクスを上げるだけでなく、感情的な部分に対しても支えになっているんだなということに、ふと気づいたわけだ。切れてしまった電球に何やら愛おしさまで感じる今夜。よしよし。徐々に頭が詩的になってきたぞい。

Thursday, October 23, 2003

works, today 1023/03

帰宅3時。あっという間に寝てしまっていたようだ。10時すぎ起床。快晴。眩しさで目覚めるこの喜びよぉ、とか自分に言い聞かせながら顔を洗う。珈琲入れて、気合を入れ直し、まだ纏め切れていないコピーライティングに向かう。15時、F社事業部説明会。強面の面々が居並ぶ中、少し緊張しつつ説明終了すると、強面が突然満面の笑顔。なんか深い安堵を感じる。まるで映画の場面転換のようなその後の穏やかなムードで情報交換。だが、その会話で、彼らが求めていること、進もうとしている方向性、抱えている課題など、収穫も多かった。もちろん収穫したからには、それを実装に活かさなければ意味がない、と自分に言い聞かせる。

17時、土砂降りな夕立のため西麻布で足止め。仕方ないのでTeTeSでお茶を飲みながら、某社のブランドマネジメント案件のための企画作業。だけど、事務所で考えているより不思議と集中できて、自分でも「おぉー」って感じ。18時、帰社。H社の件、急ぎデザインワーク。19時、某社新規事業案件のミーティング。これも要件をクリアにして明日に備える。21時、新宿に移動して、のびのびになっていたF社案件の打ち上げにかなり遅れて参加。お疲れさーん。23時、直帰で帰宅。今から明日までにコピーライティングを仕上げるつもり。

Ichigo Sugawara

写真家の菅原一剛から「Grasp the Light」のレセプション案内が届く。うげっ月末だぁよ。なんでこの日に。一剛とは、ものすごく古い付き合いなのだが昔は何で一緒に騒いでいたのか明瞭には思い出せない。だが、一剛はとにかく繊細なコトに意識が行くやつで、僕がソ連からロシアに移行した直後に訪れたウラジオストクで見た子供たちの様子の話に目を輝かせていた。フィンランドに行ったのはその後だっけかな。駄目だ。断片は出るが年表っぽく思い出せない。

余談はさておき、湿板写真による光の定着は、彼が昔から追い続けていた多様なテーマの背景にずっとあった。その意味で、この個展は是非見ておきたい。また僕の持つ案件で何かを一緒に作ることになる予感もしている。なんとか時間を工面してレセプションには足を運びたい。

got tired of our works

勇吾が指摘した最近のbAの仕事への感想を読み、しばし考える。まさに正論。bAのalumnusとしての勇吾による辛辣な指摘として素直に受け止め、励まされた気になる。勇吾に感謝。もっと精進します。おまえも精進しろ。

一方、この仕事に限らず何かを成し遂げようと些細な事にも必死で向かい神経を擦り減らしているのがウチのスタッフ。特に上流を担う彼らの日常を思うと、実名を挙げられて「退屈だ」と言い切られることに、心底残念に思うだろうことを慮る。

だが、正直、今それを指摘されたからと言って慌てることもない。すでにそれは社内の全体会議で課題として提示した要素の一つであり、簡単じゃないけど少し先は見えている。さらに日が経つにつれ個々のメンバーの中でそれへの理解も徐々に深まり、個々の案件で個々人が常に前進させようとする意識の背景に存在し始めている。退屈の向こう側に興奮があるんだろーが、というこの指摘は、認識を持ち続けるべき課題の提示であることは確かだが、bAは総体で進化する。焦ることはない。

COMMENTS : 退屈、というのはちょっとアレないい方で大分失礼だったかもと反省中。言い直すと要するに表面的なデザイン&実装クオリティと上げていくこと(いわゆる一般的な意味でのデザ&コーダー仕事)だけが突出するような成果に限界を感じてるということでしょか。当然それは僕自身の仕事についても然り。スバルとかミキモトはとても洗練されてるので、一層それを感じてしまったということ。そろそろ次の段階を模索&実験していく頃だと思ってます。僕的にはやっぱり IA方面でチャレンジかなと思います。あと、アルムナイってalumnusって綴るんだということをはじめて知りました。俺がアルミニウム?と1時間ぐらい悩みました。日々勉強です。NAME : yugo : October 23, 2003 06:05 PM

Wednesday, October 22, 2003

works, today 1022/03

S社案件完成。D輔、M市、C野、M野、Y原、まじでおつかれさん。帰宅直前、昨夜詰めていたものとは別の某社案件企画の進捗を確認すると未完成。おいおいと思いつつ時計を見ると2時半。空腹だったのでとりあえず帰宅。自宅で骨子を書いて送って何打噛んだで就寝朝7時(泣)。

9時半時起床。外は雨で元気出ない。10時、某社企画出し。12時、昨夜のコンテンツ企画の詰めを継続。15時、来客。2年半ほど前に手がけた某社サイトを次のレベルに進化させたいとのこと。この企業に限らず、このところ上位レベルからの提案を求められ続けること多々。16時、M社用ポスター作成に着手。元々気合入れて写真撮影してあるので苦もない。17時、昨夜企画していたプロトタイプの方向性について指示。さらにそれとは別のもう一案を具体案に落とし込むため社内で色々話し合う。18時半、来客。20時、社全体状況確認会議。21時、某社案件の年内の拡張プランをヒアリング。22時、明日のF社事業部説明の準備。23時半、一段落してサンタプロジェクトの画像入稿するがうまく行かず眠気でボケてるのかと思ったが仕様変更されたので無事入稿。今日はもう帰って寝るぞ。

DRIES VAN NOTEN

ドリスのシャツを買ったことで、ドリスのサイトを見直してみたら、やけに世界観が出まくりで、なんかニッコリ+にやにやモード。そーいえば入れてなかったっけ、ってことでついでにbookmarkにも加えた。で、なんつーか、うまく言えないけどブランドが持つ世界観って、DiorみたいにFlashとか使いまくって変にテクニック駆使すること以前に、「うんうん、だよね、ま、これで充分」っていう部分が、まず表出してないと意味がない、と再確認+ちょっと学習。

思い出したけど、去年、ホントはドリスんとこで、ほすぃ!と思ってたニットがあったんだけど、欲しい色(サンドベージ)がぴゅーっと売れちゃっててガックシ。それで、ううう、となって買ったのが、JIL SANDERのニットだった。スタイルも良いし、着倒してても形が崩れないし、素材もアルパカ+カシミアで柔らかくて暖かくて、結果的には買ってよかったと思えるモノだったのはさすがジル。

Tuesday, October 21, 2003

works, today 1021/03

就寝2時。8時起床。メールボックスを開けるとSurveyMLから意味不明な連続ポストが入っていてゲンナリ。このMさんという人、寂しいんだろうか。10時、某社新規事業のコンセプトリリース作成のため静かにコピーライティングに集中。頭に浮かぶイメージをそのまま言語化せず、紡ぐ手前の言葉を選ぶ作業に没頭。途中、わき道に反れてメタファについて少し学習。13時、Internet Magazineの中島編集長から連絡。12月にパシフィコ横浜で開催されるINTERNET WEEKのオーガナイザを務めているそうで協力してちょーよ、との依頼。ちょうど日程が重なっていたNiftyの審査会の方に連絡し細々と調整。

