Wednesday, December 31, 2008

31 Dec 2008

今年は、本当に色々あったけど、みなさんのおかげで、こうして元気で健康に一年を終われることに感謝の気持ちが湧いてきます。本当にありがとうございました。来年は厳しい状況になりそうですが、前向きにがんばります。どうぞよろしくお願いします。

Tuesday, December 30, 2008

30 Dec 2008

● どうやら隣家の解体工事は機能が仕事納めだったようで、今日は朝早くから始まる騒音もなく、また、お天気も良くてぽかぽかとした陽気で、思わず二度寝しました。すんごい爆睡した感じでスッキリ。つかの間なのかもしれないけれど本来の静けさが戻って本当にうれしい。● 寛平ちゃんも無事に鴨川に到着。毎日サイトを見ながら応援してたけど事故・怪我がなくてよかった。つかこのおっさんホントに頑張るな。説明できないんだけど静かな感動がある。

● さて、僕がブログを再開したのを機に、今はなきaltbaサーバにあった以前のshinzlogをまた読みたいよというご希望を沢山頂きました。自分も読んでみたかったりしますんで、過去のデータを探してみます。

Monday, December 29, 2008

29 Dec 2008

● 今日の隣家。:えええ、いきなりですか。「ずしゃー、ぐぉー、ずがーん」。朝から震度3は確実っていうぐらい揺れに揺れてます。昨日の静けさは単に日曜日で、工事が休みだっただけ、ということに気づかされて落胆。とほほ。ベランダから観察してみる。今日の作業も、巨大蟹バサミでコンクリートの塊りを潰し、鉄骨などとの仕分けのようだ。おや、先っちょをショベルに変えた。おお、ダンプに積んでるよ。あー、なるほど。最後は人が仕訳けるわけね。というかダンプに積むときに埃がすごいよ。今日は「水撒き君」はいないのかよ。午後になると音が変わったのでまた観察。おや、なるほど。まずは建物を一気に潰す。倒した壁や天井の塊を粉々にしながら鉄骨と分けてダンプで運び出す。そうしてまず上モノを無くしてから建物の基礎部分に取り掛かるってことだな。ということは基礎部分は手付かずなわけで、これからそこを掘り返すってコトかよ。鉄骨いっぱい出てるじゃんよ。うわー。この先もっとひどい揺れを起こす工事が待っているわけだ。きついなー。

● ガザへの爆撃がクリスマスに始まったという報道に驚いたが、報復合戦の様相を呈し犠牲者が増えているという。国際社会が仲裁に入る義務があるのは当然だが、相手を許すという心を培うしか解決の道はないようにも思う。心の痛みは心を大きくするしか癒せない。だが肉親を爆弾で吹き飛ばされた経験を持たない自分には、それを言う資格すらないのかもしれない。

今日もインターフェイスの概念をもう一度考えたり、タブーについて考えたりってあたりをTwitterには色々と記録した感じだけど、改めてブログに書き移す必要もない感じだったな。

池田信夫的技巧

池田信夫 blogの「読まれた(らしい)ベストテン」が今日のエントリーにアップされた。「らしい」としたのは「当ブログの記事で今年読まれたものを「はてなブックマーク」で集計してみると、ベスト10は次のようになる。これはアクセスの多い順ではないが、注目度の順とはいえる」としつつ、エントリータイトルは「今年のベスト10(アクセス」とワケわかんない状態なので仕方ない。その順位とその内容は、ぶっちゃけどうでもいいのだが、興味を持ったのはそのタイトリングの妙だ。過去のエントリータイトルを見てみれば一目瞭然。池田信夫氏が立てる各エントリーは、僕のフィードリーダーの中でも際立つ存在感を醸し出す。それは彼のタイトルに因る。そのタイトルに惹きつけられてアクセスし、読んでみると肩透かし、というケースが多いので最近は騙されない(得るものもあるので言いすぎかな)が、内容がどうだと言う以前に、彼のちょっと言い切り型の表題のつけ方が、池田信夫blogのアクセス増加を生んでいるのは間違いない。論文執筆と言うよりも書籍や雑誌への寄稿に関わることで鍛えられた結果だろうか。それをご本人が「自分で読んでも、わかりにくくて大しておもしろくもないのに、なぜアクセスが増えるのか謎だ」と言うのは戴けない(急にそんなバカになってみる必要もないのに、そう吐露するあたりは学者風で微笑ましい感じだけれど)。とにかく「言い切る」は強い。「みたいに思うんだけどなー」という微妙な逃げニュアンスを常に含むことで、事前に敵を作らないポピュリズムがネットの中での作法とされている時代だからこそ、「言い切る」ことが注目されるのだと思う。

Sunday, December 28, 2008

反面教師

反面教師という言葉があるが、僕はそういう反面教師的な存在のおかげで今日があると思っている。ただそれは言葉通りの、常識が定義する「悪い見本」ということではなく、至極自分勝手な定義の上での反面教師である。気を抜くと凌駕され、屈服を余儀なくされそうな存在とでも言えばいいだろうか。若い頃は自分のボスなどの「言い切る」人をそこに位置づけた。また、そういう身近な存在だけではなくメディアの上で「言い切っている」と感じた人を手当たり次第に教師として位置づけたが、それは決して迎合ではなく、どこかで常に反面の部分を消さずに自問自答を繰り返した。独立してからも、僕はなるべく群れないようにして、出来るだけ強力な反面教師となる存在を意図的に探し出し、恣意的に強い意見を突きつけ、その反応を引き出しながら、そこにある思想や信念を反芻しながら自分の思索を固めてきた感がある。表現面というよりも思想面での仮想敵という感じだろうか。会社を経営していた時も、多面的に反面教師を脳内に存在させて前進しようとした。その一方で、自分の部下に対しては、彼らにとっての反面教師たらんと、努めて「言い切る」ように心がけた。そうした存在を自分の内側に置くこと自体は誰にも迷惑をかけないし、意図的に自分に緊張を与えるという面でも効果は高い。もちろん今でもそうした思索方法は続けている。

ところがだ。そういうことを続ける中で気づいたことだが、僕にとって反面教師という存在感を持っていた人が、ある日ふと気づくと、普通のオッサンになっているではないか。正直それに気づいた時には驚いた。それこそ恣意的にまでして意見を引き出したりしながら脳内で陵辱の限りを繰り返した人が、ある日突然にボケ老人のように思えてしまう。これをどう受け取ったらいいのだろうか…。彼の思想の根本を看破したということだろうか。単に陵辱が過ぎて飽きたという面もあるのかもしれない。しかしこれを自分に置き換えると非常に怖い状態であることに気づいて愕然としたわけだ。意識しておかないと、自分では気づかぬうちに手応えの存在しないボケ老人になってしまう。「転石苔を生ぜず」。自分を否定していくのは生易しいことではないが、恐れずに登り続けて行きたいと思う。

28 Dec 2008

いくつかエントリーを書いたし、今日もこれと言って書き残すことない。● ってことで今日の隣家は、おおー今日は騒音がない、という朝が過ごせた。どうやら昨日で工事は終わったらしい。ただこうなると、正月明けのいつから「ずどん、どががー」が始まるのか怖いけど、まずは静かになったのがすごくうれしい。● それから、ウチに来た時に本人が言ってたけど、nobsatoのカツ丼好きがここまでとは思わなかったのでちょっとビビる。生まれたてのチビちゃんも元気そうでなによりです。また一緒に遊びに来てください。ってぐらいかな。気分は完全に休日モード。だけど、いたちょ【謎】がバリのヴィラのプールに浮かんでるのを見ると、やっぱ行けばよかったと後悔。

UPS delivery style


この映像はアメリカのどこにでもある普通の家の玄関の防犯カメラに映ったUPSのデリバリーの模様。ドライバーは箱を玄関に投げ込んで去っていく。投げ込まれたおばちゃんは「なんなのよ」と怒ってるっぽい。これを「ありえねー」で片付けるのは簡単なのだが、UPSは100年の歴史を誇り、今やただの宅配会社ではなく「世界最大のエクスプレス・キャリアー及び貨物配送会社であると同時に、特殊輸送・ロジスティックス・キャピタル・Eコマースのリーディング・カンパニーでもあります。毎日、当社では世界200以上の国と地域において、品物・資金・情報を運んで」いる巨大企業。

僕はこの映像を見ながら、強大なブランド価値がガラガラと崩れていくのを体感する。こういう事が起こるからこそ、ブランドっていうのは「双方向に「利益」を生む状態になって初めてブランド」だと僕は言ってる。これは彼の問題ではなくUPSのブランドマネジメントが引き起こしたと言ってもよい。彼をクビにして彼の上司を処分しても何も解決しない。つまりこの出来事は箱を投げたドライバーにとってUPSというブランドを背負うことが何も彼の利益に繋がっていない証拠だからだ。僕が言う「双方向」というのはまさにそこ。ブランド保持者と利用者という対極での双方向はもとより、ブランドに関わるすべての関係者を巻き込んだ蜘蛛の巣的な双方向を鑑みてこその「ブランド」。つまり経営そのものなわけ。UPSというブランドの総体が「大切にしたい」と思っていることが一方に存在し、それを体現し続けることが「ブランド」の使命なわけだけれど、運ぶという労働に対する直接対価に加えて、UPSを体現する喜びや誇りというインタンジブルアセットを理解できないままの彼に、ブランドを直接的に体現する「ドライバー」という役割を与えた結果がこれ。過去にも同じことが日本の企業で起こったことがある。

僕もこういうことが体感として心底から理解するまでには何十年もかかった。僕はデザイナーだからCIやBIやそのアプリケーション管理などの、表層的なことに捉われた時期もあった。だけど今は「双方向に利益を生む」状態を作り上げることこそブランドに関わる人間が目指すべきゴールであり、そこに至って初めてブランドマネジメントという手法を論じるべき(もちろん走りながらの軌道修正になるんだけれど)だと確信するに至っている。企業文化というものは、それを維持するのも、それを軌道修正するのも、本当に大変で筆舌に尽くしがたいものがある。しかし何よりもそこに働く人たちがまず最初に納得できることが何よりも重要である、という僕の確信には、20万人以上の社員を抱える巨大企業への取り組みも、虎屋のような伝統のブランドに関わっていることも多くの影響を与えているが、自分がbAという会社を経営した経験がその確信に大きな影響を与えたように思う。つまり、どこまでも自分ごとにする、ということだ。

Saturday, December 27, 2008

27 Dec 2008

Twitterには色々残したけど、今日はとりたてて書くことないな。ってことで、今日の隣家(笑)。今日も朝9時から隣家の工事が始まって、いつものように揺れを感じつつ「ばきばきー、ずががーん、ぶぃぶぃーん、どしゃー、ずどどーん」という騒音に耐える。ほぼ終日この擬音の感じの繰り返し。途中途中に「ぎゃきぎゃき、ぎゃぎゃぎゃー」っていう(文字にするとまるで真言密教の咒だな)金属音が鳴り響くのだけはイラっと反応してしまうけど、先週にくらべるとかなり慣れた。だけど今日の工事は随分と時間の使い方が支離滅裂じゃんよと思ってベランダから見下ろしてみると、工事現場にいるのは「水撒き君」と「重機動かし君」の二人だけじゃん。監督いねーのかよ。ていうか君たち年内はいつまで働くのって感じなんだけど…。朝と夕方の、小学校に通学する子供たちのざわめきと、向かいのビオトープに降りてきての自然観察の嬌声以外は、本当に耳が痛くなるほど静かなことがウチの魅力だったのに今はその正反対の日々。この騒音過多の状態になってみて、自分にとって静謐な環境がこれほどまでに重要なんだと改めて気づく。気分としては夜型に戻ってもいいかなというぐらい静けさが欲しい。

Greenpeace: Samurai

どういう経緯でだかわからないけど「Greenpeace: Fudo」を読まれた方なのか、そこから繋がったどなたかと思われる全然知らない人っていうか、一瞬スパムかなと思う感じのメールで「こういうのもあるよ」とお知らせを頂く。スパムかなと思いつつ、後でクッキーを整理する覚悟を固めてメールにあったURLを開けて見てみて、固まったというか血の気が引いたというか…。
ていうか、ありえないって。いやまじで。僕も若い頃はそれなりにワルだったんで、ホンマもん【謎】の彫りの人とか、まぁ今でも知ってるわけだけど、彼らにホントこんなの絶対に教えられない。「こんなことされてるよ」なんて教えたら絶対に湯気立てて怒るわな。誇りを持って描いてるし、モチーフも研究してデッサン重ねてすごく繊細な下絵を「どう?」って自慢げに見せてくれたこともあるし…。さらに言えば「鯨」って、同じ「いれずみ」でも「刺青」の方じゃなくて刑罰として入れられる「入墨」の代名詞なわけで…。まぁ、天下のレオ・バーネットなんだから、そこまで知ってて確信犯的にってことなんだろうけど、やっぱまずいと思う。いやまじで。