15時、一旦言葉探索をやめ、某社のブランドコンテンツ企画に入り、約3時間、企画に没頭。やりたいことは沢山あるが、どのような企画が相応しいのか構造的に頭の中を組み立て直し、10枚程度の提案書のメモを書く。19時、面接。彼は二度目だが覚悟を決めたようだ。20時、午後から上流部分を考え、メモ書きした企画に関する社内会議。具体的な方向性を詰めるため、情報として足りていない部分を明示して確認依頼。骨格を決めた後、再度その上でのブレスト。大きくは三つの方向性に絞り、プロトタイプ作りに入れる部分から着手することにする。

自分でも体験したことがないモノを発想し作る。いざそれを作る段になれば、どんどん贅肉を削ぎ落としてコンセプトを表出させていく作業となる。その意味で、この組み立て部分で、出来る限り豊富なアイデアや仕様として可能な技術など、多様な選択肢を考察しておくという準備が重要。気分的にはまだそのスタディが足りていない感じがしている。もっと考えるべし。

figurative sence

フィギュラティブというかメタファというか。このところブランド表現について多面的に考察を続けているが、その中で、暗黙知を形式知に置換する時に、用いるべき言語表現の指針作りに辿りついた。特に多くの連想をもたらす手法として効果的な、いわゆる「比喩」について色々考えていたが、松岡正剛氏の本に面白い記述を見つけた。「比喩」は「喩 (たとえ)」によって近似的に連想を呼び覚ます表現手法だが、この「喩」を美学理論で分類すると「メタファ (隠喩)」、メトニミ (換喩)」、そして「シネクドキ (提喩)」という三つに分類できる、とのこと。以下に例を挙げてみる。
メタファ(隠喩)月見うどん白雪姫たい焼き
メトミニー (換喩)きつねうどん赤ずきんたこ焼き
シネクドキ(提喩)親子どんぶり人魚姫焼きとり
ふむふむ。シネクドキが微妙だが並べてみるとなるほどという感じ。ブランドでいうドライバに関する考え方と意識がクロスする。しかし言葉の裏にある意味と由来。さらに喚起されるイメージ。ネーミングはホントに奥深い。

Monday, October 20, 2003

works, today 1020/03

週末らしく過ごそうと心がけたこの週末、かなり寝た。もう寝たくったという感じで結構元気に戻る。11時、ASCIIが出すムック本の校正を見て愕然。名前やURLが別の会社になってるとか、精度が極端に低い上に、急に300字減らせとか、なんで他人の褌で本を出すのに、こんなに手間を取らせるのだろう。どういうワークフローになっているのか想像も出来ないが、本を出すなら、せめて編プロに投げっぱなしにしないでプロジェクト設計とコンテンツ管理ぐらいはしっかりやって欲しい。

12時、某社新事業の広報文をディレクション。偏りすぎず特徴を伝える。これが難しく少し苦悶。15時、宣伝会議の松井本部長来社。先日のお礼を含め 2時間ほど色々と意見交換。メディア側にいてビジネスが見えている人は少ない(見えていない人が編集長のメディアは悲惨だ)が松井氏は本当に多能な方だ。 18時頃デスクに戻り某社の家庭画報用の原稿を完成させる。19時、某社ワークショップ企画会議。気づかせるというミッション。単に教えるだけでは駄目なので組み立てが肝心。20時半、某社用ガイドラインのチェック。グローバル、リージョン、カントリ。ブランディングとマーケティング。プロモとCRM。それぞれ各サイトのミッションやポジションなど骨子部分を口頭で説明。22時、富士フイルムの次期プロトタイプの作成。自分で思っていたより時間がかからず、あっさり出来たので23時からH社の画像作成。なんだかテキパキ仕事が進むのは、週末休んだせいだろうか。

nifty home page grand prix

毎年恒例の「ニフティ ホームページグランプリ 2003」の審査が始まった。僕は最終審査委員のひとりなのだが、居並ぶ審査委員の方々はインターネット系雑誌の名だたる編集長ばかり。そしてその応募総数のすごいこと。最終的にひとつのサイトを選び出すのも大変だが、それだけ多くの人が参加している、という事実から感じる責任の重さは半端じゃない。ブロードバンド化が進み、BLOGのおかげでコミュニティも進化し、今やホームページという範囲をどこに引くのかを問われても、にわかに答えが見つからないほど。そうした変化と拡大の中で、これは良し、これまもう一歩、と選択を繰り返すには、自分の価値観をしっかり固めておかないと応募された方々に失礼にあたる。

そんな中、今朝、宇多田ヒカルが自分のサイトに掲げた「大切なファンの話」を読み、心洗われる思いがした。澱みが消え、霞みが晴れ、新しい気持ちが甦った。

Sunday, October 19, 2003

torafuku / gourmet

午後遅めから冬物を探してお店を回る。予想外に欲しいものに出会えず、DRIES VAN NOTENでシャツ、GIORGIO ARMANIでジャケットを一枚づつ買う。欲しいと思っていたドルガバのブーツはサイズがなかったので涙。普段なら、うううとなって探すが今日はあっさり諦めて晩ごはん。今夜は表参道の「寅福」。メザシで一杯呑んでから、ごはんにおかず。安くて美味しく良いお店。食べてから、ぶらぶら歩いて家に帰れる距離なのもうれしい。そういえば骨董通りのヴェルサーチェがクローズしてコシノヒロコに変わるらしい。ヒロコ先生、お元気なんだろうか。会ったらまた「アンタなにやってんのぉ」と怒られそうだ。村上さんもお元気かなぁ。

やっぱりニ週遅かった。欲しいなと思ってたものは売れちゃってるかサイズ切れ。やっぱ忙しくても時間作んなきゃ駄目だ。しかしアルマーニがディテールをクラシックに戻しながらエレガントに仕上げようとしている部分には共感した。言葉ではうまく言えないが懐かしい感じを今な感じに仕上げ直す中に力を感じた。GAでの買い物のあとエルメスとLVをのぞいたが、エルメスは大人すぎる感じ、LVは随分子供な感じがした。たぶん僕はそんな年齢なんだろう。

Panasonic Viera / TVCF

週末、数多くのテレビコマーシャルを見る。その中でPanasonicのVIERAという薄型テレビの広告が気になった。モデルウォーキングの女性が駅のようなところを歩き、立ち止まると床がめくれてテレビになる。こうして言葉にしてみても意味不明な導入の5秒に強い違和感を感じる。さらに続く5秒は画面にCGの花、そしてまるでカタログの表紙に至る。見終わった時、画面上方が黒く塗り潰されモデルらしき女性の顔がなかった気持ち悪さが残る。印象として暗い。登場感というミッションからすると明らかに失敗と思われる。しかし、なぜこんなに映像に技がないのだろう。まるで画角が変化しない。静止画コンテを繋げた印象で、いまどきありえない。