Friday, December 26, 2008

26 Dec 2008

● 昨日の朝日新聞の経済コラム「昭和恐慌に学べ 1929年米国発(神谷毅記者)」は、僕も携帯サイトで読んでいたけれど、これを元に田中秀臣氏は「これいい!」と叫び、池田信夫氏は「あきれた記事、救いがたい」と袈裟斬りモード。一見、対立意見のようだけど良く読むと視座と論点が違う。で、これは経済論のフィールドでの話だけど、こういうのっていいなぁと思った。多様な視点からの議論というのは周りを賢くする。僕らのいるコミュニケーション分野で、こういう違う視点から今の情勢や起こっていることを議論する場や雰囲気が無くなっちゃってるのは悲しいことだ。初期の頃のWDMLとかが懐かしいな。

● ワロタ。古いネタなんだけど柏野雄太さんの「食中毒でダウン」 へのコメントが、理解不可能ないいがかり。ていうか、この「とり半」さんがコメント書き込んだことで「とり半 守山市」で検索すると「食中毒」というキーワードを引き寄せちゃうという結果。ここまで完全無欠な自爆は珍しい。

● 今日の隣家:相変わらず朝から時間に正確に作業が進んでた。午前中は。鉄骨入りのコンクリって簡単には潰れないみたいで、コンクリの塊りを例の巨大蟹ハサミジョキジョキしてる。打合せを終えて戻ってくると、おおお、ぐにゃぐにゃになった鉄骨が仕分けられてる。というか今日の埃はいつになくすごい(写真は午前10時頃)。

● 昼から麻布十番にある(株)スタイルのオフィスに打合せに行く。隣のWired Visionのオフィスにごっさんがいたので「ごぶさたー」と挨拶。しかし、麻布十番ってすごく変わったな。2000年のbA創設時はオフィスが芝にあったから麻布十番にはメシも飲みも良く行ってたんだけど、その頃とは大違い。地下鉄が開通してから街も店もどんどん綺麗になってて驚いた。だけど昔の怪しさが消えちゃったのは残念だな。それはさておき、今日の会議は別のビジネスデベロップメントの話なんだけど、ある程度の納得感が得られた。メモは二番目のノート後半あたりに書いた(自分用)。しかし人と話すというのはアタマの整理に繋がるね。色々なことを普段から考えてるわけだけど、「この瞬間」に「この人」に「このお題で」と使うと、アタマが予想していなかった繋がり方を行う。これは秩序と制約の問題なんだと思う。適切な制約。

● 「THE SIX」へのお誘いあり。「THE SIXとは全国の10の美大から選出された優秀作の展覧会。日本の美大生の今をお伝えします」とのこと。会期は明後日28日までで代官山のヒルサイドテラスで開催中とのことなので、近所だし散歩がてらで行けるかもねと返事する。たぶん学生がシコシコ作ったんだと思うけど、このオフィシャルサイトはいただけない。Webデザインに関わってる人は確実にイラっとするので開けないほうがいいと思う(笑)。

Jonathan Barnbrook

このコッテコテのタイポグラフィは、昨日、ロンドンにいるジョナサン・バーンブルックから届いたグリーティングカード。メールには「来年また東京でね」って言ってるけど、グリーティングカードにブッシュの名前を出しながら、こういう言葉を選んでデザインする気持ちに、なんか意味深なものを感じるな。今年の5月といえばイスラエル絡みかと思うんだけど、ジョナサン的に持っている深いところはメールでというよりも会った時に聞いてみたい(国家とか民族とか、そういうデリケートなところが香る場合は僕みたいなヘタ英語でメール会話とかすると取り返しのつかないことになることがあるので、会って目を見て話すのが一番だす)と思う。まぁ、あなたに言われなくてもポジティブに行くわいな(笑)。

今年はエルさんと盛り上がったり色々とお世話になりながらも、僕は例のプロジェクトで手一杯になっちゃって、結局ジョナサンとは一緒に仕事できなかったけど、来年はなんかプロジェクト作ろうね。ジョナサンと一緒に何か作りたい人はどうぞお気軽に連絡ください(笑)。

で、しばらく見てなかったけどジョナサンのオフィシャルサイト、コンテンツが充実したねー。フォントも充実。それを使った作品群もすごい量のケーススタディで超充実。ざっと見ただけでもびっくりしました。正月中に片っ端からじっくり見て勉強します。

The Unfinished Swan


真っ白な中を進んでいくThe Unfinished Swanのデモ画面。XNAで構築されてて来年の春には完成予定。Xbox向けというよりもiPnone向けの感じがするけど美しいね。

柏野雄太氏の言葉

これは経験に基づく単なる個人的なアイディアの表明に過ぎないのだが、コミュニケーションによって新しいものが生まれるとしたら、(1)知的な努力を惜しむことのない、(2)バックグランドが多様な複数の人が、(3)当該問題について過去の成果を十分に知り尽くした挙げ句、(4)それなりに長い時間の努力を繰り返した後で、(5)偶然行き渡ってコミュニケーションを行うということが必要だと思う。ここ、いいですか。条件が5つも掛け合わさるのだから、確率が非常に低くなるのですよ。なにが言いたいかというと、まさに成功しているオープンソースソフトウェアプロジェクトはこの条件を奇跡的にクリアしているのだ。(中略)どんなにUIを工夫しようが、コンテンツの書き方に意匠をこらそうが、動画や音を利用しようが、Webのコミュニケーションによって、次世代を形作る何かがてくるなんて期待するのは難しいと思う。特にショッピングやエンターテイメントを少しでも指向しているネットサービスではほぼ絶対無理だろう。だって、知的に努力するインセンティブがない人たちが集まっても、そこに付加価値が生まれるというのはあり得ないからだ。たいていのコミュニケーションからは何も新しい価値は生まれない。新しい価値が生まれるところにたまたまコミュニケーションがあっただけだ。そのことを間違えてはいけない。

以上、柏野雄太氏のお言葉。「これは妄言である」と言われているが正しい意見だと思う。彼の言うとおりだと思う。これを勘違いしてる人は多いな。

Thursday, December 25, 2008

25 Dec 2008

● 今日の隣家:建物の破壊継続中で今日も朝からウチは揺れてます。鉄骨を含んだコンクリートを巨大な蟹バサミのついた重機でバツバツ切りながら、天井とか壁とかを引き倒していくのが見える。つか埃がすごいんですけど。もっと水撒いて欲しいんですけど。毎日観察してて「へー」って思ったのは時間の管理。まぁ当然なのかもしれないけれど非常に正確。正午12時にぴたっと騒音が止んで13時キッカリにどがががーと始まる。見ると鳶のお兄ちゃんたちがコンビニ弁当食って缶コーヒー飲んでる。休憩も同じで15時キッカリにぴたっと止んで15時半にずごごごーと再開。たぶん現場監督っていう人が号令出したりしながらこういう管理をしてるんだろうけど、あまりの正確さに、音が止む逆時報っぽい感じがする。あーあかんあかん、予想通り、なんか慣らされてきてる感じがする。たぶんもう数日このぶっ壊し作業が続いて、そのあとダンプが来て一気に崩したものを運び出して、年内に更地にするって感じだろうか。

● うわー全然知らなかった。「沈まぬ太陽:不屈の精神で…ついに映画化」だってさ。監督は若松節朗。僕は原作を読んでて真田広之さんをイメージしてたけど映画の主演は渡辺謙。というか原作はもろJALの内部暴露を下敷きにした小説だから(というかバブル前の巨大企業って同じようなもんだと思うけどね)テレビではありえないって思ってた。映画でもまだまだ調整が大変そうだけど、この作品は日本人にしか作れない物語だし、是非とも完成して欲しい。山崎豊子さんは「華麗なる一族」で蘇った感じだな。

● 今日は午前中は昨日の要件の資料整理。午後からはデザイン作業と、その実装のFlash作業。こういうActionScript書いてると眠くなってくるのは、クリエイティブ度の低い作業だからだろうか…。もうすぐ今年も終わるんだなーとか、寛平ちゃんは元気に走ってるかなー(明日は箱根越え)とか思いながら書いてるのってどうよ。

● やたー。「読者が選ぶ「2008年デジタルカメラ人気投票」のコンパクトデジタルカメラ部門でSIGMA DP1が第一位。良かったー。「混戦だったレンズ交換式カメラ部門と異なり、受付開始から本部門でぶっちぎりの強さを見せていたのが、シグマのDP1だった」ってこともうれしいな。いやーホント良かった。発売直後にテクノラティのキーワードランキングで1位になったり、コミュニケーションとして仕込んだものはとても上手く機能したんだけれど、実売数に繋がるかや購入後の反応を見守りながらドキドキしたり。TIPAを受賞したあたりからドイツやアメリカで火がついたりして、海外からすごい反響が来て喜んだり。でもこうして顧客が「買ってよかった」と言ってくださるのが何よりもうれしい。

メディア芸術祭シンポジウム日程

第12回文化庁メディア芸術祭の、受賞者と審査委員による「受賞者シンポジウム」の日程が決まりました。昨年度は僕も壇上に上がって田中さんや勅使河原さんたちと話しましたが、今年度のエンターテインメント部門のシンポジウムは、鍋友【謎】のまっすんにお願いしました。場所は国立新美術館の展示会場。来年の2月14(土曜日)午後3時からです。登壇者は受賞者側から岩井俊雄さんと勇吾さん、審査委員側からは田中秀幸さんと桝山寛さんです。アートとエンターテインメントとビジネスの狭間を深く洞察されながら活動されている方々なので、とても楽しみにしています。

Greenpeace: Fudo

日本の捕鯨を反対する「グリーンピース」のポスター。なんかさー、こういうありえないものを捏造してのヒステリックで一方的な訴求って知性をまったく感じない。そもそも不動明王って慈悲の象徴であって、ここで描かれているようなことありえないし、七福神も含めて、さもこういう文化が日本に存在するような描かれ方って、むちゃくちゃ神経を逆ナデするというか、ぶっちゃけ腹立つというか、まじで許せないというか。ていうか戦争したいってことですかっていうぐらいな感じ…。そういうヒステリックな感情を持ってしまうと彼らの土俵に乗ってしまうし、それは相手の思う壺なわけなので、そこは本来の慈悲の心で受け入れようとは思うんだけど、なーんか心の奥底で黒い怒りのようなものが動いてしまうんだなぁ。それは意識するしないは別にして日本人が持っている神仏に対する信仰心や、そういう拠りどころを心の底で持っているからこそ生まれてくる自律や社会規範のようなものを冒涜されたような気分が湧き上がってくるんだよね。これと同じことをキリストやマリアやモハメッドや孔子なんかでやったらどういうコトになるかっていうのを想像した上でコレを制作したのかどうかわからないけど、制作したのがレオ・バーネットの香港支社だからね。もう確信犯だと思うし。ということでクレジットは以下。Advertising Agency: Leo Burnett Hong Kong | Creative Directors: Connie Lo, Chong Kin, Yiu Man To | Art Directors: Kenny Ip, Jacky Tong | Copywriters: Chong Kin, Jove, Cheung | Illustrator: Thomas Ho | Photographer: Lewis Ho | Photo Retoucher: Bon Leung

Wednesday, December 24, 2008

No name, not exist

イブってことで今日はもう消えるけど、その前にちょっと書いておく。前にもどこかで書いた気がするけど、僕は所属や立場や名前を出さずにあーだこーだ言ってる人の意見とか一切認めないから(キッパリ)。身内だけは知っているような適当なハンドルネームつけて、思ってることをコソコソ言ってる人って、俺らの現場に来たらなんも出来んし(キッパリ)。仲間ウチで「おー、オマエって思考が冴えてるね」と褒めてもらったり、「んまぁ、言わせておけば」とか慰めてもらえばいいじゃん。もっと言えば、それってさーってなんでもかんでも曖昧に済ませつつ、ズバリ言われた感じがしたときは、理屈こねるために慌てて具具って色々調べて付け焼刃でエセ武装ってことだろ。そんな風に自分を守る理屈をいくら組み立てたってクリエイティブには何の役にも立たんし、プロが集まった仕事の場じゃ誰からも相手にしてもらえんよ。