それ以前に、なぜ駅らしき場所なのか。なぜ駅の床がめくれあがるのか。カツカツとハイヒールの音を響かせておきながら(それは硬さの表現のはず)、なぜ突然にぐにゃりとめくれるのか。そのめくれたものがCGでメタル質感に変質させる必要がなぜあるのか。さらに床の裏側に画面が出るというネガティブ表現をなぜ選ぶ必要があったのか。そもそもあの女性は何を表しているのか。手に持つエナメル質のバッグは何を表しているのか。そもそもあんな古臭いスタイリング(ブーツのトゥの形も古い)で何を言おうというのか。最初から顔を出さない企画なら、その服、持ち物、靴、動作を通じて人格描写すべきはずだがまったく意思が読み取れない。

さらにテレビ画面に映るのがなぜまた突然にCGの花なのか。これまでのキャンペーンのパーセプションのつもりなのかもしれないが意味不明。そして機種が並ぶ。とにかくなにから何までさっぱりわからない。盛り込みすぎの割に時間配分のアンバランス。駄作と言わざるを得ない。もうすこし頑張ってほしい。

Saturday, October 18, 2003

musashino / gourmet

久しぶりに「武蔵野」で食事。昼食時だからか店内は満員。今日は、釜揚げうどんと天丼を食べる。やっぱりここの釜揚げうどんは、うどんとは別の食べ物のように思えるほどおいしい。何度も食べているが、口に運ぶたびに「うまー」。爺クサイのは承知だが幸せを感じる。おやっさんが奥から出てきてにっこり。蕎麦打ちを見ながら昼間から麦酒を飲んでしまった。帰り道、表通りに面した角にある「寿々屋」でいっこ100円の鯛焼きを買って歩きながら食べる。寿々屋のおばちゃんはいつも元気で大好き。惜しげもなく入ってる餡子とカリカリが超美味。最高だ。ま、言ってみれば、前菜(湯通しもやし)、パスタ(釜揚げうどん)、メイン(海老天ぷら)にデザート(タイヤキ)と、フルコースなランチ。なんか満足。

Friday, October 17, 2003

works, today 1017/03

9時半起床。今朝も快晴で気分が良い。僕の通勤路は青山墓地を抜けて外苑に向かい、権田原から迎賓館経由で五番町という、都心でも緑が多い道。晴れた日には青葉が目に美しく、季節を感じ心が休まる。

10時半出社。定例のオヤジ会。話の弾みでラグジャリマーケットの顕著な動向をO森氏に説明することに。それを受けて逆にファイナンスの世界での最近の動向を説明され、そこに同期があることを教えられて経済のダイナミックさに少し驚く。12時半解散。2階に上がり必要なデータをサーバからPCに落とし、急ぎ日本橋へ移動。13時、KOSEの経営戦略担当取締役と懇談。まずはスイスで行われるカンファレンスでのブランドコミュニケーションを手伝うことに。終わってから銀座アスターで遅めのランチ。この企業もそうだが、コーポレートコミュニケーションを企業価値を押し上げる側面に機能させるに至っていない一部上場企業は少なくない。そこでのコミュニケーションの有様を考えると午前の話が頭の中でクロスし始める。

15時、帰社。15時半から某社内プロジェクトの会議。明解なミッションを明示。手渡したのは数枚のメモ書きだが、まずそれを咀嚼してもらうことから始める。16時半、来年神戸で行われるTCD Branding Workshopの講師依頼があり日程調整。17時、bAの全体定例会。17時半、某社トップページのワーク。慎重に写真の微妙な色調をコントロール。 18時、昨日レッドゾーン回転を味わった某社への複雑系検索システムのIA設計会議。僕にとって今までにない新しい取り組みでもあるが、最終的にロジック構築よりもインターフェィスが問われる予感ひしひし。19時、来週提案予定の某社新規案件の企画会議に参加しアイデアを絞り込む。

20時半、会社を出て森美術館のオープニングレセプションへ。少し遅れた。柿落としの「ハピネス展」開催のため裏方として奔走した日々を思い出しつつ会場へ急ぐが、ブッシュ来日のための渋滞で動かない。21時を回って到着。入り口で辻部長、契約で色々大変だったKさんたちに「おめでとうございます」と挨拶し暫く話す。会場に入るといきなりバーンブルックにばったりで「まいどー」と挨拶。展覧会を見たが、非常にクオリティが高い。よくぞここまで集めたものだと正直驚く。素晴らしい作品の数々。改めてゆっくりと見ることにして会場を後にする。

ハピネス展はもうひとつづつの作品解説サイトを作りたいぐらいの楽しさだった。それはレイブに近く、静かに集中して思い出すと改めてトランスを感じるほど。その中で、全然別の意味で「うぉ!」っとなったのは、モノクロの海の写真が並ぶ杉本博司の写真。心の中でのshinzo.comや、今のaltba/shinzoのカバーで伝えたかったものがそこにあった。

Thursday, October 16, 2003

works, today 1016/03

9時起床。快晴。晴れていると元気になるのは子供の頃から変わらない。単純なことだが明るい陽射しが好きだからだろう。10時、ふと今日のプレゼンの押さえどころを明瞭に思いつく。中国の有人ロケット生還による影響について少し考えながら会社へ移動。11時、紙にチャートを一枚描きアシスタントに渡して図式化を指示。これまでスタディしたファイルを整理。13時、某社へ。相手は日本最大の知能集団のパートナ。さすがに論旨明瞭で脳みそをレッドゾーンまで回転させる。耳から煙が出そうになるこの感じは久しぶりだ。こういう知的レベルの高い方々との仕事は本当に楽しい。終了後、軽く食事して16時帰社。

帰り道、なぜか今日履いている「PANELLI」のスリッポンの左足のステッチ縫いの端が解けはじめる。これはまずい。靴屋で直しようがないというか、PANELLIの靴は接着ではなく縫いで作られているからこそ軽くて足にフィットする。それもこんな意匠な部分の縫いの修理なんてどうすりゃいいんだろう。

帰社後、某社の広報戦略の骨子を作る。今や広報は単なるパブリックリレーション機能を越えてブランドマネジメントの中心として機能させねばならない。だが、そのように機能させるには全体としての意識向上と同時に求心力を持つ仕組みを与える必要がある。理解と経験を同時に与えねば人はおいそれとは変わらない。手間のかかる仕事ではあるが一歩づつ行くべし。みたいなことを考えつつ骨子を書きつつ同時にあれこれ指示を出し続けながら数社の案件のディレクション。体調はまだ本調子ではないので自宅作業に切り替えることにして22時すぎに会社を出る。

22時すぎに会社を出るつもりで、デスクから立ち上がったら会議に呼ばれ、終わって時計を見るともう1時前。少し疲れた。帰宅途中、表参道の「希須林」でちえちゃんお薦めの坦々麺・辛味4.5に挑戦。でも駄目だ。深夜食には辛すぎ。やっぱ僕は3ぐらいがいいみたい。

chinese spacecraft returns

昨日打ち上げられた中国の有人ロケットの無事帰還のニュースを見て、その影響についてしばし考察。今回のニュース報道で、今現在、世界中が中国製品に対して持っている「安かろう悪かろう」というイメージが、今後、激変するだろう。安価な人件費で製造される中国製品、特にエレクトロニクス産業のブランド面での変化は今後顕著になるはずだ。中国政府が世界戦略を考えている現われであるのは明らかであり、こうした国家レベルでの押し上げのあと、価格競争力で勝負に出られた時、日本企業は何で勝負するのか。そこを今考えておかなければならない。ところが日本政府は選挙である。それも自らを変えられない理由を多数決で正当化するような志向。日本が国際社会の中で益々孤立していく。

Wednesday, October 15, 2003

works, today 1015/03

3時半帰宅。就寝5時前。9時すぎ起床。もう少し早く起きて頭を冴えさせるつもりだったが起き上がれなかった。移動途中提案書を再確認。押さえどころをアタマに叩き込む。10時半、某社提案開始。与件範囲が広いため包括的側面と具体を提示。提案が散漫に響かぬよう内容を絞りながら話す。無事終了し、お疲れさんということで皆で昼食。薬膳カレーなるものを初めて食べた。

14時頃帰社。ネットワーク障害がありオフラインに意識を変えて仕事に着手。某大手金融系企業から打診されている案件と、某航空会社から提案を促されている案件について思考。16時すぎ、ぐら~りと地震で、うわぁと声が上ずる。細かい揺れが止まらず少し緊張。もう9年も経つというのに、揺れが続く最中は必ず阪神大震災時の恐怖の記憶が蘇る。あの朝は本当に怖かった。

17時すぎ、またも昨日と同じような強烈な吐き気。どこか悪いのだろうか。18時、某社用企画ブレスト。だらだらとアイデア出してても仕方ないのでコンセプトを組み立てる道筋を説明。19時、H社追加案件のデザイン要素確認。20時、別件会議に入るが途中ひどく気分が悪くなり退席。明日も午後から某社へプレゼン予定。体調を理由に延期は許されないので大事をみて、22時、一旦帰宅。

books

今日手にした一冊の本のように、一度は読むが何年も経ってから改めて読み返すという行為に及ぶ本は多い。また書店でそういう予感を持ちながら購入した本も少なくない。本は、この月日を越えて読み返すという繰り返しが幾度となく出来るので僕は本が捨てられない。いや正しくは、捨てられない本との出会いが多い、か。

本には、文字を紡いで原稿をしたため、序章からあとがきまで隅々に意識や思想を定着させようとした筆者の思いがある。それを読む僕が、10年経てば、それを読者として解釈し、理解し、咀嚼するために使う知識も経験も大きく異なってくる。当然、文節の合間から汲み取れることも大きく異なり、良い本は読むたびに違う奥行きを示してくれる。僕にとってこれは映画も同じだ。主題として描かれたことが、ある日突然に違った理解で脳裏に出て、改めて見直してみることがあるように、だ。

そして、それはデザインも同じなのではないか、と思う。僕がゲアトバウマンの作品に触れ、もの言わぬそれを凝視して読み解き、自分の中で再構築し、気づいたことを試し、作り、試し、作り、試し、作り、試し、作り…。そして何かが僕の中に残った。そして何かを読み解く力が強まった。そして、読み解こうとした思想をゲアト本人の口から説明され、自分の読解が間違っていなかったことを先日確かめ、大きな感動を覚えた。先のそれは、僕のそれとは比較にならないほど偉大な話として、建築家の安藤忠雄さんが、世界中を回り、もの言わぬ建築と対峙して自らの建築を組み立てられたことに近いことだったのかもしれない。

だがしかし、なによりも、モノや形あるビジュアルを通した表現ではなく、文字というものだけを紡いで、人の心を揺さぶり、何かを人の心に残していく作家たち。僕は自分の心に染み入る本に接するたび、彼らの仕事に心から敬服する。

Tuesday, October 14, 2003

works, today 1014/03

9時起床。疲れが全然抜けず、午前の予定をチームにまかせて再度横になり、13時前に再起床。少し元気になった。すぐに会社に行くべきところが、昨日タイポグラフィのことを思案している最中に頭を過った「王羲之(おうぎし)」について今一度知識を確かめるため一時間ほど本を読む(書の世界でバッハとされる彼については以前ネットで検索を試みたが、たいした資料は見つからなかった)。

15時すぎ出社。仕事を始めるが猛烈な吐き気に見舞われ四苦八苦。風邪の前兆かもしれない感じ。17時、黒川由紀子さんの本が届く。まえがきの最初の言葉、「100歳の人の経験、思いをしかと聴き、80歳や60歳や40歳や15歳の若い世代に、ダイレクトに伝えたいという希望から本書は生まれた」に圧倒される。確かに。彼らにすれば40すぎでしかない僕はアホで未熟なガキでしかない。

18時半まで作業と打ち合わせ。19時前、来客。ご無沙汰どぇすと色々と情報交換。かなり散らかっている状態の2階に案内して「綺麗ですね」と言われて意外。まぁ一人づつのワークスペースと椅子は外資系レベルにしてあるのでそう思われたか。20時、ワークに戻り集中。23時すぎ一旦休憩。明日は朝早いのだが、まだまだ仕事が残っている。

Monday, October 13, 2003

works, today 1013/03

朝から雨。MACKINTOSHのコートを羽織る。友人と、「Hotel Claska」 1階のcafeで待ち合わせ。ランチは、武蔵野で蕎麦(蕎麦はどれも最高だけど釜揚げうどんも絶品)のつもりだったが、お茶を飲んでる最中に天候が変わり、ものすごい土砂降りに。仕方なくそのままClaskaで食事。プロデューサの役割について色々話す。14時半、PCを取りに一度家に戻り、外に出てみると、あの雨はどこ?という感じ。低空のちぎれ雲がものすごい勢いで飛んで行きながら晴天が急に広がる。

15時頃に出社。明日の朝までに一旦完成を目指し昨日からのワークを再開。17時頃、提案の作業が一段落したので気分転換にウチのデザイナの室市くんから寄せられた「shinzlogでタイポグラフィに関するなんかやらんかいゴラァ」とのリクエストに応えるべく、何からやろうかと思案。とりあえずタイポグラフィ・ディスカッションで一度まとめたものを、拡張していくことにする。それはそれで大変なのだが。

18時、企画提案づくり再開。22時、各プロットをチーム内で再確認する。今回の案件は実際に経験したことが無ければわからない落とし穴が無数。まだクライアントの企業規模が小さいので我々としての不安はないが、そこを丁寧に説明し理解されないとリスクも大きい。いずれにしろ後は一本のドキュメントに纏め提案するのみ。23時、マージ完了。仕上げは明日午前中。しかし、休んでいないせいか、僕がもうおぢさんだからか(おぢさんだからに決まってるダロ)疲れが抜けていない。

そういえば、と思って「MACKINTOSH」のオフィシャルサイトを探したんだけど見つからなかった。きっと検索ヘタなのね。

Road to Perdition

忙しくて見逃していたトム・ハンクス主演の「Road to Perdition」を観た。久しぶりに完成度の高い作品だと思った。デヴィッド・セルフの脚本、コンラッド・ホールのカメラワーク、アルバート・ウォルスキーの衣装、トーマス・ニューマンの音楽、そのすべてに無駄が一切ない。それに驚いた。さらに、まだタイトルクレジットが終わったところだと言うのに、それに驚いてる自分に驚いた。まるでパトリス・ルコントのイヴォンヌを観たときのようだった。とにかくサム・メンデスの才能を思い知らされるような映画だった。特に、コンラッド・ホールの撮影とジル・ビルコックの編集には正直恐れ入った。甘さと妥協を一切排除しているのにこの優雅さ。映画自体にも感動を覚えたが、学ぶことが多かった。