ていうか、ホントに言いたいことがあるなら、いろんな雑誌の編集長とかいっぱい知ってるから紹介してやるよ。そこで毎月3,000字ぐらいの原稿書いて、最低一年ぐらい連載するぐらいのつもりで「意見」ってのは言うもんだ。なんだったらセミナーとか講演会の壇上に上がってみ。自分の仕事を見せながら自分の持つロジックを最低一時間ぐらいびっちりしゃべってみ。ホントに言いたいことがあれば名前も経歴も所属も出して世に問う。んなのあたりまえじゃんよ。つか、その前にちゃんといいもん作れよ。「いやー会社に影響あるし」とか言うなよ。食わせてもらってんだから会社の方針に従うのはあたりまえ。言わないってのも仕事のウチってことぐらい大人なんだからわかれよ。イヤなら独立して自分のメソッドで勝負すりゃいい。「ぶっちゃけ出すとマズいんですよねー」って言うなら一切言うな。「彼女とほっこりしながらクリスマスやってまーす」とかだけにしとけ。そもそも身内同士で言いたいことを言って終わらせてんじゃねーよ。クリエイティブやってんなら隣の奴は身内じゃなくて競争相手だろ。「だなー、悔しいなー、いまに見とけよー」って、気が狂うぐらいに自問自答して、そこで考えたことを自分の血肉にして仕事の質を上げればいいんちゃうの。

って俺は誰に言ってる。まぁ、これを読んでニマニマする人も多いと思うけど、ドキっとした人は足元をしっかり確かめて各自で自問自答してください。メリークリスマス。

24 Dec 2008

● 今日の隣家:うぉー、ずごごごーってショベルカーが入って、いきなり建物をぶっ壊してるよ。つか、どどーんって家が揺れてる。これ震度3ぐらいなんですけど。ていうかウチの地下って写真スタジオなんですけど。揺れると撮影できないんですけど。なんか日に日に工事がダイナミックになっていくぞ。これに慣れろと。徐々にいくからさっさと慣れろと。そういう作戦ですかね。とにかく工事の場所が近すぎるんだよな。ベランダから手を伸ばせば、パイプの上の鳶のお兄ちゃんと握手できちゃう距離だもん。とほほ。● 今日の寛平ちゃん:今日も朝5時半から走ってる。山越えとかしながら一週間で350km。がんばってるなー。そういえば先週19日の天声人語に「陸上競技の世界記録の変遷から米国の海洋生物学者が「人類の限界」を推定した。男子100メートルは9秒48。これから縮む0秒21の評価はさておき二本足の壁を知る。マラソンは2時間0分47秒で、あと3分強の伸びしろだ」とのこと。なんか、もっと行きそうな感じがしてたけど、陸上の人ってこういうところで戦ってるんだね。● 今日、NYCにいる友人が解雇されたとのメール。つか、今日はクリスマスだよね(涙)。先週もSFにいる知人のデザが契約解除されたと言ってた…。こうして家があってメシ食えて、仕事があって、飲んだり笑ったり騒音に文句言ったりしてるって幸せなことなのね。東京に戻っておいで。しばらくウチに居候してもいいよ。

● 今日は朝から来年から始まる新規案件のためのコンセプト作業に没頭。この案件は制作の話じゃなくて「広告として価値を作りつつ、継続的なメディア価値を創造しつつ、そこに必要とされるクリエイティブのモデルも作って、当然、検証出来なきゃいけない」っていうコミュニケーションのビジネスフレーム作りで、破綻が起こらないように多面的に考え尽くさなきゃならない難しいお題。でも、かなりスタディしてきたので自分としてはわりと整理出来てるんじゃないかと、そんな感じで夕刻からの会議に臨む。このお題を成立させるためには「外しちゃいけないところと、自由にやっていいところを明瞭にしつつ、要件によってのフレキシビリティあたりがポイント」っていうことで了承(ほっとした)。さてさて具体化に向けてまだまだやること山積みでっせ。

Tuesday, December 23, 2008

23 Dec 2008

● カテゴリーづけ:このブログの各エントリーにカテゴリーっていうかをラベルを追加してみる。どうもいかんな。ホントにただのクリップになっとる。くだらないエントリーが多すぎだな。

● 昨夜はprojectorの田中耕一郎さんとの飲もかーの会に、途中からBFPの北村健さんも呼んで3人でしこたま飲んだ。飲んだなー。いやー話が尽きないから仕方ないんだけど、かなり飲んだ。現状認識の話から始まって、表現ってなんなんだって話とか、コミュニケーションの構造の話とか、戦略として価値を生む状態への三者三様の取り組み話とか、バズってホントに効いてるのかとか、企業サイトを表層だけで見てるバカって多いよねとか、うぉっていうアテンション作るのって実は大変だねとか、まぁそういうシゴト上での話もすごく刺激的で楽しかったんだけど、砂糖鶏ってアタマいいねとか、ディフェンシブが出来ていてこそのオフェンスとしての花火論とか、犬を飼うのはいいけど最初は大変だぜとか、コリンズのビジョナリーカンパニー論(2のほう)のハリネズミ視点って今なんか腑に落ちるものあるよねとか、バリ島のビーチで聞く小林秀雄ってすげー泣けるぞとか、とかとかとか、そういう支離滅裂な枝葉話もすっごい面白かった。でも、本当に重要だなという話は、川沿いのBARに移動してからの会話で、その内容は、うーん、ここでは書けない。書けないなー。大概のことは僕も書いちゃう方なんだけど、内容が深すぎるし、脈絡を押さえずに書いちゃうと、とんでもない誤解が生まれるだろうなとも思うし、その脈絡を形式知に置き換えるのは至難なことなので、やっぱり書けない。聞きたいひとは飲みに誘ってください【謎】。ま、とにかくものすごく濃かった。何歩もの先を真剣に考えている人との時間はそう持てるわけじゃないし、こんな手応え久しぶり。

● 今日の隣家:えええ、今日も工事するんですか。勘弁してくださいよ。せめてそのアルミパイプを投げんなって。普通に運べって。かんからかーん!って耳障りなんだよ。と今日も我慢。● おー、内藤勝ったよ。4度目の防衛。オッサンがんばるなー。● さすがに冬至。日が短いな。でも、四季がある国に生まれて良かったなと思う。● 岡本太郎の「太陽の塔」に長谷川章さんがアートしてるのが記事になってる。長谷川さんは、色々な場所を曼荼羅化させちゃう人。話すとホントおもしろい人で、何か一緒にやりたいなと思ってます。また東京に来たときは、美味しい地酒飲ませてくださいね。● ややや!火の用心。チビたちが「ひのよーじん、カツカツ」って回ってくれてる。もう夜10時だというのに偉いなぁ。僕も子供の頃にボーイスカウトで回ったことあるけど、寒いんだよね。なんかハロウィンみたいにお菓子とかあげたくなる。

Atom Bomb Bed

Paul Fryerによる原爆型ベッドルーム。これは広島じゃなくて長崎に落とされたプルトニウム式の原爆「ファットマン」のカタチをしてる。たぶん広島に落とされたウラン式の「リトルボーイ」より「ファットマン」のほうが、いかにも原子爆弾という姿をしてるってことなんだろうな。これをアートとして捉える前に、日本人としての記憶なのか自分にも無意識に拒絶反応が起こる。だから、カタチが…みたいな連想に逃げたくなる。つか、これビンラディンと、キム・ジョンイルと、ブッシュにプレゼントしたいね。兵器だけじゃなくて原発とか、また各国首脳とかテロリストとか、とにかく核を扱う立場に立つ人は、それに就任する前に広島の平和記念資料館長崎原爆資料館を訪問するとか、丸木位里の絵とかを見ることっていう法律作りたい。The Atom Bomb Bed - Rehabilitation by arist Paul Fryer.

鈴木敏文氏の言葉

顧客満足度が重視される今の時代には、「顧客のために」という意識こそが求められていると思われがちだが、これには「本当のようなウソ」がある。(中略)私たちが「顧客のために」と考える時にはたいてい、自分の経験をもとに「お客とはこういうものだ」、「こうあるべきだ」という決めつけをしています。(中略)「顧客のために」ではなく 「顧客の立場で」考えることです。「顧客のために」は自分の経験が前提になるのに対して「顧客の立場で」考える時は、自分の経験をいったん否定しなければなりません。

以上、鈴木敏文氏のお言葉。正しいです。否定出来るぐらいにリアリティのある経験を積むことが先ですけどね。まぁ、ペルソナとか、カスタマーインサイトとか、色々なところで色々な人が色々な方法論を語ってるわけですけど、まず「顧客はだれ?」というシンプルな質問に明瞭に答えられる人が少ない。答えられても、それを答えている人がリアリティを持っているかというと、そうじゃなくて分析値の鵜呑み棒読みだったりする。そういう人に「顧客は作るもんなんですよ」って言うとキョトンとされたりするんだよね。

Monday, December 22, 2008

22 Dec 2008

● 神が降りると後が楽。:いや神が降りたと言っても、それを軸に具体案を次々に考えなきゃならないので全然楽じゃないんだけど「最初に詰め込むだけ詰め込んで、考えまくりながら悩むだけ悩んで、さー煮るなり焼くなりどうにでもしやがれっていうぐらいになって、もうどーでもいいやっていう遊びの時間を持つ」のを経て、いつも通りに「すぽーん」とアタマが整理されちゃうと、そのあと考える拡張は、いちいち意識しなくても全部筋が通ったものが出てくる。っていう意味で後が楽。結局むずかしいのは集中して詰め込んだものを全部咀嚼出来るかどうか。

● 今日の隣家:あーウザい。朝からホントにうるさい。っていうか距離が近すぎ。10mも離れていないところでどんがらがっしゃん。騒音だけじゃなくて埃も舞うし、工事終わるまで俺もどこかに引越したいし、その費用を隣家の親父に持ってもらいたい。ったくこれがずっと続くのかと思うとイヤになる。

● 今日の寛平ちゃん:今朝も朝から寛平ちゃんは走ってる。毎日フルマラソンの距離を淡々と走ってる。この姿を毎日見ていると不思議な感動がある。いつ見ても彼は走り続けている。段取りはあるだろう。でも「やらせ」や「強制」はない。彼が自分で目標を決め、自分で走ってる。身勝手な「企画」が入り込む隙は存在しない。そして彼は明るい!自分らしく明るく走ってる。この明るさが素晴らしい。事故・怪我のないことを祈る。

21 Dec 2008

● サンデープロジェクトで:上げ潮派の親分・中川秀直前幹事長が党離脱を前提に選挙やったるでと言い放った直後に与謝野馨国務大臣が登場し消費税の増税時期について話すのを見る。与謝野氏曰く「日銀は自分たちがこんな事までやっていいのかというところまでやると言っている。清廉な日銀が野武士になろうとしてる」と。なに言ってんのって感じ。そういう特権官僚意識があるからこんなに後手後手なんじゃんよ。バーナンキとの覚悟の違いがハッキリ出た感じ。 ● 日銀のサイトを見て、なんじゃこりゃ。リニューアル直後らしいけど全体の情報設計がないからグローバルナビゲーションすら存在しない。ってことで各国のを見る。FRBは普通。中国人民銀行イングランド銀行も、まぁ普通。積極的なコミュニケーションを行うIMFはさすがに良く出来てる。果たすべき役割はそれぞれあるだろうけれど、その認識の中にコミュニケーションの必要性がいかに違うかがまともに反映されているわけだ。日本政府が内需拡大で公共事業って言うなら、行政すべてのシステム投資とコミュニケーション投資も公共事業に入れるべきちゃうの。あと、どーでもいいけど、日銀って上空から見ると「円」という字のカタチをしてる。● 一昨日のライカの件について補足というか追記:アンドレアス・カウフマンは、実家の事業を売却し、その資金で投資家となって富を築いた人。その富でエルメスからライカの株式を全部買い取って筆頭株主に。このところのライカの新製品開発はカウフマンの後ろ盾があるからこそ可能になった。ただ国内外を問わず与信枠の低い小売店は資金繰りが厳しく、ライカのディーラーも同様の状態。どうしても売れ筋中心になる流れの中で、ライカのような高額商品の仕入れは影響が最も大きい。だからカウフマンは顧客の声が流通を動かすことも期待してメッセージの中で「お店で意見を聞かせて欲しい」と言っている気もする。