Sunday, October 12, 2003

works, today 1012/03

7時半起床。窓を開けるとかなり寒い。日曜朝のお約束、経済系番組を続けて見る。石原大臣も大変だ。外に出ようとして、GUCCIのだらりんシルクジャケを一度羽織ったが、全然寒かったのでGジャンを引っ張り出す。このGUCCIのGジャンは声高な作りじゃないのでお気に入り。しかし、もう皮を着てもいい気候だなと、ついでにNeil Barrettの皮ジャケも引っ張り出す。もう冬だ。

14時、出社。メールボックスを開けると未読が約400通でぐんにゃり。先日の終日講義しまくり日の受講者たちからも沢山のメールが届いていた。名刺はすぐに無くなってしまったのに、わざわざ調べてのコンタクト。ありがたい。15時、週明けに行う某社提案の組立作業に入る。今日は右脳系デザインではなく、完全に左脳型思考コース。夕刻、虎屋の黒川社長に頂いたお菓子を切って皆で分けて食べる。めちゃくちゃおいしくて感動。グリコーゲンが足りてなかったのか、がぜん頭が回りだす。気づくと、かなりわかりやすいチャートが描けている。22時、チーム内で内容のすり合せ。よーし、プロットは組み立ったぞい。

WAGASHI

先日のお礼にと虎屋の黒川社長と和菓子マイスターM田さんが心を込めて作ってくださった特別製の生菓子。下半分はこの秋採れた新栗。上半分は餡をそぼろ状にして蒸し上げられた湿粉で、なんと弊社のロゴを形作って菓子に仕上げてくださった(美味しさに較べると悲しくなるほど写真しょぼすぎ)。休日に出勤してくれている皆で分けて食べたのだが、箱を開けた瞬間の驚き。仕事の丁寧さ。さらに食べた時の食感と甘味。それらすべてが醸し出す「おいしさ」とその余韻。すべてに虎屋ならではの心遣いが感じられ、老舗の持つ底力とはこういうことかと、すでに身近な存在としてある虎屋を、改めて見つめ直すことができた。このような感動を生めるかどうか。それこそがブランドなのだ、と。

Saturday, October 11, 2003

UO / gourmet

今日はお約束のように惰眠貪りまくり。夕刻、渋谷の東急本店にできた「Franck Murller」のサロンにお邪魔する。いやいや素晴らしい。1階のCaltierに寄ってから今夜は西麻布の「UO」で夕食。ハタハタと釜飯に舌鼓。凍結酒でほろ酔い。

CANON EOS 10D

先日、ものすごく急ぎで作らなければならない仕事があった。その急ぎ具合は今日聞いて明朝には撮影しないとケツが間に合わないという超特急モード。カメラマンをキャスティングする時間さえなく、久しぶりに自分で撮影することにした。曇天を懸念してストロボの手配まで終えて撮影に臨んだが、幸い晴れたので約30カット(実質160枚)をデイライトでスピーディに撮影することが出来た。

さて、その時に、使ったカメラがCANONのEOS 10D。このカメラで、本気というか仕事で使うクオリティで、という意識で撮影したのは初めてだったが、購入してから数ヶ月、特性を色々試して来ていたので苦もなく撮影できた。この撮影で、デジタルだからこそでいいなと思ったのは色温度補正がデジタルで出来る部分だった。

リバーサルフィルムを使う普通の撮影ではカラーメータで色温度を測定し、フィルムに合わせて数枚のゼラチンフィルタをレンズの前に重ねて装着するという方法で色感調整を行う。だがそれは、その補正するフィルタが持つ濃度分だけ幕面に届く光は暗くなり、その分だけシャッタースピードを遅くせざるを得ない。これは静物が被写体の場合は問題ないがモデルの場合は半段程度でも影響が大きい。さらにAD的視点で言うと、要は濁った光が届く状態になるわけで、特に光源がタングステン系で弱い場合はボケ足に微妙に影響を与えることもあり、思ったような写真が上がらず半分喧嘩しながらカメラマンに教えられ、このへんの按配を僕は覚えた。そのあたり、実はデジタルカメラでの色温度処理はビデオカメラでの撮影でホワイトバランスと呼ばれる処理ができる。それは被写体にあたっている色温度を、その場にある「白」を一度撮影し、それを基準に全体の色調整を図るという方法だ。露光量が変わらないのもありがたい。もちろんカメラで細かく設定できるが、先に複数のホワイトモードを作っておくと時間を無駄にしない。

これは捨てカットの中の一枚だが、デイライト(当日の状況では6,000ケルビンぐらい)での色温度に合わせたまま、このテーブルの上にあるシャンデリアが持つタングステン光から降り注ぐ赤系の光(通常で3,000ケルビン台)に補正せずに撮影した。つまり、本来は、そのタングステンに対する補正のためにフィルタを重ね色みを相殺して白を出すわけだが、テーブル上にあるオレンジと、白が逆に転んで出る色のマッチをふと頭の中でイメージして補正せずの方が味のある絵ではないかと思って撮ったものだ。こういうふと思ったことをさっと出来る上に、その効果の状態を、小さいとは言え、カメラの裏側のモニタでその都度確認できるのは、やはりデジタルカメラならではの機能と言える。

本当はPKR64(実効感度50)のようなコダクローム系で撮影し、微細な画質にこだわりたいところだったが、今回は現像時間が短くて済むいわゆるエクタクローム系のフィルムで考えられるだけの無茶な撮影テストを重ねていた若い頃の経験が役に立った気がした。もちろんカメラマンと言う仕事の大変さは充分に知っているし、こういう感じで自分で撮影するというのは、ホントに今回のような緊急対応時だけにしようと思った。だけど、急な仕事というのは持てるスキルを総動員しろ!という側面もあり、案外楽しかったりもする。

Salon Chinois / gourmet

汐留に新しくできたPARK HOTELにある「Salon Chinois」で、虎屋の黒川社長と久しぶりの会食。おそらく12年ものかと思われるまろやかなる老酒と、美味なるチャイニーズを満喫した。窓越しに見える夜景も、高層ビルが多い汐留だからか、どこかマンハッタンを思わせる。いつものように多様な情報交換に始終したが、やはり最後はケニアの話。ドバイ経由で10時間ぐらいで行けるルートが新しくできたとのこと。「福井さん、ホントね、はやく行ったほうがいいよ。こんど写真見せるからね」というお言葉に押され、来年こそは行くぞ!と決心。

自分メモ。細かいことだが、「満喫した」という言葉と、「堪能した」と言う言葉のどちらが適しているのか1分ほど悩む。辞書を引いても、ここで自分が言いたかったことがどちらにも当てはまるので、うむむ、という感じ。そこで止まってても仕方ないので最初にアタマに出てきた「満喫」という言葉を選ぶ。日本語の能力でさえこの程度でコミュニケーションデザインに関わっていていいのか、と深く自己反省。もっと本を読み、古人の叡智を得て数多くの確信を持つべきだぞ。