Sunday, December 21, 2008

Brightcove.TV is off the Air

ブライトコーブTVの動画が突然に全部見れなくなった。おかげで、あの、もう死ぬかというような怖い「El camino del Rey」エントリーも画面真っ白になってて見れません(YouTubeで同じものを見つけたので貼り直しました)。で「なんで?」と思って閉鎖に関するFAQを読んで見る。要約すると「ここはいらなくなったので閉鎖します。閉鎖は17日です。再開はないし、もう二度と見れません。投稿した人は元々コンテンツ持ってるんだから別に困らんでしょ。ダウンロードとかもうないから。とにかく「タダ」で使わせてあげるのは12月17日で全部終わりだからウダウダいうな」とのこと(意訳しすぎかもしんないけど、こういうムードだと思う)。この事態を一方から言えば「ユーザーを裏切んなよ」なんだけど、そもそもブライトコーブは「メディア事業者や企業がインターネット上で動画コンテンツを配信するための動画配信プラットフォーム技術を提供」する会社だから、そっちから言うと「だよね。わかるよ。利益出さなきゃね」となる。これもレバレッジ金融工学で金が余ってたときには「将来性」とか「獲得利用者数」っていう担保で確保出来ていた資金調達が、泡が弾けて含み資産が無くなって「ふーん、利益出せないのね」でばっさり。利益が見込める事業に集中。という今の流れのあるがままの事態。僕はこれって別に悪いことじゃないと思うんだよな。ニワンゴとかどうなんだろうね。それこそ90年代からネット上での無数の夢物語とその霧散を見てきた僕としては、金融危機とか関係なく「投資したらゲインを求める。無駄なモノは排除。ダメなら撤収」という当然のことなんじゃないだろうか。

20 Dec 2008

結局メモが多すぎってことで、これまでの「Twitterまとめメモ」を改め、デイリーに移行するべ。ダラダラと書くスタイルは継続かな。あいかわらず僕の連想は分裂病っぽく飛びまくるし、その都度色々考える。連想まで記録できないけど、見聞きしたのをそのまま記録って感じが今の自分にとっては一番いいのかも。

● 寝る前に見てたディスカバリーチャンネルの「殺人犯の心理学 カルト教祖」でのオウム真理教のドキュメントは、日本人として重かった…。僕は信仰は必要だと思う。でも宗教を暈にした暴走を許してしまうのは自分たちの社会責任だなとしみじみ思う。● 隣家の工事:今日も朝からどんがらがっしゃん、うるさいよ。土日はガタガタしないって言ってたじゃんよ。って見に行ったら庭の樹木は無残に切り倒され(なんか痛みを感じる)、家の中もベリベリベリって状態。隣家の人はどこかに引っ越しちゃって新しくなるのを「まだかなー」みたいな期待で幸せかもしんないけど、隣のおいらは、そういう期待とかまったく無い上に、いきなり景観変わって、その上、日照権まで侵害されるんじゃないかっていう不安を抱えているところに、毎日どんがらがっしゃんが続く。コレどう受け止めればいいんすかね。この落差。楽しい隣家とサゲまくりの俺。まぁおいらも大人になったので我慢っていうか仕方ないっていうか、昔みたいに「ざけんな」で暴れちゃったりはしないけど、もうちょと気遣いっていうか土日は静かにするとかエクスキューズってのがあってもいいんじゃないの、みたいな。● 対ドルでの円高傾向は変わらないけどユーロが少し戻してて良かったー。ていうかこういうのを糠喜びって言うのか。● 今日は虎屋から「柚子羹」が届く日。年に一回。毎年の楽しみ。これに替るものなし。ホントに美味しいんだよ!● うぉ、うおおおお。でも、コレちょとイイかも【謎】。● この「Play 99 Bricks」面白いなー。物理シュミレーションつき。一個間違うと収拾がつかなくなる。● TBSの社長会見記録を読んでいて:いま広告を軸にした放送事業ってシンドイけど、コンテンツが作れるという強みは相当なものだな、と改めて実感。

● んで経済の話。とにかく色々大変なんだけれどアジアがどうなっているか。中国は輸出が堅調だったが、アメリカ向けの製造が文字通りぴたーと止まったことでこの数ヶ月で数千の会社が一気に倒産。出稼ぎ労働者は故郷に戻り沿岸部の都市はスラム+ゴーストタウン化が加速中という悲惨な実体あり。バルチック指数が示すとおりモノが動いていない。内需として実体を伴った成長モデルも北京オリンピックで急停止。中国国内には確かにすごい数の人口がいるし温家宝さんもそこだと言ってるケド、切込隊長が解説してるとおりで(東北あわせたぐらいの商業圏レベルの経済圏に13億人いて、そのうち4億人が公務員って壮絶)可能性はあるけど時間がかかる。いわずもがな台湾も背筋が寒くなるような状態。さらに韓国もウォン下げまくりの上にアメリカ向け輸出で伸びてた系は全滅。今週矢継ぎ早に多くの経済対策を打ち出したけれど韓国も内需は飽和状態で先行き真っ暗。そういうアジアの状況理解を胸にしながら昨日のプレゼン時にクライアントの社長と話したところ、「確かにアジアもひどい。けれど世界でいま一番ひどい状態にあるのはアメリカだ」と断言される。そのあとアメリカがいかにひどい状態かを簡略に解説してくださって認識を改める。日々ビビッドに数字を見ておられる社長の言葉だから重い。

Saturday, December 20, 2008

書けない漢字:羹

今日は冬至。冬至と言えば柚子湯などが風物ですが、僕には「柚子羹」の日です。数が限られたお菓子なので、毎年、虎屋さんに事前に注文して、自宅に届けてもらったり、お世話になった方々にも送ったりしてるわけですが、今日、その「柚子羹」の「羹」の字が「うげげ、えっと、どう書くんだっけなー」と、ど忘れして書けませんでした。おかしいなぁ、全然迷わずに書けてたのに書けないなんて…ちょっとショック。脳細胞が逝き始めてるってことかな…。でもとにかくこの「柚子羹」はオススメですので、ぜひ食べてみてください。って来年まで待たなきゃ食べれませんけど。

Twitter : Dec 2008 : 03

やっぱデイリーにしたほうがいいかも…。

■12月18日
● 鍋会:今回のモツ鍋も美味しかった。詳しくはあっちのブログ【謎】に記録予定。前半なんか熱く語り合ってしまったな。後半はのんびりして26時解散。● 今日の寛平ちゃん:朝7時から走ってる。故障や怪我のないことを祈る。● 隣家の工事が始まった。:朝からどんがらがっしゃん、うるさいよ。● クライスラーお手上げ:12月19日から30ある工場すべての操業を1カ月間完全停止。前代未聞。さらにサーベラスが動いてGMとクライスラーを合併させようと画策。でも、とにかく人員削減と賃金下げないと。● 今日のあらー。:あらー、Web業界で知らぬ者なしのあの有名某社が、ありえない問題起こして某代理店の出入り禁止勧告寸前。系列の某社の過去の同罪も発覚しダブルで出禁ほぼ確定。子供が偉そうにビジネスして陥る典型例やな…。● 誰か知らないけど外資系広告代理店のクリエイティブディレクターが言う「本質価値と付加価値についての覚え書き」を読んで。:価値の話としてるけど、ここで書かれていることはマーケティングの最適化におけるコミュニケーションの話なので、本質も付加も含めて価値の話とは違うと思われ(エントリータイトルに違和感あり)。さらに彼が言う「ブランドとは本質価値の積み重ねの総体」というのは一見正論のように思えて、実はそれは本当の「ブランド」じゃない。その総体が双方向に「利益」を生む状態になって初めて「ブランド」。このあたりの整理が出来ていないヒト多杉。っていうか、この人は馬鹿じゃないのはわかる。わかるけど、ちゃんと名前出してから言いたいこと言えよなって思う。● 明日のプレゼンに向けてアタマをもう一回整理。今はそこに集中すべし。

■12月19日
これ痛い。痛すぎ。泣いてる。つか泣くよね。彼にフルフェイスのヘルメットを送ってあげたい。● Leica Camera AG のアンドレアス・カウフマンから「Friends of Leica Camera AG」っていうメール来た:色々言ってるけど「お願いだから直営店でライカのカメラをクリスマスプレゼントに選んで欲しい」ってこと。厳しいんやろなー。● デジタルサイネージの件:頓挫の可能性高しとの連絡あり。まぁこの時期に設備投資も含めた話に乗れない相手側の事情もわかる。でもさー、今のままでホントにいいの?● 今日のプレゼン:思い切った下方修正を覚悟して望む。● 今日のプレゼン結果:見直すこと、継続すべきこと、新たな取り組み、そのロードマップと、考えに考えて出した提言のすべてが了承。一部ではなく、すべて受け入れてもらえたことがうれしい。でも、ちょっと疲れた。● プレゼン終了直後にうげげ:日銀が金利引き下げに踏み切った。残す手はアレだけじゃん。ていうか、そこまで冷えてるんだ。でもこれで資金調達が円滑に進む流れが出来るといいな。● おおお、ブッシュさん、BIG3に1兆5000億円の緊急融資発表。働く人たちを守ろうとしたっつー実績づくりかな。だけど、そもそも売れない車しか作れない会社なんだから、焼け石に水っていうか…。でも株価には反応あるだろうな…。● つーか、NBCとかCNNとかこのニュースぎゃんぎゃん流してるのに、なんで日本のテレビって無反応なの?テロップ流すぐらいのコトだと思うんのは俺だけ? ● おー、速攻でNYCのダウ上がってるよ。つか、今日は疲れた。もう寝るべ。

Friday, December 19, 2008

Hotel Black Tulip: Floor Map

あはは。あははははは。いやー、すんごいフロアマップです。んで、そこが「YOU ARE HERE」ですか。んでそこが404号室ですか。あははは。これは「ヨーロッパで最もエキサイティングなゲイ専用ホテル:Black Tulip」のポスター。アムステルダムのホテルみたいですけど名前からして意味深ですな。僕はゲイじゃなくてストレートなので笑ってますけど、まぁそちら系の方はぜひどうぞ。っていうか、どうでもいいエントリーを書いてる気がするけど、まぁいいか。Black Tulip Hotel - Geldersekade 16 - 1012 BH - Amsterdam - The Netherlands : Phone: +31(0)20 427 09 33 : Fax +31(0)20 6244281 : info@blacktulip.nl

AISASってどうよ

景気の流れが変わったところでの諸々を再検証っていうお題が最近の飲み会で話題になること多し。先週からで面白かったのは「AISASってどうよ」ってお題。で、AISASはホリスティックにと言いつつ、結局のところコミュニケーションコスト高なモデルのままだから主軸に据え続けるのは不可能。ってことで却下【謎】という結論に至った。その結論に至る間に僕自身、かなり色々な整理がついた。以下は意見交換メモ。複数の会を横断してるためにAISASからかなり別の話になったりしてるが、何を軸に議論してたかは読むヒトが読めばわかるはず。

価値=利益率というところを設計の主軸から外さない。価格におけるバリューバランス(ソフトバリューの低下が著しい)と、シェア概念の再検証が必要。同時に消費者を常に中心に据え続ける。つまり投げかける側からの発想はすべて凍結し廃棄すべき。重要なのは結局のところブランド知識供与と、その中心側(生活者側)から見たコンテキスト。ブランド知識の蓄積があればAISASモデルの半分以下のコストでマネジメント可能。つまりアテンションに巨費をかけずとも検索し納得してもらえるモデルに移行できる。納得は購入動機に直結。しかし、そもそもバリュープロポジションが弱い製品多し=花火型にならざるを得ないという言い訳多し。投資家価値と数年単位での社長交代に代表される短期経営が、ブランド知識の蓄積を果たす目的での継続性にブレーキとなる日本企業も多し。それはさておき、もちろん探索時におけるエンタメ要素が重要だが衝動買いを煽っても結果が出ない現状。価格そのものを購入者がブランド知識と照らし合わせる深度の問題、などなどなど。