Friday, October 10, 2003

works, today 1010/03

午前、今日の某社でのぎゃんぎゃんのための準備。準備と言ってもアタマの中を整理して、軸にするべきことを煮詰めるだけなのだが。午後、来週のC社へ行う提案の企画を立てる。週末を潰して具体的に組み立てる予定。夕刻某社へ。約2時間、色々と話す。幾つかの気づきを与えられた感触。

what is design

色々な人に「デザインとはなんですか」と聞かれる。取材などを受けた時などにも必ずと言ってもよいほど聞かれる。それも「では最後にお聞きします」だ。もちろん一生懸命まじめに答える。セミナーや講演後の懇親会などで同じような質問をされると、ついさっきまで話してたでしょーが、と、失望というか無念というか残念な思いをすることも少なくないのだが、一生懸命答えて理解されようと努力する。昨日のカンファレンス後も何人かに聞かれて答えた。だが、その僕の「まじめな回答」は、実は質問者が期待したものではないようだ、ということに昨日気づいた。

この質問に何十回も答えているうちに、彼らが求めているのは、実はなんとなく格言的なことなのだと気づいたのだ。問いかけは、彼らにとっての「デザインがなにか」ではなく、何か持って帰りやすいお土産パック形式の答えだったようだ。馬鹿だった。気づくのが遅すぎる鈍感野郎だった。以前、菊川玲ちゃんの番組に出た時にもそれを問われたが、その時に気づくべきだったのだ(遠い目)。だけど音楽などとは違ってデザインは格言にするようなことはないのではないかと思っている僕は、それにどうにもうまく答えられないデザイン馬鹿なのである。

こんな戯言を書いてしまうのは短いひとことでデザインとはなにかを言い切ることが出来ない自分への言い訳なのだが、要は黒子でいいじゃんってことでもある。たとえば誰もが立ち止まる「止まれ」の逆三角形の標識。それはデザインの語源であるデ・サインそのもののようなものだが、それを誰が作ったかは誰も知らない。つまり、デザインは自己主張ではなく、それがどのように社会に貢献したかが本来の役目なのであって、時代時代にデザインという手法で何かを果たそうとした結果、別の価値が出たり、皆に愛されたりするものなのではないか、と思うわけだ。

さて、ここまで書いて、ちょっと間をおいて夢想してみた。そして、ふと言葉の形を伴って自分の口を突いて出たのはこれだった。「人が持てた魔法のひとつ」。どうだろうか。なんとなく言いえた感じはあるけれど。はいはい。イケてないのはわかってるってば。また思いつくだろう。

ippudo / gourmet

昨夜、ADの卵たちへのレクチャー後、懇親会があったのだが全然食べれなかったので会場からの帰り道にあたる渋谷の「山頭火」で夜食っぽくラーメン食べた。山頭火は久しぶり。だけど、やっぱり僕は「一風堂」が好き。家に向かう道沿いには「九十九」もあるし、広尾一丁目回りで帰る道には和歌山ラーメンの「丸富」とか、とにかくいっぱいある。でも、小腹がすいた時に食べたいなと思うのは「一風堂」の白丸と水餃子なんだよなぁ。「山頭火」も美味しいんだけど、飲んだ後には少し薄味に思うのかも。しかし「九十九」が出来た頃、良くアシスタントたちと食べに行ったが当時はガラガラでのんびり食べてた。だけど最近は休日とかに前を通るとものすごい行列できてたりして驚く。

そういえば、昨日、Web Creatorsのカンファレンス後に名刺を渡されながら挨拶された若いデザイナーの女性から、「このカンファレンスのこと信蔵さんのBlogで知ったんです。」と言われ、「え、まじ?」と言ったら、「みんな読んでますよ。特に私は信蔵さんのグルメ日記が好きです」と言われちょっと恐縮。「守秘義務もあって仕事の内容を具体的に書くことは中々出来ないので」と言い訳したが、そこはホントなんです。ま、またメシ日記は書いていくです。はい。

actors studio interview

NHKで放送されてるアクターズステューディオインタヴュ。今夜はジーン・ハックマン。最高だよね。この番組だけは、いつも見逃したくない。

works, today 1009/03

くたくた。もう疲れた。まじ疲れた。昼の13時から夜の21時までWeb Creatorsのカンファレンスと宣伝会議のアートディレクタ養成講座のレクチャー連続。喋りっぱなし。「おまいらわかれよ」言いつづけ。いやー、一日でこんだけ喋り続けたの久しぶり。なんというか、舞台で一瞬のパフォーマンスですべてが決まるアーティストたちの大変さを、どこか身を持ってわかった感じ。

アートディレクターって、もちろん現場で即決!即断!的確な指示!が求められるんだけど、最終的なアウトプットを形成していくまでには、ある程度の時間的余裕が持てる職業。だけど、今日のカンファレンスやレクチャーの講師を務めるというのは、オーディエンスたちに、勇気を与えていかねばならないわけで(というのは僕の思いなんだけど)、今、この瞬間に、彼らに何を与えるか。何を喚起させ、あぁ、来て良かったと思ってもらうのか、という、どこかパフォーマーが突きつけられ、自分の技を、表現を、磨き続けていく気持ちがわかった。そしてそれができたのかどうか、正直僕にはわからない。だけど精一杯できるだけのことはやったつもり。もう、響け!って感じ。エナジ、目一杯、使った一日だった。

明日は夕方から某社の取締役会で、「あんたたち、なにやってんの!」という感じで、ぎゃんぎゃん吼える役が回ってきた。経営戦略、事業戦略、業務体制、マーケティング、ブランディング、ブランドエクイティ、カスタマーリレーションシップ、セールスフォースオートメーション…、ぜーんぶをリレーションさせるには!って感じ。明日もクタクタになりそうだなぁ、、、。もう寝よっと。

Thursday, October 09, 2003

five years ago

憲太郎が「こんなん出ましたけどぉ」と、突然5年前の写真を掘り起こして送ってきた。たぶんこの写真はイメージソースの伊藤さんとアクシスの宮崎さんという、屈強なつわものたちとチームを組んでSo-netサイトのフルリニューアルを手がけていた頃。それとわかるのは手にしている箱。それは、憲太郎が「いるかと思ってついでに買ってきました」というAdobeのPageMill3.0。「んなもん変なコード吐き出すからいらねーよ」とか言って、結局箱も開けずにJ-Editでシコシコとコーディングしてたっけ。UNIX、Mac、Windowsのモニタを三台並べて、デザインしながらIEと Netscapeの表示の最適化に苦闘してたなぁ。RazorfishのSteveが送ってくれたTシャツ着てるあたりも時代を感じる。それにしても、なんかまだ若いね。

Wednesday, October 08, 2003

works, today 1008/03

昨夜,帰宅途中なぜか無性にダシ系のものが食べたくなり「六根」でおでんを食べて帰る。帰宅1時。2時就寝。10時に一度起きたが、身体が言うことを聞かず、ベッドでPCを開いてメールチェック。しかし、もう一度寝てしまう。