しかし、そういう企業の「お金の使い方」の抜本的な見直しは、実は誰もやってない。それをbAでWebを軸に最適化を図ったが経営戦略面の力不足で出来なかった。でも結局AKQAやネイキッドは今そこを突いて結果を出してる。8年前にファロンがBMWでやったのは、そもそもそういうことなんだってことを日本の広告業界は理解しないまま今日に至る。そこでこの金融危機。日本の輸出型産業は今後、生産・販売だけでなく決算まで海外現地に移行の流れ。それはおそらく加速し、現地法人におけるマーケティングの最適化とコミュニケーション戦略実施が急務に。しかし日本の代理店はそれへの実質的準備は皆無のため現地での戦略が立たない。ブランド知識の浸透度も計れず、コンテキストの設計もメディア依存。日本企業の海外での広告などコミュニケーションを日本の現地代理店が手掛けられない理由はそこにある。経営に直結する戦略面で信頼欠如、などなどなど。いやー、まだまだ考えるべきこと満載だけど、かなり整理ついた。

Thursday, December 18, 2008

Happy Christmas by AKQA

AKQAからのシーズンズ・グリーティングス。AKQA has put an inventive twist on the well-known festive tune 'Jingle Bells' with the aid of 49 microwaves. In a meticulously crafted piece, the digital agency programmed a stack of the kitchen appliances to play the jingle. Directed by Jonty Toosey and produced by Bikini and AKQA.Film, the piece took almost a week of planning and a whole day to capture. ってことで電子レンジを楽器にしてメリークリスマス。いやー彼らはホントにクリエイティブです。

読めない漢字:胡乱

今日も読めない漢字に出会った。「胡乱」です。読んでいた小説の中で「胡乱な輩の気配は、尾羽打ち枯らした浪人者であった」とあり、これを「うろん」と読めませんでした。なんか自分の馬鹿さ加減を告白してるっぽいなー。書けないことは多くても読みはかなりイケてると思ってたけど、やっぱ、そのたびにちゃんと勉強しないと駄目だなと実感。ちなみに胡乱とは、怪しく疑わしいこと。不確実なこと。乱雑であること。「胡乱げ」という使い方もあるらしい。文脈からは、個々の文字から意味が全然薫ってくれないので語源を語源由来辞典で調べてみると、「室町時代に禅宗を通して日本に入った言葉で、「胡(う)」「乱(ろん)」ともに唐音である。モンゴル高原で活躍した遊牧騎馬民族「匈奴(きょうど)」を「胡(えびす)」と言い、胡が中国を攻撃したとき住民が慌てふためき乱れたという故事から、「胡乱」にという語が生じたといわれる。また、「胡」の一字で「不審」の意味があり、秩序がない意味の「乱」をつけて、胡乱になったとする説もある」とのこと。今日まで全然知りませんでした(しくしく)。

Wednesday, December 17, 2008

Twitter : Dec 2008 : 02

なんかデイリーにするってほどでもないと思ってたけど、いざ拾ってみると結構メモ多いなー。もうちょっと様子見てからデイリーにするかどうか決めよう。ってことで一週間経ってないけど先週からの僕の様子。

■12月13日:
● 相変わらず切込隊長の冴えた言葉遣い。:「諸般ご調整のうえ、右見て左見て手ごろなところで決着しましょうというジャパニーズ視点からすると驚愕の救済法案決裂」。言いえて妙。的確でインテリジェンスを感じる。 ● DiscoveryのATLASでの日本特集:斬新な視点を期待したが、やっぱり京都の舞妓から入る。形骸化した日本のイメージの踏襲。誤解を恐れず言えば置屋は今や文化の継承だが実体は処女の競売。 ● 今日のおおお。:おおお、韓国で開催されたグランプリファイナルで浅田真央が逆転優勝。地元の声援を一身に受けたキム・ヨナは具合が悪かったらしく涙。でもライバルがいるって幸せだよね。孤独でも切磋琢磨する人を職人と呼ぶけど最後は練習量なんちゃうの?って誰に言ってる。今や真央もレディだけど3年前の観客席スカスカのジュニア大会の頃は少女丸出し。女性は3年でこうも変わるのね。しかし彼女はまぎれもない天才だ。

■12月14日:
ローリーとの会話で:「ごぶさたー!」に「おー、百万年ぶりー」ってリスポンス。俺ら妖怪かよ(笑)。パリダカの後遺症が癒えてないらしい。お大事に。 ● 皇居前のパレスホテルが建替えのため来年2月1日に休館。47年の歴史が消える。ちょっと残念な感じ。 ● 芦屋の蕎麦屋の「土山人」の東京店って、え、あそこなの!ちゅーかウチの裏じゃんよ。全然知らんかった…。 ● 今日のすげー。:すげー。サカモトキョーコの粘土すげー。800体以上あるけどどれもカワイイ。っていうかブログのNENDOはもっとすげー。絵も粘土も両方好き。見てるだけでほんわかする。● 篤姫終了。お近の語りで「志は引き継がれる」という締め。確かに千賀は小松帯刀の横で主要人物すべてを見ていたことになるな。しかし今回の大河ドラマは本物の俳優の力量を見せつけられる感じが多かった。特に島津忠剛の永塚京三、井伊直弼の中村梅雀、菊本の佐々木すみ江あたりがすごかったな。来年は直江兼続を描くらしい。直江兼続と言えば僕は藤沢周平の「密謀」だなぁ。

■12月15日:
● 池田信夫の「これはヘーゲル=マルクスの思想と似ている。私人のエゴイズムを国家がアウフヘーベンして、即かつ対自的な個体を実現するというヘーゲル法哲学をマルクスは「転倒」して、国家を「自由な個人の連合」で置き換えた」ってのを読んで。:全然ワカンネー。前提知識足リマセン。オ手上ゲデス。読ンダノハコノ文章。●今日のありえねー:ナスダックの元会長バーナード・マードフのファンド、4兆5500億円もの資金を集めて詐欺と判明。ありえねー。日銀総裁が詐欺やってるようなもんだ。誰だって信用するわな。● パレスホテルの建替えが皇居が覗けちゃう問題に発展。猪瀬直樹著「ミカドの肖像」の東京海上ヘリ検証の逸話が面白い。宮内庁の意向無視して強引に進めると黒宣伝車が来ちゃうの必至。おいらはパリのように法律で守るべし、と思うが日本では東京都と千代田区の利害が一致しない。● 年末っぽいことになってきたぞ:いよいよ明日から、某氏たちと忘年会、月例の鍋会、打合せを兼ねた食事会、旧友と飲み会、某会の懇親会、若手の会へのお招き、写真家との食事…。続くなー。きついなー。

■12月16日:
● うわー、Halldisからフィレンツェのアパート借りませんかメールが来た。それもドゥオーモのすぐそばなのにすげー安い。円高だしなー。行きたいなー。撮影で行っちゃおうかなー。● キノトロープがリニューアルを手掛けて失敗し巨額損失を出したって聞いてたけど、ヨドバシのサイトはホントに使いにくくなった。検索とかすごい馬鹿。思っている商品が全然出てこない。技術の前に情報設計が雑すぎ。システムトラブルは想定外でしたという言い訳が出来るけど、情報設計は想定が仕事だし。● NIGOくん、とうとう婚姻届出したのね。おめでとうございます。● 今日のありえねー。:「ハンコ・元号・縦書きをやめよう」ってありえない。利便性で歴史と文化を簡単に捨てるなんて僕には出来ない。● ログ見たら、例の「LOVE DISTANCEの続き」と、かなり前に書いた「MEDIAS:NEC」がえらい勢いで読まれてる模様。● お、Big Spaceshipに「HBO Voyeur」がアーカイヴされてた。● それとGREEN EARTHのデザインコンペの結果が発表。デザインブームに一覧で出た。● こ、これは!:ウォーリー弁当

■12月17日:
● 昨夜はWIREDの竹田っちと宣伝会議の松井さんと飲んだ。松井さんは世界と日本の広告を多分一番見てる人。さらに日本の企業のほとんどの宣伝部長を知ってる人。酔った勢いでかなりのぶっちゃけ。でも色々腑に落ちた。「日本だけ何がクリエイティブか」の定義が違ってきたという見解には超納得(詳細を書くと相当長くなるので割愛)。知見のある人との時間は楽しい。あと2011年ですね。了解です【謎】。● 今日のうわー:うわー、FRBがゼロ金利表明。すでにデフレ対応という段階。物価安定や雇用悪化を防ぐためには何でもやる覚悟表明。詳しくはロイターの記事で。● 予想通り一気に円高。対ドル88円台、ユーロも124円台まで高騰。天野くんから「デレバレッジ」がガンガン進行中とのこと。● スズキに続いてスバルもWRC撤退を表明。日本はレース自体のブランディンが出来ていない。レースはモータースポーツじゃなくて暴走族っぽい連想が根強くある。● 寛平ちゃん大阪を出発。アースマラソンのサイトで経過が見れる。やっぱりLOVE DISTANCEとは違う罠。● バーリンホウ:中国経済の停滞予測が出たが、その中での新たなマーケティングターゲット説:1980年代に生まれた世代「80后(バーリンホウ)」。一人っ子政策の下に誕生した彼らの多くは中国経済成長の恩恵を受け中国市場の中でもとりわけ消費意欲が強い層。● さて今夜は、かれこれ2年以上も続いてる月例の鍋会。今日のメニューは絶品モツ鍋だー。

Tuesday, December 16, 2008

Paper-Cut Typography

ロンドンのg2の表紙を飾ったYulia Brodskayaの、紙で作られたタイポグラフィ作品がアチコチで話題になってる。こういう面倒くさくて手間がかかるのに、丁寧に仕上げようと努力された仕事に触れるとハッとするな。手間隙かけたものが立ち上がってくる。このシリーズ以外にもユリアのサイトでは他にも色々見れるけど紙を使ったシリーズはどれも美しい。

Sunday, December 14, 2008

白洲正子の言葉

白洲正子の言葉というか、小林秀雄と青山二郎の言葉というか…。いずれにしろ、すさまじいという形容詞が相応しいが、正しい指摘がある。素直に受け取って、理屈こねずに自分の仕事に没頭したい。

小林さんも青山さんも、ずぶの素人が見ても面白いとわかるものしか認めなかった。逆にいえば、説明つきで感心させるものなんて、死んだ芸だと思っていた

何事につけジィちゃんは「意味深長」という言葉を嫌っていた。精神は尊重したが、「精神的」なものは認めなかった。意味も、精神も、すべて形に現れる、現れなければ、そんなものは空の言葉にすぎないと信じていたからだ。これを徹底して考えてみることはむつかしい。生きることはもっとむつかしい。金持ちになった日本人は、これからは精神の時代だ、などと呑気なことをいっているが、相も変わらず夢二の夢から一歩も出ていはしない。そのようなメタフィジックな物言いは、ごまかすのにはまことに都合のいい言葉で、お茶は「わび」の精神の蔭にかくれ、お能は「幽玄」の袖に姿をくらまし、お花の先生は、蜂みたいに花の「心」の中で甘い汁を吸う。形が衰弱したからそういうところに逃げるので、逃げていることさえ気がつかないのだから始末が悪い。

Saturday, December 13, 2008

Twitter : Dec 2008 : 01

Twitter使ってるとブログに日記的なエントリーの必要はなくなるし、かと言ってバッジ使ってブログに表示させても意味ないし、Facebookに全部インポートしちゃえば一覧出来るし便利なんだけど、僕の場合は連想が分裂病的に飛びまくるので、何してて思ったかとか、何見てたかとか、リンクとか、そういう点をどこかに記録しておかないと、後でホントにわかんなくなる。なのでTwitterでメモった履歴を、ウィークリー単位ぐらいで振り返って適当に一覧にしておこうかなと。ま、続くかどうかわかんないけど。で、今週の仕事はデザインよりもコンセプトや企画の方にアタマ使った。あと同時に色々な人と話す中で、景気がどの程度悪化するかの想定値をもっと下方修正すべきという結論が出た。バブル以上の不景気くるどー。

■12月5日: ● 某氏と話してて思い出した。: 文化庁の審査会で功労賞の話になったときWeb業界にはそんな人いないよって言ったら、ゲーム業界の重鎮たちが「Web業界って何年目ぐらい?」って聞かれて「10分15分」って言ったらウケた。ま、そんなもんさ。

■12月6日: ● 俺にはこのデザイン出来ないわぁ。: Twitterのバナークリックして表示された「IKKOSTYLE」見て、どっぴゅーん。目が覚めた。すんげー光ってる。キラキラってこういうことですね。ところでIKKOさん、追分の別荘【謎】には行ってますか?あの場所は軽井沢でも最高だと思います。 ● 久しぶりにK-1見る。: バダハリ強ぇー!あのジャブもすげー。うわー、バダハリ反則負け。魔裟斗が「一年出場停止ですよ」とか言うな。角田が言うならわかるけどオマエが言うな。っていうか、おいらバダハリが好きになった。 ● 久しぶりにK-1見直す。: YouTubeですごい総集編みつけた。K-1のノックアウト見ると、やっぱすげーって思うな。 ● ふと高山を思い出す。: これぞ記憶に残る伝説の一戦。壮絶などつきあい。

■12月7日: ●日曜日のほげほげ:1:ぼさっーとテレビ見る。:サンデープロジェクトの広告。パチンコ台の広告。カツラの広告。んで建築素材。税理士の全国会…。この帯に流れる広告ってすっごい独特。首都高のETC啓蒙2種、ロッテのガム2種、べったべたのコジマ電気…。すげーばらばら。●日曜日のほげほげ:2:和田アキ子って、なんでこんなに偉そうなん?まぁへこへこしてるのはバカ系のタレントばっかりだけど、それ見せられてもなぁ…。こんなくだらない番組の提供に媒体費使ってる企業って何を考えてるのか全然わからんなぁ…。●日曜日のほげほげ:3:テレビに飽きて:IMDb のケイト・ブランシェットのトリビアを読んでたら「Was considered for the role of Jane Smith in Mr. & Mrs. Smith (2005).」ってあった。うわー。ジェーン役が彼女だったら…って想像するだけでも楽しい。おおお、「インサイドマン」の続編の製作が2010年公開予定で決定らすい。監督は引き続きスパイク・リー。主役もクライヴ・オーウェン。デンゼル・ワシントンも再登場。一作目で見事にやられちゃったところをやり返すのかな。

■12月8日: ●神が降りるまでがしんどい。:先々週からずっと考えに考えてきたことが、昨日一日ぼさーっとテレビ見たりしながらのホゲホゲのおかげで、さっき、すぱーんっとアタマがまとまった。やっぱ徹底した詰め込みさえ出来れば、そのあと絶対に出るんだよねー。●帰宅途中、なにげに隣家の表札を見るとぉー!:うげっ、公園側の隣の家が解体工事に入るって張り紙。先週から引越しっぽい動きだったから嫌な予感してたけど。だけどやだなー。埃と騒音。さらに隣はかなり広いから景観は確実に変わるだろうし…。●帰宅後いろいろチェック:1:某経済学者のブログにて:インドの「未成年」の人口は4億5000万人もいるらしい。インドの未成年人口だけでEUの規模。恐ろしい数字だ。●帰宅後いろいろチェック:2:マッキンゼーでお世話になった中村さん(今は勝間さん)のお言葉。「努力不足の四段活用」。まず自分の「努力不足」から始まって、会社が悪いとか、家族が悪いとかの「責任転嫁」へ。次に「被害者」。こんな時代に生まれて…みたいな。んで最後に他人の足を引っ張る「加害者」に至る。さらに「ポピュリズム」。市場迎合。うーん、そうだよなー。ちゃんと考えないとあかんコトやなー。

■12月9日: ●今日のお言葉:「頭は低く目は高く、口を慎んで心広く、孝を原点として他を益する」

■12月10日: ●帰宅後に読んでクスクス笑う。:切込隊長の12月9日の「外資系にいた日本人マネージャーって馬鹿が多いね」エントリーは名文だなぁ。年収1億以上もらってた人のコケかた分析。自業自得とはいえ、こういう敗戦処理はしんどいやろなー。●某氏に教えられて見る。:「thegridsystem.org」の右上の「グリッドを出す」ボタンすげー。●思い出したよ。:TIAAのセミナー後にprojectorの田中さんから「そういえば最初に会ったの焼肉食ったときですよね」って言われて、咄嗟にその状況の記憶が出て来なかったんだけど、さっき思い出した(おそっ)。新宿です。勇吾さんと岸本さんと一緒にNTT DATAをどうしようか、みたいな会。

■12月11日: ●早朝にメールが来たので急いでチェック:おおお、かろうじて下院を通ったBIG3の救済法案が上院での採決に調整のメド立たずとのことで否決確実。これでまた一気に株価はサゲ必至。さらなる円高も来る。ホントに先が見えないよなぁ。●ウォールストリートジャーナルの英文記事を読む。:っていうか、トヨタと日産の賃金レベルにするならって話を、組合のUAWが呑まなかったらしい。それ自爆じゃんよ。●寝る前に日経の株価ランキングを見る:うげげ。今日の株価の下げ銘柄(10%以上)。トヨタ、ホンダ、日産、マツダ、富士重工、いすゞ、ダイハツ、スズキ、日野自動車…。さらに部品系のフタバ産業、アイシン、豊田合成、曙ブレーキ、オーエスジー、森精機、スタンレー電気…。クルマ系全滅だよ…。

■12月12日: ●某氏から指摘あり。確かに。:Flash Playerがv10になったけど、v9までの下一桁でバージョン判定してるjs使ったままで見れなくなったサイトが多いなぁ…。こういうのって手掛けた会社としてはシゴトはすでに終わってるし、修正には当然お金かかるしってことで改善されないんだろうなー。●某氏と「だよねー」と会話。:まぁ見てみと言われ「資生堂ウェブサイト13年の歩み」を見た。一個一個は頑張って作ってあるけど、結局個別ブランドありきで「資生堂」としての企業イメージのマネジメントが出来ませんでしたという告白にも見えちゃう…。これをアーカイヴして「見せる」ってこと自体、そこの認識がない証明か…。

LOVE DISTANCE の続き

あーもー!。「LOVE DISTANCE」のエントリーを読んで、「何がウザいんですか」っていうのばっかり聞かれるんだけど、それを僕に聞いてる人が、これをテレビ番組見てるような視点から質問してるのがわかるので、その位置に立ったら「そりゃー男と女が苦しみながら走るのを中継されたら、そりゃー見ものですよね。はい。」としか答えられない。寛平ちゃんとかエドはるみを見てるのと同じなわけで、しんどそうやなーとか、足痛いんやろなー、頑張ってるなー、っていうのが「使える」ってのはわかってます。もっと言えば電波少年の猿岩石(古い話やなー)とかチューヤン(そういうのおったなー)とかみたいなとこまでサゲても「なんか感動的じゃないですかー」と言われたら、「はい、そうですね」と僕も答えます。

んで、そういう「面白いかどうか」とかはどうでも良くて、全部想像ですけど、これが企画されて行ったときに、例えば「既存のCFに違った存在感を与えるためにはどうするか」とか、「サイトを一回見たら終わりじゃないようにするためにどうするか」とか、「恋人と一緒に見るということ出来るといいね」とか、「男も女もっていう買われ方に結び付けられないか」とか、そういうコミュニケーションが果たすべき役割と、結果に結びつけようという使命からすると、それはもう考え尽くされ、且つ、解決されていて、そこはウザいで片付けるようなモノではなくて、真摯に学ぶべきものがありますし、さすがはGTの伊藤さんだなぁとは思うわけです。

その上で、逆に、この企画を立てつつ、考え抜いたGTの伊藤さんが、なんで10億ミリ走る必要があるのかのところを、どうしてこんなに軽い埋め込みにしたのかなぁ…と。見る必然をどこに求めたのか。終わればわかるよ、と言われたら仕方ないですが、今の状態は、それを求めずに始まってませんかね。これって、要はティザーでしょ。ティザーの概念変えたるんや、っていうことなら静観してますけど、現時点では腑に落ちませんし、商品を買ってくれるお客さんとブランドとの間にどう深い関係を刻むか、とか、それを実現するために実ビジネスまで含めたプラットフォームをどう構築するか、とか、そういったエンゲージメントのための仕組みをコミュニケーションの中にどう埋め込むか、ってあたりからすると、必然がハッキリしないものを「どーよどーよ」って言われたらウザいと思うのは仕方ないでしょ。

さらに言えば、僕はこの企画が、本当にクライアント企業や、いま売らんとしてる商品の価値を向上させることが出来るかどうかという点で練られたのかどうか…、そこも疑問です。まぁこういう話は、広告という分野、ブランディングという分野、コミュニケーションと呼ばれるものの間の終わりなき議論に繋がりますけどね。あと、「失敗して消えて欲しい」というのは言いすぎでした。すみません。謝罪します。失敗を望んでるわけではありません。でも失敗したら怖いな…とは思いました。リスクマネジメントの視点から言えば、「やらせ」って、昨今、社会でどういう評価を得てきましたっけ?みたいなコトがアタマを過ぎります。

Friday, December 12, 2008

書けない漢字: 顰蹙

今日は「ひんしゅく」の漢字が書けなかった。

その書けない度は満点で、漢字のおぼろげなカタチすら思い浮かばないというお手上げ状態。鉛筆を持ったまま天井を見上げてみたりしたけど、からっぽのアタマからは何も出てこなかった。帰ってから急いで調べてみたけど、これ、書けません。はい。っていうかちゃんと紙に書いたことない気がする。顰蹙の「ひん」は頻と略してもいいみたいですが、それも書けるかどうか危うい感じ。とりあえず「卑しく頁を歩かせる親戚の足【謎】」と覚えました。

で、「顰蹙」を調べてみて、へーって思ったことがいくつかあった。まず「顰蹙」の意味は「顰めっ面(しかめっつら)に見られる顰(しかみ)と、ちぢこまるという意味の蹙まる(しじまる)から来た言葉で、顔をしかめることや眉をひそめるさまをいう。また、周りに居る人の顔をしかめさせたり、眉をひそめさせるような行為をして軽蔑されることを顰蹙を買うと言う」とのこと。

ふんふん、意味の理解は出来ているみたいだ。でも顰(しかみ)とか蹙まる(しじまる)って何?ってことで調べてみると、それは顰(ひそみ)とも読み、「中国の春秋時代の越の美女・西施が、病んで咳きこみながら顔をしかめたさまを美しいものとして、みんながその顔をまねたという荘子の天運に見られる故事から、事のよしあしを考えず、いたずらに人まねをする。また、人にならって事をするのを謙遜していう」という歴史が出てきた。

え、西施って芭蕉の「奥の細道」の象潟の句の西施?ってことで驚いた。んで、wikipediaで「西施」を引いてみると、おおお、「顰に倣う(ひそみにならう)」の逸話の詳細が出てきた。うーん、書けないっていうことから逆に学んだぞ。

追記:エントリーに書くのを忘れてたけど、フクロウの絵は大好きなマット・ステフェンスの絵です。僕が描いたんじゃありません(こんなの描けないよ)。マットの絵はハーマンミラーのSEEマガジンで見て、いいなーと思ったのがきっかけ。

Thursday, December 11, 2008

Type is Art

この「Type is Art」は、タイプフェイスが持つエレメントを大きくしたり回転させたりしながらグラフィカルな絵を作れるわけですが、そんなことよりも基礎的なエレメントの存在を叩き込むというか、そういう基礎のお勉強にはもってこいのサイトだと思いますです。最近はタイポグラフィとタイプフェイスを混同したような文章を平気で雑誌に書いてるデザイナーとかいますが、欧文書体に関しては、そもそも、ひとつのタイプフェイスが持つエレメントがどうなっているかを見極められないと、タイポグラフィは無理なんだよね。このサイトの書体の「Stern 」も、そこが見えてくるととても美しい。ただ、Webやモニター上での72dpiという解像度の世界では美しいと判断されない可能性が高い。でも、Photoshopでちゃんとアンチエイリアスを考えながらコントラストを調整すれば美しく使えますね。

BANKRUPT

At the beginning of 2001, I started taking pictures of recently abandoned offices and the things people had left behind. This project was more than photography for me. It was economic archeology. America has not suffered such a vertiginous economic collapse since the 1930's, and I wanted to document the human cost while it was happening. There is something very strange about walking into a recently abandoned office. The heavy, Pompeii-like stillness, punctuated only by the occasional sound of the air-conditioning turning itself on. A coat-hanger waiting patiently for a coat. A limp "happy birthday" balloon on the floor. A drawer stuffed with take-out menus. Everywhere, signs of life, interrupted. ってことでこれはネットバブル後の頃ですが、「諸行無常ノ響キアリ」な状況に陥った市況の影響が直接感じられる昨今、2005年に出版されたPhillip Toledanoの人の気配が残る空オフィスのドキュメント「BANKRUPT」の写真が存在感を増している。ちなみにこの写真集はAmazonでも買えます。日本でも誰かが祭りの後のリーマンのオフィス風景とか撮影してるだろうか…。フィリップ・トルダーノは1968年ロンドン生まれ。現在はニューヨーク在住。広告代理店に務めたあと写真家になったひとだす。