それにしても寒くなった。ジーンズに「La Gazetta」のファインウールのタートルを素肌に着て、上に「THEORY」のコットンジャケットを羽織ったが、風が吹くと寒いと感じる。しかし、最近は忙しさにかまけて休日は惰眠の日々。お店に足を運ぶ時間もなく今年の秋冬物を何も買っていないのを思い出す。こんどの休日は店を回るかな。着るものは捨てるほどあるのだが、欲しいなと思うこと。試着すること。買って着てみての着心地や履き心地を確かめること。僕の中では衣服に限らず欲しいと思うことそのものがファッションだからか、そういう経験は毎シーズン続けないと「欲しい」という感覚そのものが鈍ってしまう。

15時、ようやく原稿作業を完了しEPSデータを準備して出稿。17時、MIKIMOTOのサイトを公開にこぎつける。まだ少し手を入れなければならない部分はあるが安堵。また手付かずのフランスや香港なども早く直して行きたいが実際のエリアマーケティング事情を受けてのマージは簡単ではない。しかし、グローバル化はサイトを作るだけでは何の意味もないので前進するのみ。18時、F社用の写真をディレクション。19時、これを見て爆笑。すごい技だ。アタマがほぐれたところで、某社のコンテンツ企画に入る。アタマの中で暖めてきたアイデアを紙の上に書きながら表現面とコンセプト面に選り分けて整理。この形式知化作業には僕は紙と鉛筆がいちばん。

途中、シュワルツェネッガーが勝ったとの情報。しかしなぜかアタマを過ったのは横山ノック。我ながらの連想に少し萎える。21時、Web Designing誌・馬場編集長からの依頼で、最近制作した10サイトの簡単な説明文を作成。50字以内という少ない文字数制限に少してこずる。22時、明後日、虎屋へ提案の新事業に関するドキュメントチェック。伝えるべきことが沢山抜け落ちているので、明日僕がコピーライティングすることにする。23時、明日のカンファレンスのための準備。プロットの組み立てとキーワードの抽出作業。午後と夜、別々の属性を持ったオーディエンス用に2本組み立てるのは結構大変。思ったより時間がかかりそうだ。

Tuesday, October 07, 2003

works, today 1007/03

何打噛んだ【謎FEP】で3時半。クタクタで会社を出る。家の横の「Monsoon」で少し食べ、ビールを一杯飲んで4時半帰宅。+39さんからの情報でKDDIの発表した新しいデザイン携帯を見るうちに寝てしまう。就寝5時。

9時起床。今日の午後のプレゼンのためアタマを整理。起きてから数時間はアタマが回らず、以前それでプレゼンに失敗した経験があり、どんなに疲れていてもプレゼンの日の朝は少し早めに起きるように心がけている。静かな午前中は深夜のように集中できるので原稿に向かい少し書き加える。12時前、昼食のため歩いて近所の「虎萬元」へ。ここは美味だけでなく料理を盛り付ける器も素晴らしい。ぱぱっと食べて即移動。13時、プレゼン開始。途中から先方との波長が合いだし実質2時間半。それが終わってから別件で引き続き1時間。かなりクタクタ。

17時半帰社。今日は某社サイトの公開日。しかし戻って状況を確認するとCGI部分が挙動せず未だ公開できずとのこと。さらに確認してみると実行ファイルが先祖がえりを起しているなど、そこを担当する某社の対応の遅さと甘さに改めて辟易。結局公開は明日ということに。その後、ここには書けない何打噛んだが延々続き、22時すぎ、力尽きる。プレゼンでエネルギーをかなり使ったからだろうか。いつもよりは早めの帰宅。

Monday, October 06, 2003

works, today 1006/03

だから早く書いとけと言っただろと自分自身に言い聞かせながら朝から午後まで、連載の執筆にどっぷり集中。途中、インテンショナリーズのT氏から連絡。僕のこの日記の中のHotel Claskaに関するメモの中に僕の勘違いがあり、間違った記述をしていた模様。お詫びして当該部分を削除する。この件で、この僕の日記が実は多くの人に読まれていることを知る。

14時、なんとか一本を書き上げ、宣伝会議に原稿を送る。主題としては情報収集の多様化による価値判断の変化だが、その状況まさに複雑系。それを 1,400字の言葉で端的に述べられるほど僕は言語置換能力はなく苦悶する。一度アタマを切り替えて、引き続き、日経の「思策の糧」の原稿執筆に移る。この連載は、毎回違った視点から今を書き続けて来たが、ある思いから最近は前号、今号、次号と流れを持たせながら書き進めている。17時、8割ほど書き上げたところで会議。その後、面接。さらに会議と続き、幾つかのディシジョンを行ったあと、月曜恒例の「信蔵塾」開講。今日のお題目は多様な価値観の実体と、それを集約していくことの大切さ。今日は講義というよりもセッションという方法を選択したため、いつもより時間がかかった。24時前、明日のプレゼン準備のためのミーティング。予定表を見ると明日以降、またまたスケジュールが詰まっている。今週も忙しい。

Sunday, October 05, 2003

sea view

ふと思いついてこの夏撮った海の写真でaltbaのカバーを作った。思いついたのは空の変化で刻々と変わる海の表情。それをshinzo.comの頃のまんまな感じで作ってみた。潮の流れや潮の満ち引きでも海の表情は大きく変わるが、何より大きいのは空の表情。これを撮ったあとじっと海を眺めていて、子供の頃に芦屋の浜でなぜ海は蒼いのかを祖父に聞いたら、それは空の青さが映っているからだよと言われ、無邪気にずっとそれを信じていたのを思い出した。

青いと蒼いの違いってなんだろう。青には碧という文字もある。蒼という字には色の幅を感じる。その意味で緑青な印象のない空は青かなと思った。それに較べて海は紫にも青緑にもなるので蒼いという印象。碧は石という文字を腹に抱えているからかサファイアのような輝石の色という感じ。しかしこんなことでいいのだろうか。日本人として恥ずかしくなるほど無学な自分が情けない。

Saturday, October 04, 2003

works, today 1004/03

午前3時、かっくんが「信蔵さんが最後ですんで」と帰宅し、事務所は僕ひとりになる。静寂。それが逆にノイズがなくなって集中できる。5時、珈琲を淹れに来たらしい憲太郎が暗闇からぬぅっと突然出現し腰を抜かすほど驚いて爆笑。ものすごく集中してたのだろう。PVは削りに削ってスピーディなリズムに。冗長性をなくし、説明的でありながら、もう少し、もう少し見たい、と思わせる仕上げにする。タイポグラフィにてこずったが、7時すぎ一通り完成。データをサーバに置きエンコーディングに作業バトンタッチ。8時半、会社を出て9時帰宅。少し横になるつもりが、ぐっすり寝てしまって14時起床。慌ててメールを確認する。エンコーディング問題なし。

15時出社。こまごました作業。17時、ハイアットへ納品のため直接出向き再生状態をチェック。検証時のフォーマットよりも今回新しく試したモノの方が明らかに滑らか。しかしループ時に微妙なノイズ。まだ最適化の余地アリか。いずれにしろ無事に一旦納品を終える。再生テストを行っている最中、「ねぇ、綺麗よ」という声が背中から聞こえ、振り返るとに道行く沢山の人が足を止めて見てくれている。その反応を見て少し安心。20時半帰宅。月曜までに片付けなければならない仕事はまだまだ残っているが今日は無理せず休み明日以降集中出来るように努めることに。