TIAA公式セミナー2008

bA時代に数年TIAAの審査員を務めてた事からか、今も僕はTIAA審査コミッティの一員らしく、わざわざご招待されたので、途中からだったけど表参道まで行って「TIAA公式セミナー」を聞いてきた。到着したのが15時前ぐらいで、第一部のprojectorの田中さんの話は聞き逃したんだけど、第二部の「Webってそんなにエラいのか」から拝聴した。

で、まぁ講演を聞く側の勝手なところで言わせてもらうと、マトモなこと言ってるのはホントに田中さんだけで、かなりつらかったです。もうあたりまえのことを今頃それ言うの!って感じとか、やっぱりCMを作りたいです丸出しとかとか、そりゃーCM作るの大変でしょうし、儀式も沢山あるでしょうよ。でもWebは簡単に作ってるという前提でモノ言うのには呆れた。っていうかあなたたちが、そういうことで終わらせているだけですよね。また見せられたCMも女優やタレントを使ったものばっかりで、商品属性からストレートに構想されたものって皆無に近く、あーなんて日本のCMってこうも特殊なんだろう…っていう感じだったり。

第三部の「メディアを使い倒せ」は、イキナリMSNの宣伝で始まり、そのうえニコニコ動画はスゲー前向きメディアですとか、もう馬鹿馬鹿しいというか、あまりに稚拙な内容でまいったと言うか、それでどうしろって言うの?っていうところのオチがない「すごいですよねー」ばっかりのオタクな会話を聞かされて…。そんな風に短絡的に「ネットって素晴らしい」に溺れ、偏った視点でいる人たちを見ていて、痛いというか、悲しいというか。なんか、本気でコミュニケーションっていう仕事の本質を考え抜いてないような、無責任で、でも逃げ道持ってて、そのうえ理屈が上手で、って人が業界にいっぱいいて、そういう人たちが「これからはコレです」とか言ってて、ありえないでしょってずっと思ってた。質疑応答の時間があったら、たぶん突っ込んでたな。

それにしても、いまだにこんな感じなんかーと、しみじみ…。でも、そういうコトがわかったっていう収穫はあった。少なくとも彼らのロジックではこの先の不況は乗り切れません。その最大の理由は、コミュニケーションをしようとする大きさや幅や深さを、作ってる当事者たちが全然整理出来ていないっていうことに尽きます。その中で、あー、この人はそこが整理出来てるなー、だからこういう言葉が出るんだなーって思ったのは田中さんだけだった(田中さん、また飲み行きましょう!)。

今回のこのセミナーに関わった方々がこのエントリーを読んだらたぶん気を悪くされちゃうと思う。でも、JIAAの方々やセミナーを実施した事務局の方々などには何の不満もありませんし、逆に感謝しています。また、こうした団体を運営し、会を開催する大変さも少なからずわかっているつもりです。でも、そうした方々の努力の上に、舞台に立たせてもらっていることを認識していないスピーカーが複数いた(それを認識していれば、もっと責任ある言葉が話せるはず)ことには警鐘を鳴らしておきたいと思う。

Drive Every Drop | Honda

文化庁のメディア芸術祭のWeb部門の講評にも書いたんだけど、このW+K Tokyo (ワイデンアンドケネディトウキョウ)のエリッククルーズさんが手掛けた「Honda | Drive Every Drop」は企業広報の分野では近年まれに見る素晴らしいサイトだと思います。先にも書いたメディア芸術祭のエンタテイメント部門での審査会でも、Web部門と映像部門の両方で、最後の最後まで優秀賞を競いました。でも映像だけで判断するとJellyfishが作った「Carbon Footprint」の方が強かったし、Web部門では勇吾の作った「FONTPARK 2.0」が他を凌駕してしまい、結果的にこの「Drive Every Drop」には、何の賞も贈ることが出来ないということになってしまいました。そういう結果が見えてきたとき、僕は、すごくもったいないと感じて「なんか別に賞の設け方はないのかなぁ…」って呟いたら、今回のエンタテイメント部門の審査主査を務められた田中秀幸さんも同じことを思ってらっしゃって「だよねー」って、もう一度審査結果を見直したり色々したんだけれど、結果として何もナシとなってしまって残念な感じでした。サイトを見てもらえればわかると思いますが、コンテンツはどれも非常に力があって、訴求したいことがシンプルに伝わってくるし、企画の実現力も高いです。さらに訴求点をユーザーに理解させるところで、数々のアイデア溢れるデザインや、チャーミングな表現が非常に効果的に使われている。さらに優れた数々の技術の実装が融合していて、見ていて何度もため息が出ました。こういうタイプのサイトで、例えば、ちゃんと低速度対応のための準備が行われているとか、Google Mapがすごくうまく組み込まれていたりとか、何よりもちゃんとFeedが提供されているサイトって日本ではすごく少ないわけで、その点でも見習うべきことが山ほどあります。リーダーに知らせる事が何なのかの意味をちゃんとわかった上での実装になってて、リーダーでは細かなサムネイルとテキスト、サイトではリッチな動画という最適化がされているわけで、すごい高いレベルで考えられてることがわかりますね。もしレセプションで会えたらエリックさんと色々話したいと思ってます。

Wednesday, December 10, 2008

now & then


Hitler rants about D3x

むちゃくちゃ面白いです。いやー、バッチリですね。

Tuesday, December 09, 2008

メディア芸術祭受賞作品発表

平成20年度もエンターテイメント部門の審査員を務めた「文化庁メディア芸術祭」ですが、文化庁長官の正式裁定も無事に下り、審査会で選出した受賞作品が先ほど文化庁メディア芸術プラザのサイト上で発表されました。今年度も審査が大変だったけど、まずは予定通り発表できてよかったです。審査委員のみなさま、事務局のみなさま、本当におつかれさまでした。ありがとうございました。今年度のエンターテイメント部門の大賞は、岩井俊雄さんの「TENORI-ON」です。これ、実験的なモックアップじゃなくて実際にYAMAHAから製品として発売された楽器なわけです。これが製品じゃなくアーティストが作った一点モノだったら大賞にはなりません。エンターテイメント部門ですから製品化されたこと自体も評価します(ただ定価12万円ってどうなんっていう議論はありました。ちょと高いね)。アルミパイプの継ぎ目とか製品っていうところではちょっと雑な感じもあるんですが、手に持つと重量感もあって、実際やってみると楽しいし、かなり色々遊べます。これ以外にも自分が担当したエンターテイメント部門からは、驚きや楽しさがあり、経験の質が高い作品が選出できたかなと思っています。ゲーム分野は審査会ですごい議論がありましたが「Wii Fit」。メディアアートは佐藤雅彦さんの「君の身体を変換してみよ展」(事務局さん曰くまだ交渉中とのことですが、ひょっとすると来年のエキシビジョンで作品展示されるかもしれません)。Webからは前にも書いたとおり「FONTPARK 2.0」。映像の「カーボン・フットプリント」も必見です。国立新美術館での展示が楽しみですね。

Monday, December 08, 2008

Chrysler's Message

クライスラーのコーポレートサイトのトップページがすっごいことになってる。「私たちが企業救済措置で失敗できないということではありません。それは私たちが成功するのを助けるローンです」だってさ。「エミッションフリーの電気自動車や環境問題に答える新しいテクノロジーに投資して、早ければ2010年までにエキサイティングな電気自動車のラインナップを提供するでしょう」ってどうよ。嘘つけって感じ。今ごろ何を言ってるんですかって感じ。ただ、ビッグスリーの中では、これを掲げるクライスラーはまだ偉い。GMも別サイトを用意して状況を語ってる。でもどうなん。これってもう「助けてくれー」っていう絶叫だよね。だけど、それを言うのに「自動車業界が破綻したら来年300万人が職を失います」とか言ってる。そんなことをいま言うなら、そういう経営をして来たのか?ってことになるわけで、やっぱり、今頃なに言ってんの、って感じ。最悪なのはフォード。ここには何もない。どこにも危機感がない。っていうか「ちょっと打撃を受けました。でも大丈夫。未来のフォードの成功のプランを聞いてください!」って…。何事もなかったように語ってる。国から税金を入れてください。国民のお金を我々に使ってください。っていう態度じゃない。やっぱり会社更生法を適用して膿出しするしかないんじゃないの、とか。んで、何が怖いかって、こういう誠意がまったく感じられないコミュニケーション。あらゆるものが崩壊していくのが目に見えるように感じられること。21世紀のコミュニケーションは、何もかもそのまま映し出しちゃうんだよ。

engrish.com

あかん。「engrish.com」が面白すぎる。これは「蒸したおチン○ンと豆腐のサラダ」だそうです。ありえねー!っていうか無理。食えねー!っていうか見たくねー!これはアダルトネタのほうにあったやつですけど、大阪のレストランのメニューに載ってたのを携帯で写メったとのこと。東京メトロの「Please do it at home」ネタにFacebook上で天野くんが突っ込んでくれて、そこからこのサイトを知りました。もう笑いが止まりません。でもホントにスペルミスとか怖いよね。

Saturday, December 06, 2008

2008 Olympics Photo

ボストングローブの北京オリンピックのオープニングセレモニーの写真記録。少し時間がたっているけど、時間がたってからこれを見直すと、写真ってやっぱり素晴らしいって心から思う。映像は映像ですごいし、ハイビジョンも綺麗。だけど、それはそれ。こんなにも美しい衣装を着た状態の集合体を見ていたんだ、こんなにもイキイキとした人たちが演じてくれていたんだ、こんなにもひとつひとつが凄かったんだ…、こんなにも、こんなにも…と、写真は伝えてくれる。その伝えてくれるもの=読み取れるものが、また新たな感動を生み出す。こんな表現方法って他にあるだろうか。真実を写し出す。これが写真の原理原則。そして写真は真実しか残さない。しかしその真実を読み取るための時間を見る人に与えてくれる。さらにその与えてくれる時間は一瞬ではない。何年もかけて自分の積み重なった経験と重ね合わせて読み取ることを待っている。それは限りない対話を生む。そして伝わるものが写し込まれた写真であればあるほど感動がある。こんなものって他にあるだろうか。写真って本当に素晴らしい。

Stand By Me

なんだか感動した。When the night has come. And the land is dark. And the moon is the only light we see. No, I won't be afraid. Oh, I won't be afraid. Just as long as you stand, stand by me, So, darling darling. Stand by me, Oh stand by me, Oh stand. Stand by me. Stand by me. If the sky that we look upon. Should tumble and fall, Or the mountain. Should crumble to the sea. I won't cry, I won't cry, No, I won't shed a tear. Just as long as you stand, stand by me.