帰宅と同時に微妙な揺れを感じる。地震なのか、疲れからのゆらぎなのか判断できない。たぶん疲れなのだろう。休んだ方が良さそうだ。

works, today 1003/03

なぜかPowerbookG4のAdobe Type Managerが突然馬鹿になった。こんな忙しい時にHelvetica Neueが使えなくなってものすごくイライラする。午後からグランドハイアットのPVの仕上げ作業。仕上げと言っても素材を揃えただけなので集中して作業。DVD検証ディスク制作を頼んでおいた白井君から受け取り先方確認。一応問題ないとのこと。あとは作るだけ。17時、定例。月末ということもあって先週から今週は本当に沢山納品できた。定例後、PVのデザイン作業に戻る。

18時半、トムを連れてバウマンの講演へ。会場に到着し受付で受講料を払おうとしたら、すぐ横にゲアト本人がいて感激。さっそく9年前に買った僕にとってバイブル的なゲアトの本を鞄から出しサインをせがむと、おぉと逆にゲアトから握手されてさらに感激。最近彼が出した作品集と両方に、彼が日本で作ったという印とサインをもらう。とうとうこの本はバイブルを越えて宝物になった。19時すぎ講演開始。じっと話を聞いていて、胸が熱くなった。それは、僕が彼の作品から、きっとこうだろうと洞察していた思考やプロセスが間違っていなかったからだ。そしてゲアトの作品から独自に学び、これまで自分なりに組み立て修錬してきたメソッドが間違っていなかったのだ…という思いが込み上げ、深く感動を覚えた。それにしても彼の仕事は本当に深く、且つ明瞭だ。素晴らしい時間を持つことができた。

ゲアトと一緒に食事はいかがですかという誘いに猛烈に惹かれたが仕事に穴を開けるわけにもいかず後ろ髪を引かれつつ会場を後にする。21時半、帰社。PVのデザイン作業に戻る。集中し明日の朝までには仕上げるつもりだが、撮影、コピーライティングと、大急ぎで素材は用意したが、やはりそれだけで 9,300フレームを作るのは無理がある。贅肉を削ぐと半分ぐらい、もしくはそれ以下が限界だろう。プロットはそのままに作りながら様子を決めることにする。今夜は徹夜だ。

Friday, October 03, 2003

works, today 1002/03

27時すぎ帰宅。就寝28時頃。10時起床。疲れが全然抜けていない。急ぎ某社を訪ね、クリエイティブ部門のトップと懇談。コーポレートブランディングについてケーススタディを少しお話する。12時半、午後のキツいスケジュールに備え、久しぶりに南青山の「Antonio」でランチ。オーセンティックなレシピ。さすがに素晴らしく美味しい。13時半帰社。ハイアットのPVのプロットを決定。金弥に作業指示。その後、15時から19時半頃までSONY案件のデザイン作業に集中。途中軽い眩暈。しばらく休憩。20時頃再開し22時からの打ち合わせに備えFlashで作りまくる。22時、遅れる旨の連絡アリ。クライアント側も混乱の極みの状態にある。おそらくクライアント側の担当も含め、この案件に関わる誰も彼もが投げ出したい衝動と闘っているに違いない。24時、金弥のデザイン進捗確認。少し横に座らせてデザイン作業を見せて学ばせる。25時、M氏と内山さん来社。打ち合わせ開始。ギリギリの状態だが前向きに最善の策を話し合う。互いに笑顔で進めるが精神的にキツい。

Thursday, October 02, 2003

works, today 1001/03

3時頃までKONIKA MINOLTAのサイトが順次公開されていくのを追うが朝も早いので帰宅。9時起床。雲はあるが晴れている。急ぎ準備して撮影へ。10時半撮影開始。太陽がどんどん動く。デイライト下ではフレーミングで悩む時間はない。陽光が注ぐうちに撮り切らねばと少し焦りつつ12時すぎ終了。13時帰社。出産・育児休職していた佐久間さん今日から復帰。相変わらずの明るい笑顔に心が休まる。

心が休まった直後から地獄のスケジュールこなし。3台のPCを全部別々の案件を表示させながらマシンがレンダしたり現像したりしている最中にひょこひょこ椅子を動かしながら5時間ほど同時進行。18時、某社への新規案件のための企画ブレスト。全世界レベルから店頭販促レベルまで俯瞰しながら方向性を詰めていくが、ブランド知識が足りていないため煮詰められない。情報収集を指示する。20時、MdN誌のY口編集長来社。カンファレンスについて暫し懇談し当日は漫談コースに決定。21時デスクに戻り、またもやマルチワーク開始。しかし、だんだん混乱して来てイライラしてきたので、意識を変えるために、ここに日誌を少し書く。

23時、SONYの案件の方向性を揺るがす決定事項の連絡。急ぎ軌道修正案も含めてスタディの必要が出てきた。ますます混乱してきたのでチームで集まって情報交換。整理して行くとどうもまずい。整合性が取れなくなっている。悩む。時計を見ると1時半。うーむ。

Wednesday, October 01, 2003

works, today 0930/03

今日はいちだんと金木犀の香りが強くなった。そういう気候の変化のせいだろうか体調が優れない。昨夜も結局寝たのは4時すぎだった。起きてから連載の執筆にとりかかる。この毎月の作業は、次々に差し込まれる日常業務のために常に後回しになるが、少しづつ進めておかないと本当に時間がなくなってしまって後で必ず「あのときにやっておけばよかつた」と後悔する。だから静かな時間を持てるときは必ずメモを書き進める。

宣伝会議のM編集長から来週のAR+S講座の件で連絡。少し調整をお願いする。突如、東京グランドハイアットから来週までにプロモーションビデオを作って欲しいとの依頼。「ら、らいしゅぅまでぇっ」と思わず声が裏返る。事情を聞き、他の作業の手を止めて、可能な範囲でのプロット組み立てと素材等の段取りを集中して行い、急遽明日撮影させてもらえるように逆依頼。明日も晴れればいいのだが。その後デスクに戻り、SONYのプロトタイプ制作。リビジョン7ぐらいで一旦手を止める。21時、富士フイルムの今後のビジュアル展開の打ち合わせ。こっちも撮影が必要な気配。

22時、会社まで来てくれた内山氏とSONY案件の打ち合わせ。互いの状況確認。先週から組み立ててきたコンセプト表現をすり合わせ方針決定。この案件は、今だかつてないほどのパズルゲーム。たぶん、と、できれば、という曖昧だらけの道を進みつつ、地雷を踏まずに行かねばならない。さらに腹ばいではなく迅速なる前進が求められている。イメージを拡散、アイデアへと集約、コンセプトとの対話、そして実現可能かどうかの判断、実現できても内容が弱いと意味がないかどうか、それらの選択と決断を瞬時に行いながら前進させ続けるのみ。

24時、半年かかったKONICA MINOLTAのサイト、いよいよラウンチだ。この案件はクライアント自体が揺れ動かざるを得ない状況の元、多くの困難があったが予定通り公開にこぎつけた。全世界を同時に動かすのは本当に難しいだけに感動。