Designing Technology for [ ]

Appleの増井さんからの情報。「東京大学 第10回制作展」。ちょっと見に行ってみたいな。っていうか、なんでこんなに会期が短いのかしらん。「"iii Exhibition 10"は情報科学・メディア論・ロボット工学・社会学など多様なバックグラウンドをもつ東京大学の学生によるメディアアートの展覧会です。東京大学ならではのテクノロジーをアート作品として表現いたします。今回は"Designing Technology for [ ]"をテーマに掲げ、テクノロジーをデザインすると何が生まれるのか、作家一人一人がその答えを作品として表現しました。科学と芸術の融合展示iii Exhibition 10にぜひご来場ください。」●日時:2008年12月4日(木)~9日,11:00~19:00 ●場所:東京大学 本郷キャンパス

Friday, December 05, 2008

NASA 50th Anniversary

CSのディスカバリーチャンネルの特番で「NASA創設50周年」っていうのをこのところ放映してるんだけど、すみません。忙しく仕事しなきゃならないんですけど、この番組は見てしまいます。すみません。って誰に詫びてるのかわかりませんが、いやー、ドキュメンタリーっていいわ【謎】。ここんとこ地上波系テレビとか全然見てなくて、もちろん毎日朝と夜のNHKニュースとか、篤姫とか、サンデープロジェクトとか、オーラの泉とか、なんでも鑑定団とかは見るけど(結構見てるやんけ)、放送っていうところで本気というか、ちゃんと見てるのはCSの「ディスカバリーチャンネル」と「ヒストリーチャンネル」と「ムービープラス」がメインになってて、映画とドキュメンタリーしか真剣に見てない気がする。アメリカのTVドラマ系を流してるAXNとかFOX HDとかも見るけど、何となく見てる感じ(そういえば「24」とか「CSI」のような方向から、「ダーティセクシーマネー」とか「SHARK」とか、番組の企画が変わってきていて、そこに時代の気分が感じられる)。んで、そういうチャンネルが全部HD画質の放送になったので、ウチのプラズマテレビで見てると、Webで見れる映像コンテンツとか、なんか見る気にならないんだよね。もちろんYouTubeやニコ動とかは面白いから見るけど、やっぱりコンテンツとして「見てよかった」とか「学習したな」って思えるのは放送されるコンテンツなんだよね。んで信蔵さんはもう一度考えたんですけど、前々から属性が違うって言われて色々議論されてきた「放送=テレビ」と「通信=ネット」の違いって、こういうことかなと実感してるわけです。つまり両者はまったく相容れないってものでもなく番組企画や吸引力を保管し合うところでは微妙な相関性は持ってるわけだけど、根本的には、得意っていうかメディア属性がまったく違うんだってこと。これをアタマでは理解してたわけですけど、放送される番組がHD画質になった途端に「これは通信じゃ無理やわ」っていう体感がヒシヒシあるわけ。そもそもの権利の話もあるし、今の通信のビットレートのインフラじゃ無理だし、画質としてもQuickTimeのHDしか対抗できないし、光ファイバーだからってインフラが変わってもサーバ側がそうはいかんわけだし…とか。さらにオンデマンドって、DVD借りるのとコストを鑑みれば実は「いつでも見れる」ってのは、逆に担保っぽくなっちゃうので視聴機会の価値が低いんじゃないかとか…。まぁ今頃になって色々実感しながら不透明だったことが見えて来てるわけです。古株さんとか竹田っちに、おそっ!って言われそうだ…。

Thursday, December 04, 2008

LOVE DISTANCE

LOVE DISTANCE」ってサイト、むちゃくちゃウザいわー。なんかリアルにやってんねんけど、もう仕込みバリバリやし、なんか「やってもーた」みたいな前振りがあって、男は懺悔の気持ちで丸坊主になり、大急ぎで「会いに行かなきゃー!」みたいなお題で始めてんねんで。んで、どうなんかと思ったら、男も女も、ゆるーい感じで、走るって言うよりのんびり歩いてるし、「出会ったおばちゃんと仲良くなりました」とか、なんやねんそれ。「彼らは、クリスマスに出会います」 ってなによ。そんなん12月24日の朝の新幹線を予約したらええやんけ。「応援してください」ってなによ。っていうか、なにを応援せなあかんのか、さっぱりわからん。ちゅーか、どういうこと?これが広告ですか。いやー、ちゃうやろ。これは広告屋の勝手な遊びやろ。なんか、それっぽい話題作ればそれでいいんですかね。これがバイラルってことですかね。なんか腑に落ちんわー。って関西弁丸出しですけど、こういうのウザいです。こんな中途半端な企画ってハッキリ言ってユーザーをバカにしてる。さっさと失敗して消えて欲しい。中身がないのにカッコつけるっていうためにデザイン使うやつは消えて欲しい。こういうのよりも、「エガクロック」のほうが全然いい。

追記:とある方から、「ネタばれでダラダラやってるから突っ込みたくなる=話題になる=どれどれと見たくなる=アクセス稼ぐって感じを狙ってるのかも」っていう意見がありました。それって屁理屈。理屈じゃなくて「屁」な理屈。

さらに追記:何がウザいかについて色々言われたり聞かれたので別のエントリーを書いた

Please do it at home

東京メトロの「家でやろう。」シリーズのマナーポスターだけど「Please do it at home」って、このメッセージをどう受け取ったらいいか前から気になってたんですけど、やっぱりおかしいっていうことらしいので、変な英語をつい使ってしまう自分に向けての警鐘という意味でもエントリーを残しておきます。日本語じゃ「家でやろう。」って言うことは、「こういうことは電車の中じゃなくて家でやりましょう」っていう訴求なわけで、それでこのイラストのタッチと相まってちょっとユーモア入れて知的な感じに仕上げようって思えるんだけど、英語では「どうぞくつろいでください」っていう意味になってて、これ日本人はダメだけど、外国人はやってもいいってことなんですか…みたいな、笑えない話に転んじゃってるわけです。他にも「海でやろう」、「庭でやろう」、「店でやろう」、「山でやろう」っていっぱいシリーズあるけど、全部この顛倒した英文がついてる。いやー、自分の英語力を考えると、まじ笑えない。自分もやってしまいそうで怖い。ネイティブな知り合いがいっぱいいて、いつでも軽く相談に乗ってもらえるというのはありがたいことだ…とじみじみ思います。
●東京メトロ マナーポスター紹介

Wednesday, December 03, 2008

Tuvalu

ところで俺って「ツバル」って名前だけは見たり聞いたことがあるけれど、その詳細は全然知らないじゃんよ。ってことで調べる。「ツバルは9つの珊瑚島(環礁の島)からなる小さな小さな島国です。すべての島をあわせても、面積は26km2(品川区と同じくらい)しかありません。そんな小さな島々に約10,000人の人達が暮らしています。1978年にイギリスの植民地から独立した時、8つの島にしか人が住んでいなかったので、8つの島の人達が協力して国を作っていこうという意味を込めて国名を「TUVALU:ツバル」と決めました。ツバルは現地語で「TU=立ち上がる+VALU=8」という意味を持っています」とのこと。首都はFunafuti(フナフチ環礁)にあり、議会制民主主義を持つ立憲君主制度の国。通貨はオーストラリアドル。北青山に名誉総領事館があってビザの発行とかもしてくれる(らしい)。気候は、3~10月頃までは平均気温も26~30度程度で過ごし易い季節。11月から2月頃までは雨季で雨が多く高温多湿。降水量は首都フナフチで年3,000mmぐらい。ひとたび台風が来ると全島冠水。近年は温暖化やエルニーニョ現象の影響でそうした台風による被害が頻発中。なんで全島冠水するかって言うと、国土の最も高い場所の標高が海抜4m。ええぇ、4mですか。さらに、俺たちってその気になればツバルに行けるのか?っていうことで調べてみると情報があった。10分10セントでインターネットも使えるけど携帯はまったく通じないとかまで書いてあるけど、そういうことはどうでも良くて、ホントに都会から抜け出したいと思ったときの逃げ場として、ここはかなりいいかもと思った。石ころしかないけど肉が食えるアフガニスタンを選ぶか、イモと魚を食いながら海しかないツバルに行くか。うーん、どっちもいい感じ【謎】だ。

Venice under water

こ、これはなに?うぇぇー信じられない光景です。あのサンマルコ広場が水没してます。これ、あの人だらけのサンマルコ広場ですよ。まるで地球温暖化の影響で沈みつつあると言われているツバルのようだ。こうなった原因は今までに無い1.5mという高さほどの高潮らしいけれど…。この街って、歴史を誇りつつ映画祭とかもあり、文化的でラグジャリーな方向での存在感を持ってたのに、ヴェネチアへの旅行にはゴム寸胴(豆腐屋とか魚屋のおっさんが履いてる腰まであるゴム長靴)をお忘れなく、みたいになってしまうのだろうか…って、ついどうしようもない連想が走ってしまったわぁ。

Tuesday, December 02, 2008

IKEA: Long Live Diversity

「shinzlog - digital signage」のほうにも報告しておいたけど、同じ内容のポスト。IKEAの屋外広告っていうかポスターのクリエイティブ。前に勇吾がユニクロで色を抽出して、それをパターン化してモザイク絵っぽいタッチでインタラクティブを実現したけど、こいつは、個々の商品をそのまま使いながら、大きさとレイアウトで見せてる。さらに、こいつはちょっとアートなタッチを持ちつつ、大型ポスターだから、遠くから眺めてる感じだと顔に見えてる。だけど、近くに来るとソファとかクッションとかお皿とか、そういうのの羅列なんだってことがわかる。屋外広告として、バス停とかに貼られる(あっち【謎】のほうはバス停のスナップ写真を貼っておきました)わけで、これはものすごい説得力がある。っていうか、これだけ大量の商品が埋め込まれていたら、何回見ても飽きない。一枚のポスターを遠近両面でバッチリその役目を果たしているっていうのも素晴らしい。しばらく出会えなかったけれど、これぞクリエイティブな仕事だと思う。さらに、こういう表現、デジタルサイネージに置き換えると、なんかすっごい面白いものが出来そうな感じがするんだよな。Agency: Forsman & Bodenfors, Gothenburg | Media Agency: MEC | Reproduction/Retouch/Original: Factory F&B | Advertiser's Supervisor: Christine Eliasson | Project leader: Susanna Fagring, Olle Victorin | Production manager: Ewa Edlund, Elin Sohlberg | AD: Anders Eklind, Anna Helmet | Copy: Fredrik Jansson, Anders Hegerfors | Designer: Christoffer Persson | Illustrator: Charis Tsevis (Tsevis Visual Design)

Space Origami Airplane

広島で超精密鋳造部品などを手掛ける「キャステム」の戸田拓夫社長が推し進めていた「宇宙から飛ばす折り紙ヒコーキ実験」(アマゾンで彼の本が買えます)プロジェクトが見送りになった。これ、個人的にすっごく期待してたので、すっごく腹がたつ。腹が立つ相手はJAXA。中止になった理由は、「衝突事故やごみ化を懸念」だという。っていうか、ありえないでしょ。そんなの最初からわかってることで、そこを計算して実験プロジェクトを設計し、NASAとリレーションするのがJAXAの仕事でしょ。なんでそんな準備不足っぽいことで中止なわけですかー!って言いたい。しょせんJAXAも官僚っぽい動きしか出来ないってことですか。ものすごくガッカリしました。何が「宇宙ブランドを付与」ですか。カッコばっかりじゃないですか。実行力ないじゃないですか。夢とか与えられてないじゃないですか。っていうぐらい、この中止報道に触れてガッカリしました。税金払ってる国民として「すごいなー」っていう事を実現する力を持ってもらいたいもんです。

Monday, December 01, 2008

FONTPARK 2.0

文化庁メディア芸術祭の審査で、勇吾さんの作った「FONTPARK 2.0」をWeb部門の優秀賞に選出しました。今年度のWeb部門には、Web2.0的なコンセプチャルな作品、企業の大規模キャンペーン系でCMや広告を連動させた企画、携帯連動を主軸に複雑なミクスドメディアを実現した企画、その他いろいろありましたが、この作品が他を凌駕しました。最終審査会での審議で色々話し合いましたが、行き着いたのは「ユーザーに与える経験の質の高さ」という点で「この作品が圧倒的」という結論です。僕は映像とWeb部門を主に担当する立場だったわけですが、CM業界やゲーム業界の重鎮たちとともに「経験の質の高さ」という点で意見の一致を見たとき、なんか胸がすくような感じがしました。審査員のみなさん、長くてつらい審査、おつかれさまでした。ちなみに下に貼ったのは洒落で僕が作ったやつです。面白くなくないです。面白いです。はい。

The Leaning Tower Illusion

あー楽しい。もー楽しい。こういうの大好き。「錯視コンテスト」のサイトにいっぱいある。「この2枚のピサの斜塔の画像は、実際にはまったく同じものだが、異なるアングルから撮影されたかのように、右の塔の方が傾きが大きい印象を受ける。この現象が起こるのは、視覚系がこの2つの画像を、1つの風景の一部であるかのように処理するためだ。通常は、2つの隣り合った塔が同じ角度で建っている場合、遠近法により、塔の輪郭線は視界の中心部にある一点に収束するようなかたちになるはずだ。視覚系はこのことを計算に入れている。そのため、輪郭が平行関係にある2つの塔の画像を突きつけられると、視覚系は2つの塔が上に行くに従って離れているはずだと思い込む。そのためこの錯視が生まれるのだ」。なるほど、真ん中が小さくなるはずの遠近法が自分の視野を支配しているわけだ。